家事・育児と両立しながら、「好きな仕事・やりたい仕事」で働きたいという方へ。

もしかしたら、時間や場所にとらわれない「自由な働き方」で、好きな仕事を続けて仕事と家庭を上手く両立することができるかもしれません。

山形県内で『時間や場所にとらわれない自由な働き方』を実践している人の、仕事の中身やワーク・ライフ・バランスなどを取材し紹介していくこのコーナー。ぜひ、今後の働き方の参考にしてください。

【過去の記事】
01 フリーランスライター
02 テレワーカー(まちづくりコンサルティング会社勤務)
03 Webメディア立ち上げ→会社設立
04 整理収納アドバイザーとマルチワーク

自由な働き方に憧れる! 自由な働き方をしたい! と思っている人は、自由な働き方と聞いて、どんなイメージを持ちますか?

ー自由に働けるなんて楽しそう!

ー好きな時間に仕事ができる!

ー育児も仕事も両立できそう

ー自由な働き方ってラクなんじゃないの?

そんなイメージを持っている人もいるかもしれません。でも、本当にそうなのでしょうか?

今回は、会社員でありながら出社しない働き方=「テレワーク」で働いているキャリアカウンセラーの方と、転職マッチング会社 株式会社キャリアクリエイトの代表に話を聞いてきました!

 

05 テレワークで働くキャリアカウンセラー

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キャリアカウンセラー 浅野えみさん

山形市出身。大学から東京に出て、大手求人広告会社に就職。求職者の転職相談を年間約1000人、企業の採用を7年間担当。結婚・出産を経て、山形へUターン。現在は、(株)キャリアクリエイトでキャリアカウンセラーとして働いている。小学生と園児の3児の母。

 

テレワークで働くようになったきっかけ

 

山形へUターン後、仙台で行われたキャリアネットワーク(宮城・山形を中心としたキャリアカウンセラー有志で2004年に設立した任意団体)の研修会へ参加したとき、今の会社の社長と出会ったという浅野さん。

その後は、育児をしながらキャリアカウンセラーとして4年間活動。2015年にキャリアネットワークの事務局が(株)キャリアクリエイトへ移行するのと同時に、(株)キャリアクリエイトの社員になりました。
ただし、浅野さんは他の社員とは異なる、『テレワーク(tele=離れた所・work=働く)』という働き方をしています。

基本は、直行直帰でカウンセリングやセミナー、研修会の現場へ。資料の作成や事務作業は自宅で。会社でカウンセリングの予約が入った時や、ミーティングがある時は出社するというスタイルです。

テレワークで家庭と仕事の両立ができるのか

 

テレワーク」=完全に自由というわけではありません。予定が入ったら絶対に休めないし、週の半分は自宅を空けています」

同居しているご両親の協力や、友達に助けてもらえる環境作りを心がけるなど、周囲の協力があってこそ働けているそう。

「自宅で仕事しているときは子どものそばに居られるし、学校の行事があるときはあらかじめ仕事を入れないなど、仕事のスケジュールはある程度自分の予定に合わせて組むことができます。夜遅くまで仕事をすることもあるので、ワーク・ライフ・バランスでみたら仕事の割合が高めですが、気持ちの上では育児優先! 仕事が好きだから育児も仕事も両方頑張れています」

 

山形県のテレワークの動き

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近年、政府も推進しているテレワークは、これからの少子高齢化社会における地域活性化にも大きく寄与するとされています。

2016年に特定非営利活動法人Yamagata1が行った「山形のテレワーク普及啓発に向けたWEB調査」では、「テレワークを導入している」と回答した山形県内の企業・団体は 7.8%(12 社)。最も多かった職種が「人事・労務・総務」、次いで「経理・会計」、3番目に「システム開発」。(Yamagata1の調査報告書より)

2017年からは、山形の県職員を対象に、育児や介護の事情がある職員や遠距離通勤をしている職員向けにテレワークを推奨する取り組みが行われています。

テレワークに適した職種は、調査、資料作成、経理、会計、システム開発、プログラミング、ライティングなど、事務職やクリエイティブな分野に限られてしまうため、農業や製造業が盛んな山形ではテレワークに向いている職業が少ないというのも現状です。

会社員でも「自由な働き方で、家庭と好きな仕事を両立」を実現するためには、どうすればいいか?

会社員でも「自由な働き方」を実現させるには、どうすればいいのでしょう。会社と仕事探しのコツを、キャリアコンサルタントとして数多くの転職相談を行っている原田社長に教えてもらいました。

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株式会社キャリアクリエイト代表 原田幸雄さん

山形大学人文学部卒業後、大手電子部品メーカーに16年半勤務。おもに総務・人事・教育分野に従事。2000年、40歳のとき故郷山形が恋しくてUターンし、 株式会社キャリアクリエイトを創業。モットーは、「心にエンジンを!」

 

今の会社を辞めずに、現状を変えたいと思っている人へ

 

上司との関係・話の切り出し方

(原田)まずは、自分の家庭環境がどんな状況なのかを上司に話すこと。事情を知っているのと知らないのでは、会社側の対応も変わってきます。お互いに理解できるような関係性を築くのが大事。

例えば、仕事を自宅でやりたい、テレワークをしたいと切り出すには、仕事を任せてもらえる技量(スキル)と信頼関係があることが前提。その上で、週何回は自宅で働きたい、何時から何時は自宅に帰らせてほしいなど、自分が望む働き方が実現できるのか、上司と話し合うことです。

提案を受け入れられることもあるでしょうし、内容によっては難しいこともあると思います。お互い100%納得できる働き方を実現するのは、なかなか難しいと思うので、どこかで妥協点を見つけることが必要かもしれませんね。

仕事への取り組み方

(浅野)出社しないテレワークは、仕事とプライベートの境界が分かりづらいので、スケジュール管理能力が必須。また、他の人に自分のやっている仕事が見えないので、常に情報を発信することも大事です。仕事の悩みをひとりで抱えがちなので、積極的にコミュニケーションを取ったり、あえて出社して他の社員と話をする機会を設けるのもいいですね。

 

これから働くことを考えている人へ

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仕事探しを始める前に

Q.10年先・子どもが巣立った後のことまで考えて仕事探しをした方がいいの?

(原田)年齢別に女性の労働力率を表したM字カーブ結婚・出産期に当たる年代に女性の就業率が一旦低下し,育児が落ち着いた時期に再び上昇することを表すグラフ曲線。※内閣府男女共同参画局HP参照がありますが、その中で自分が今どこにいるか考えるといいでしょう

やりたいことや目標がある人はいいですが、目標がない人は先のことまで考えるのは辛いですよね。

人生を山に例えると、目の前に山がありその後ろにも山が隠れているとします。手前の山を登ってから見るのとと、登らないで次の山を見るのでは見え方も変わってくると思います。山を登っている途中に出会いもあるはず。まずは、目の前の山を登ってみることに集中してもいいのではないでしょうか。

仕事と家庭を両立できる環境づくり

Q.仕事と家庭を両立させられるか不安です

(浅野)とにかく自分の周りの人に話す、相談すること。私は、親でも友達でもとにかくSOSを発信します。相手が困っていたら自分も全力で助け、お互い困ったときにサポートしあえる関係を作っておくことが大事ですね。

どうやって探す?会社探しのコツ

Q.どうやって仕事を探せばいいですか?

(浅野)「プランド・ハプンスタンス・セオリー」という言葉をご存知ですか? 日本語に訳すと「計画された偶発性理論」で、「キャリアの8割が予期しない出来事や偶然の出会いによって決定される」ということを意味しています。仕事を見つける上で、何より大事なのが人との出会い! 偶然の出会いは待っているだけでは訪れません。積極的にセミナーや講演会、研修会、イベントに参加して、どんどん自分を発信しましょう。

女性が働きやすい会社の見極め方

Q.子育て中の女性が多い=女性が働きやすい職場?

(原田)子育て中の女性が多い職場でも、人それぞれ背景が違います。山形では同居率が高いので、家族の協力が得られるケースも多いですね。でも、親が同居していても現役で仕事をしていれば支援は受けづらくなりますよね。子育て中の女性が多い職場だからといって、必ずしも自分が働きやすいとは限りません。

Q.入社後思っていたのと違う…ミスマッチを防ぐには?

(原田)可能であれば、応募する前に一度その会社を訪問してみること。そうすれば、普段の職場の雰囲気を感じることができます。訪問が難しいようであれば、知り合いから話を聞くのがベストですね。また、面接の際に繁忙期や残業がどれぐらいあるのかなど質問しておくと、入社後「こんなはずじゃなかったのに…」というミスマッチを防げます。

 

次回もお楽しみに!

「自由」と聞くと、なんでも自分の思い通りと捉えられがちですが、自由にはそれなりの責任と大変さが伴います。

浅野さんいわく「会社に出社するより大変なこともある」というテレワーク自由な働き方=ラクとは限りません。テレワークにすれば仕事と家庭がうまく両立できるのではなく、自分で両立できる環境を作る努力が必要

自由な働き方をしている人の共通点は、最初からそういう働き方を目指していたわけではなく、人との出会いがきっかけであったり、好きな仕事と家庭を両立させるために模索した結果、場所と時間にとらわれない働き方になったということ。

人それぞれ家庭環境や事情が異なるので、自分は何を一番優先させたいのか考えて、仕事と家庭のバランスを決めたいですね

好きな仕事と家庭を両立するために、試行錯誤を繰り返しながら自分なりに確立した仕事のスタイルそれこそが、自由な働き方といえるのではないでしょうか。

次回も、時間や場所にとらわれない「自由な働き方」で「好きな仕事」を続けながら「仕事と家庭を上手く両立」している人や、そのような仕事のはじめ方をお伝えしていきます。

お楽しみに!

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