遊佐町で 2019年から始まった遊佐町自然体験型留学生制度、通称「遊佐高校魅力化プロジェクト」。

この制度の導入とともに、山形県ではじめて、『暮らしのコーディネーター(旧名:ハウスマスター)』という仕事が誕生しました。

暮らしのコーディネーターは、『教育者』としての仕事。

現在、遊佐町では地域おこし協力隊として暮らしのコーディネーターを募集しています(コーディネーター詳細・募集要項)

一方的に教える、助けるというような関わり方ではなくて、「一緒に生きて、一緒に気づいて、成長していくことが素敵だな」と思うような人が向いていると思います。

「暮らし」「教育」「ケア」「対話」「垂直的成長」などのキーワードが気になる方は、ぜひ読み進めてください。

参考)垂直的成長と水平的成長とは?

参考)応募を検討している方、遊佐町にご興味がある方はぜひ下記WEBサイトもご覧ください。

暮らしのコーディネーターの仕事詳細 https://yuzako.com/coordinator

遊佐町地域おこし協力隊作成HP  yuzamachi.com/

 

親元を離れて「遊佐」に進学する高校生をサポート

人口が減り、定員割れしていた遊佐高校。

遊佐町の地域おこし協力隊が関わる形で、「遊佐高校魅力化プロジェクト」がスタートしました。

現在、定員61名中20名が、地域みらい留学制度を利用して親元から離れて寮に暮らしながら遊佐高校で学ぶ生徒です。遊佐町では、改修した5つの一軒家を寮(シェアハウス)として運営しています。

(地域みらい留学は、130校を超える日本各地にある魅力的な公立高校の中から、住んでいる都道府県の枠を超えて、自分の興味関心にあった高校を選択し進学)

地域みらい留学を検討している学生向けオンライン説明会では「やりたいことがない人こそ来てほしい」「やりたいことはなくても大丈夫」と生徒たちに伝えています。

今回は、この仕事に2年前に出会い、これから自分の夢に向け挑戦するために卒業することを決めた相馬葵さんにインタビューをしました。

相馬葵さん

山形県庄内町余目出身。新潟の大学を卒業後、東京に就職しSEとして働く。その後、酒田にUターンして英語塾のコールセンターで1年働き、暮らしのコーディネーター(旧名:ハウスマスター)として遊佐町の地域おこし協力隊として2年活動。

 

 

親元を離れて「遊佐」に進学する高校生をサポート

暮らしのコーディネーター(旧名:ハウスマスター)は、どんな仕事ですか?

暮らしのコーディネーターは、生徒と共に生き 暮らしから学びをつくる仕事です。

地元の高校ではなく、遊佐高校に進学することを決めた高校生たちの成長によりそうために、保護者・学校・寮母さん・地域の人などのステークホルダーと関わる事が仕事です。

生徒が学校を遅刻・欠席・早退するときに保護者・学校・寮母さん・役場に連絡するなどの対応をしたり、病院への送迎するなどの生徒の日常のサポートを中心に、季節ごとのイベント企画運営、寮母さんに関わる事務作業などを行います。

春は、新入生対応(引越し・歓迎会・オリエンテーション)をしたり、新年度なので放課後に生徒と一緒にご近所さんの挨拶回りをしたり、生徒の暮らしの土台作りをしています。生徒と寮母さんがコミュニケーション取れる会を運営したり、暮らしに慣れ始めて生徒たちに生活のルールを教えたりしています。

夏〜秋は、地域みらい留学に応募したいと思ってる子のためのオンライン説明会や、実際に遊佐に来てもらう体験プログラムを運営しています。移動中や郷土料理(芋煮やガニ汁)を一緒に作るなどの作業中に『どうして遊佐が気になったの?』という会話をして、対話の時間を大事にしています。

冬は、推薦入試で現地に来た学生の対応・制服の採寸のアテンド、卒寮式、3年生を送る会、3年間の発表の壁打ちに付き合ったりもします。

また年間を通して暮らしのコーディネーターがイベントを企画したり、地域の人からイベントへの声がかかったり、生徒でイベントを企画したりと、毎月1回ぐらいはイベントが開催されています。

その他にも協力隊業務として、ふるさとCMや地域への出前講座、年間活動報告会などがあります。

生徒としっかり向き合う仕事なんですね。この仕事とは、どのように出会ったんですか?

庄内で開催されたイベントで、偶然このプロジェクトに関わる人に出会い、話を聞いておもしろい!と思ったんです。

ちょうどキャリアの節目を感じていたし、自分自身も中学・高校など早い時期に、先生や家族以外に相談できる相手がいたり自分の「好き」に気付く機会があると良いと思っていたのもあって、この仕事に興味を持ちました。

 

不安などはなかったですか?

不安というか、何の仕事なのかぶっちゃけわからなかったです。笑
「高校生と話をする」ことしか、わかっていなかったですね。

始めた当初はワクワクだけでした。
半年くらいは何をしているか 何が大事なのか わからないまま走っていた感覚でした。だけど、走る中で、自分がどういう性質かわかってきて、一緒に働いている仲間と自分は「タイプが違う」と認識して、自分なりの学生との接し方のスタイルに徐々に手ごたえを感じ、自信が持てるようになりましたね。

 

生徒との関わりは、かなり濃そうですよね。

そうですね。
寮で共同生活をしている生徒同士が意思疎通があまり上手くいかなかった時に話し合いをして仲介役になったり、ホームシックになって泣いてる生徒を迎えにいって車で遊佐の自然を巡ってなどしてるうちに泣き止んだり、たまたま寮で夜中まで生徒と話し込んじゃって修学旅行気分になっちゃったりと、ぶつかり合ったりする青春の隣にいるな〜と実感することはありますね。もちろん毎日ではないですが、たまにそういう出来事もあります。

暮らしのコーディネーターの仕事で面白いこと・一番のやりがいってなんですか?

暮らしを通して生徒の変化を見れることですね。生徒の近くにいるからこそ感じられることです。

学校に行けない・嫌いだった子が学校に行ったり。自信もって話せなかった子が やりたいことをやり始めたとか。

大きな変化もそうだけど、小さな瞬間に携われる、見つけらえることも嬉しい。

共同生活では価値観の違う人との協働だったり、年代の違う人(寮母さんなど)とのコミュニケーションや、自分たちでルールを考える、対話を通してみんなの納得解を見つけるなど、生きる上で大事なことを学べます。このような人との繋がりを通して自分の得意不得意や好き嫌いも知ることができたり、一緒に住む人からの影響を受けてチャレンジするようになったり、暮らしの中にはたくさんの変化のきっかけが隠れているなと思います。

成長の瞬間に携われるって、教育の醍醐味ですね。

遊佐町の自治会の人などが地元を離れてやってくる生徒に『イベントに来ないか?』などと声をかけてくれて参加することも徐々に増えてきて、生徒と全然年齢の違う地元の人と繋がってることも、生徒の変化に関わっていると実感します。

本当に感謝ですね。

生徒以外の町の人との関わりもあるんですね。

寮母さんは町の方々で、幅広い年齢の方々に寮母業務に入ってもらっています。お仕事はご飯作りに始まり、家事の仕方を生徒に教えてもらったり、掃除や片付けができていなかったら声かけをしてくれたり、お弁当作りのサポート、雑談など、すぐそばで生徒を支えてもらっています

生徒のことや寮のことなどで困りごとがあれば暮らしのコーディネーターに相談してくださるので、寮母さんもこのプロジェクトを運営するチームメンバーとしてすごく頼りにさせていただいています。

学校の先生とは、遅刻・欠席の連絡をしたり、学校のスケジュールの共有、イベントの情報共有や新入生受け入れの準備の打ち合わせなど協働体制を作っています。
このプロジェクトは学校との協働も不可欠なので、いつでも相談できるような関係性作りにも努めています。

生徒だけでなく保護者との関わりもあり、関わる人がたくさんいて対応が難しい時もあるのですが、最近は「暮らしのコーディネーター」だけで対応するのではなく、プロジェクトメンバーも役場の方もチーム一丸・総出となって 対応する態勢が出てきて、安心感が出てきました。

確かに、『一人じゃない・チームがある』と安心ですね。

プロジェクトメンバーには、現役協力隊の他に、協力隊を卒業した人やサポートしてくれる30代の方もいるのですが、『あおいさんがいたら安心感があるよね』とか『ここやってくれて、マジでありがたい』とか言ってもらえたり、フィードバックをしあえるプロジェクトチームです。

遊佐町には、沢山の地域外の人も来てくれてナナメの関係があったり、生徒にとっても私にとっても本当によかったです。遊佐に来て、友達がたくさん増えました。

(プロジェクトメンバー + プラットフォームの方々)

そんな中 卒業を決めたのはなぜですか?

生徒と関わる中で「やってみなよ」とか「失敗しても大丈夫」とか言うようになっていたが自分にその問いを投げた時に、自分はやりたいことやっているかと、自問自答しました。

元々海外に行きたいと思っていたんですが、コロナがあり一度保留にしていて、ワーホリに行くには、29歳になる今年がラストチャンスだなということを思い思い切って次のチャンレンジをしようと思いました。

それから、一度、視察としてデンマークに行って、一層、海外の教育に興味が湧きました。海外の教育をもっと見てみたいし、学びに繋がるとされる暮らし自体ももっと知りたい。いずれ、デンマークや海外と遊佐もつなぎたいです。

(デンマーク視察の様子)

今後も遊佐町とつながっていく未来を考えてるんですね。

このプロジェクトは面白いので、今後も関わりたいと思ってるし、帰ってくる未来もありえると思っています。前向きな気持ちで飛び出そうという感じです。

 

この仕事をしてみて、相馬さんにはどんな変化がありましたか?

人間的に成長したと思います。強くなりました。
この仕事をして学んだことが、『共に暮らす』『対話する』『受容する』って大事ということ。この仕事は何でも屋さんなので、いろんなことを経験することによって、自分の特性を理解し、適性が見えてきました

この仕事をしていて大事だなと思ったことは、「全ては自分の選択」ということ。どんな考え方をするか、どんな行動をするか、どんな捉え方をするか、どんな感情でいるか、誰といるか、どこに住むか、どんな言葉を使うか。

”全部自分で選べる”

全ての選択は自分次第で、地域みらい留学で遊佐にきた生徒たちも自分で選んで遊佐に来たと思うし、そこにはおそらく遊佐を選んだ自分の未来を見てみたいという気持ちがあったはず。ワクワクを感じたはずです。

そんなみんなのチャレンジを横で見ていて、私も海外に行くことを選んだ自分の未来を見てみたくなりました。
みんなのように自分のやりたいを実現してみたくなりました。

自分の人生に責任を取れるのは自分だけです。

自分の今の選択の1つ1つが自分の未来を作っていくと思っています。

最後に、相馬さんは、どんな人になりたいですか?

いつも機嫌よくて、自分を大切にし隣にいたら安心する人です。

また、どんな人生を送りたいですか?

面白い人生を送りたいです。そのためにもいろんな人に出会って、いろんな経験をしたいです。

 

ありがとうございました!

 

暮らしのコーディネーターってどんな仕事?詳しく聞ける個別説明会

相馬さんより『記事読んでもわかんなければ、1度遊佐に来たら良いと思う。チームのメンバー総出で迎えるので、説明会にきてください』とメッセージを頂きました! 現地に行って遊佐を体験、オンラインで話を聞く、どちらもOKです

詳しく聞ける個別説明会についてはこちらをご覧ください

募集要項

募集職種 暮らしのコーディネーター(遊佐町地域おこし協力隊「遊佐高校魅力化プロジェクト」)
業務内容 遊佐高校魅力化プロジェクト

県外生徒は親元を離れ、3 年間の高校生活を通じて自立・自律を目指します。生徒の個性を認め、寮生活のサポートを中心に親元を離れて暮らす不安を抱える生徒のフォローにあたっていただきます。また、寮が目指すものは生徒が自主的に運営することです。そのために生活習慣や基本的な生活規律の意識付けはもとより、生徒同士の対話・コミュニケーションを通じて、「どうしたらお互いが暮らしやすくなるか」を考え、生徒主体の寮運営に向けたサポートを行ってほしいです。

仕事詳細については、こちらのWEBサイトもご覧ください。
雇用形態 【任用形態・期間】 遊佐町からの委嘱(雇用契約なし) 任期は着任から1年、最長3年まで継続可。
勤務時間 8:30 〜17:30
給与 年額 2,796,000 円/(月額 233,000 円)※いずれも所得税控除前
国基準上限額 280 万円に限りなく近づくよう、月額を決めています。
休日 ・土日祝日(土日に活動があった場合は平日に振替休日対応をしていただきます)
・年末年始
・夏季休暇 5 日程度
・その他の場合は、所属先の担当者と業務を調整したうえで取得。
福利厚生 ・住居(町が家賃全額負担・基本的には町で準備)※配偶者、子、父母は同居を可としています。
・住居暖房用灯油代(月額5,000円以内の実費、冬期間のみ)
・活動車(軽自動車1台)
・活動車用ガソリン代(月額20,000円以内の実費)
・専用PC、ネットワーク環境
・活動中のボランティア保険(※雇用契約ではないため、社会保険や雇用保険の適用がありません。ご自身で国民健康保険、国民年金に加入いただきます。)
・任期中の水道料補助(基本料金を超えた分 ※実家へのUターンの場合は対象外)
・1年分のお米、味噌、醤油の支給(山形県外から転入の場合)

【退任後の活動への支援】
チャレンジ遊佐定着支援金
(遊佐町に定住した場合、退任後24ヵ月間、月10万円または8万円支給 ※正社員として雇用された場合を除く)
起業等支援補助金(起業のための資金を最大100万円補助)
勤務地 山形県遊佐町

いずれの業務も原則として遊佐町役場企画課内執務室で勤務していただきます。
ただし、関係者との打ち合わせやイベント及びイベント準備等、取材など役場外での勤務も多数あります。
対象となる方 (1)令和5年5月1日現在で年齢が概ね20歳以上40歳以下の方
(2)三大都市圏をはじめとする都市地域等に在住し、遊佐町に住民登録をし生活拠点を移すことができるかた(Uターン含む)
(3)地方公務員法第16条に規定する一般職員の欠格事項に該当しない方
(4)心身ともに健康で、住民や関係機関と協力しながら意欲をもって業務に取り組める方
(5)最低でも1年以上の活動が可能な方

【必須スキル】
(1)普通自動車運転免許を所持し、日常的な運転に支障のない方
(2)パソコン(ワード、エクセル、パワーポイント等)の操作ができる方

【歓迎スキル】
・生徒、保護者、先生等の関係者と円滑なコミュニケーションを図れる方
・生徒が自主的に行う学校外の諸活動に伴走し、生徒の成長に熱意や意欲を持てる方
・地域活動や地域の行事に積極的に参加し、地域と生徒をつなぐことに意欲のある方
・悩みや相談を聞くのが得意な方
・様々なことに意欲や興味をもって取り組める方
・いつか遊佐町に住みたい!と思っている方
入社予定日 令和6年秋から活動(令和5年9月1日またはそれより早い時期を予定)
応募方法 「遊佐町地域おこし協力隊 隊員応募用紙」に必要事項を記入し、郵送またはメールで提出してください。
応募用紙はこのページからダウンロードできます

《提出先》
 郵便:〒999-8301 山形県飽海郡遊佐町遊佐字舞鶴202
    遊佐町役場企画課定住促進係「地域おこし協力隊」担当宛
Email:teiju@town.yuza.lg.jp
※メールの場合、件名は「遊佐町地域おこし協力隊応募」としてください。

【申込受付期間】
令和6年5月1日(水)~令和6年6月30日(日)※必着
選考プロセス ①第1次(書類)選考
 応募用紙をもとに選考を行います。選考結果は応募者全員に文書にて送付します。

②第2次(面接)選考
 第1次選考合格者を対象に面接を行います。日時等は第1次選考結果通知の際にお知らせします。(事前に応募者と日程調整を行う場合があります)
 面接後、合否結果を通知します。
お問い合わせ 遊佐町役場 企画課 定住促進係 〒999-8301 山形県飽海郡遊佐町遊佐字舞鶴 202 TEL:0234-28-8257 /FAX:0234-72-3315 e-mail:teiju@town.yuza.lg.jp
HP https://www.town.yuza.yamagata.jp/