家事・育児を両立しながら、「好きな仕事・やりたい仕事」で働きたいという方へ。
もしかしたら、時間や場所にとらわれない「自由な働き方」で、好きな仕事を続けて仕事と家庭を上手く両立することができるかもしれません。
山形県内で『時間や場所に捉われない自由な働き方』を実践している人の仕事の中身・ライフワークバランス・どうやって始めるの? という、気になることを調査して紹介していくこのコーナー。
ぜひ、今後の働き方の参考にしてください。
03 フリーランスライター→webメディア立ち上げ→会社設立
ー自宅でライティングの仕事をしたいと思っている人。
ーすでにライターで、将来自分のメディアを立ち上げたいと思っている人。
稼げるライターになりたい! webメディアを立ち上げたいけど、どうやって始めればいいか分からない、収入につながるか不安という人はいませんか?
第3回目は、未経験でフリーランスライターになり、昨年webメディアを立ち上げ、今年インバウンド向けの会社を設立した山科沙織さんに、稼げるライターになる秘訣とwebメディアの立ち上げ方について教えてもらいました。
「自由な働き方=(好きな仕事+家庭の両立)の方程式」の実践者
山科沙織(やましな さおり)さん
1985年生まれ、三川町出身。仙台市内の大学卒業後、横浜の物流会社に勤務。妊娠中にUターン、産後1ヵ月からライターの仕事を始める。約7年間フリーランスライターとして、主に東京から仕事を請け負う。2017年4月ローカルwebメディア「Floatshonai」立ち上げ、2018年3月インバウンド向けプロモーションを行う「The Hidden Japan合同会社」を設立。7歳女の子のママ。
仕事の内容
(個人)
- ライター業
- ライター講師業
契約しているメディアや企業から依頼を受け記事作成
Floatshonai取材・記事作成
ライター講師依頼があればライティング講座
(会社)
- インバウンド向けのプロモーション
- SNSコンサルタント
- 写真撮影/映像制作
- 多言語パンフレットやWebサイト制作
クライアントとのやりとりがメインで、営業・交渉も全て行います。クライアントのニーズに合わせたプロモーションを企画。県外に出張することも。ビジネスパートナー(アメリカ人のフォトグラファー兼ライター)との日々のコミュニケーションも欠かしません。
webメディアを立ち上げるメリット・デメリット
メリット
- 待ってるだけじゃ仕事は来ないから、行動あるのみ! 大変だけど楽しい
- webメディアを通していろんな人に出会える
- 人との繋がりからまた新しい仕事が生まれる
デメリット
- ライバルが多いので差別化が必要
- 体力、スケジュール管理を自分で行うのが大変
- 立ち上げてすぐは収益を上げるのが難しい
webライターをどうやって始めたのか
妊娠中に横浜の会社を退社して庄内にUターン。仕事復帰を考えていた最中、自宅で仕事ができるライターは?と思い、手始めに新聞会社の作文コンクールに応募したところ、見事最優秀賞を獲得。ライターになる運命を感じ、この道に進むことを決めました。
「とはいえ、実績がなかったので、海外ゴシップを題材にしたブログを書いて、こんな文章が書けます! と色んなメディアにアプローチしました。当時ゴシップに恋愛要素を絡めた記事を書いている人があまりいなかったこともあり、編集者に目に留めてもらい、契約することになりました。
担当編集者から文章の書き方やタイトルの付け方とかの本が送られてきて、勉強しながらのスタートでした。日々いろんな媒体の記事を読みながら、こんな書き出しがあるのかとか、人気記事の傾向を自分なりに分析したりとか、自分の直された原稿を見て次はこう書けばいいのかなどを学びながら、当時はがむしゃらに仕事をしていましたね。
同時に依頼されたことだけでなく『こんな企画をしたらウケるのではないか』などと編集部にどんどん提案しました。するとメディアの月間賞をもらったり、連載依頼や他媒体から仕事依頼が来たり、新しいメディアの立ち上げに誘われたり、ライターの育成を任せられたりと、仕事の幅がどんどん広がっていきました」
最初は英会話スクールのパートを掛け持ちをして生計を立てていましたが、徐々に契約も増え、多いときで8社と契約。ライターだけで生計を立てられるまでに成長。
『常に向上心を持ち、ライティングの腕を磨いていくこと』が、フリーのライターとして成功する秘訣だそう!
ライターに必要な要素
- 何事にも興味を持つ
- 自分の強みを見つける
- コミュニケーション力
- 常に学ぶ姿勢、そして進化する
webメディアをどうやって始めたのか
フリーランスライターとして安定した収入を得ていた山科さんが、webメディアを立ち上げるきっかけになったのは、庄内のコワーキングスペースの出現にあったそう。
「ここ数年で庄内に複数のコワーキングが誕生し、これまで家やカフェでの作業だったのが、コワーキングで作業するようになりました。そこでさまざまな職業の人に出会い、情報交換をしていると、庄内のことを知らない自分や、女性目線のメディアが求められていることを実感し、2017年4月に女性目線のwebメディア『Floatshonai』を立ち上げました」
webメディアを立ち上げるにあたって、地元の大学生をはじめ、ママ友やその辺を歩いている女性まで、どんなことが求められているか約100人にインタビューしてニーズを調査。他のライターの仕事をセーブしてスタートしてはじめた『Floatshonai』は、なかなか利益には繋がらないものの、そこでの繋がりから次の仕事が生まれたそう。
山科さんにwebメディアで収入を得るにはどうすればいいか聞いたところ、しっかり広告掲載・広告記事を取る、スポンサーを見つける。webメディアとして成功すれば、寄稿やセミナー講師依頼のような外部からの仕事が来るとのこと。
イベントプロモーションやwebサイト制作といった新たな仕事に繋がる可能性もあるので、webサイトから波及する仕事を上手く得られるかどうかがキーポイントになりそうです。
Floatshonai(フロート ショウナイ)
『山科さん流』webメディアの立ち上げ方
ステップ1:ニーズの徹底調査、他メディアを熟読! メディアを立ち上げると周りに宣言
「ターゲット層に求められているものは何かニーズを把握することが重要。どのような記事が人気かは実際に公開してみてから分かるので、サイトを運営しながら方向性を探っていくのもアリ。
自分が作りたいメディア(私の場合はローカルメディア)に似たサイトの記事を読んで勉強する!ローカルメディアを運営している人と交流する。いろんな人に『私は女性向けローカルメディアを立ち上げる』と宣言し、やるしかない状況に自分を追い込む(笑)」
ステップ2:WP(ワードプレス )でサイトを作る
「サイトの制作をお願いすると25万円以上かかると言われ予算オーバー。そこで立ち止まっていられないので、自由度の高いサイト構築ができるWPで自分でサイトを作ることに。サーバーをレンタルしてドメインを取得してWPを利用してサイトを作っていきました。
ただデザインに迷うことがあったので、当時モデルとして協力してくれていた女の子にサイトをチェックしてもらい『ここはもっと明るい色を使った方がいい』等アドバイスをもらいながら進めました」
ステップ3:記事を書いてSNSで発信して広げることも大事
「サイトができたら、記事を投稿。記事が1つだけだと寂しいので、予め4〜5つの記事を用意しておくと良い。記事を投稿したらたくさんの人に読んでもらうため、SNSを使って発信することも大事。SNSを通して繋がりが生まれます」
webメディアを立ち上げるまでの準備期間
3ヵ月:期限を決めて行動する!
スキル
企画力 ★★★★★
実行力 ★★★★★
ライティング力 ★★★★☆
インバウンド向け会社をどうやって始めたのか
『Floatshonai』を立ち上げて数ヵ月経った頃、コワーキングスペースが作った短編映画の試写会で、一緒に庄内を盛り上げていける人を探しているアメリカ人に出会った山科さん。
「そこで彼に『Floatshonai』を運営していることを話すと、後日長文で熱いメッセージが届きました(笑) 彼と彼のニュージーランド人の友人からインバウンド向けのwebメディアを作りたいという話を聞いて、私ができることは、日本のクライアントとのやりとりや計画を立てることかなと思い、とりあえず3ヵ月後にサイトを立ち上げようと決めたんです」
サイト設立後から旅行会社やインバウンドに興味のある企業から仕事の依頼が来るようになり、法人化。『The Hidden Japan合同会社』設立まで6ヵ月。
The Hidden Japan
https://www.thehiddenjapan.com
「まさか庄内でインバウンド向けの会社を立ち上げて、毎日英語でミーティングをしているなんて一年前は想像すらしていませんでした。『Floatshonai』を作っていなければ今のメンバーとの出会いもなかったですね」
実行するまでの期限を決めることで、目標を明確にすることで、動き始めることもあります。
税金や登記、会社設立に必要な知識は本を読んで勉強。
相談できる人を作るということも大切です。
今後の活躍の場
「インバウンドプロモーションならThe Hidden Japanと言ってもらえるように全力で前向きに取り組んでいきたい!
海外進出も視野に入れて山形の魅力を世界に伝えるためにできることを全力で頑張っています!」
私なりのワーク・ライフ・バランスの見つけ方
「会社を立ち上げたばかりなので、今はプライベートや子育ての時間が少なめ。子どもが小学生に上がり一緒に過ごす時間が少なくなりましたが、仕事が終わって、家に帰ってから子どもが寝るまでの間は子どもとたくさん話すようにしています。出張も多いので、寂しいかもしれませんが、話せばわかる年頃になってきたので、仕事の話も良くしています。娘が大きくなったら誇れるように、仕事を頑張っています」
フリーライター時代は、仕事50%、育児30%、家事10%、プライベート10%
「私のワークライフバランスで気をつけていることは、とにかくストレスを溜めないこと! スポーツをする、お酒を飲む、毎年海外旅行に行く、自分が好きなことをする。大変な時は大変だと言える環境、家事や子育てに協力してもらう体制を整えることも大切ですね」
仕事には「体力・体調管理が欠かせない」と話す山科さん。ランニングの家庭教師をつけて、親子でプライベートレッスンを受けています。レッスンがない日は組んでもらったトレーニングメニューを親子でこなし、それが親子のコミュニケーションにもなっています。
次回もお楽しみに!
次回も、時間や場所に捕われない「自由な働き方」で「好きな仕事」を続けながら「仕事と家庭を上手く両立」している人や、始め方をお伝えしていきます。
お楽しみに!