みんな、どんな仕事をして、どんなことで悩んで、どんな夢を持っているの?
山形県内で働く20代社会人に、突撃インタビュー!!
ヤマガタ未来ラボ編集部では、山形で働く20代を“ミライさん”と呼んで、応援しています!
今回は、やまらぼインターン生の永野が、20代の山形で働く先輩に話をお聞きしました。
今月のミライさん★
後藤里穂さん
職業:株式会社DMC天童温泉で総務・事務を中心に、天童温泉に人が来る仕組みづくりに広く関わる。
年齢:1996年生まれ
ーー後藤さんが働く「DMC天童温泉」ってどんな会社なんですか?
DMC天童温泉という会社は、天童温泉に人が来る目的をつくる会社です。具体的には、バスツアーであったりとか、朝摘みさくらんぼみたいな体験だったりとかを天童温泉を起点にしてもらうことで、天童温泉にお客さんが来る仕組み・目的をつくっているような会社です。全ては天童温泉のため。
だから会社の役員は天童温泉の人たちがやっていて、全部の旅館ではないんですけれども、天童温泉の旅館の人たちに出資してもらってつくった会社です。
ーー後藤さん自身は、会社でどんな仕事をされているんですか?
主に事務全般です。具体的に言うと、総務関係(例:自分たちの給料の計算)とか、経理と細々とした事務、旅行商品を販売しているので、それの予約の手配やお客さんとのやり取りだったりとか。あとは広報で他の社員とも一緒にやっているんですけど、ラジオとかもやります。YouTubeも編集は関わってないんですが企画に関わってます。あとは自分たちで販売しているプランの添乗も一緒についていくので添乗もですね。
Youtube撮影の様子
ーー事務職だけど、事務だけじゃなく色々されているんですね。
そうですね。メインは事務全般、あと経理と予約業務って感じですね。社員が2人しかいないので、お互いに2人で分担してやっています。
小さい会社ということもあって、メインの仕事じゃなくても全部に関わることにはなります。でも、そうやって全部に関われることで世の中のこととか社会のこと、経済のこと、会社ってこうなってるんだなというのが色々見えてくるので、すごく面白いです。
ーー銀山温泉のツアーもやられていましたが、天童温泉のために天童温泉の人たちが作った会社なのに、なぜやっているんですか?
実は、銀山温泉って一年中予約が取れないじゃないんですよ。客室数もそんなに多くないので飽和状態になってて、毎年、銀山の温泉街を歩いている人は沢山いても泊まっている人は本当に少しという状況になってるんですね。
それで、銀山温泉のホテル予約しようとしても取れなくて「じゃあ山形行くのやめよう」って諦めてる人たちが大勢いるよなというところに目をつけました。銀山温泉に行けなくても温泉街だけで楽しんでるお客さんがいるんだったら、もう天童温泉に泊まった人を銀山温泉に連れて行って温泉街の散策を楽しんでもらって、泊まりや食事は天童温泉でというものをつくったらいいんじゃないかと思い、旅行商品を作り販売したんです。
ーー後藤さんもお客さんを案内する添乗をしているんですか?
添乗もしてます。天童から銀山まで片道1時間くらいあるので、その道中で天童温泉の話とかDMC天童温泉でやってるプランの話とか、道中で見える月山の話とか通っていく場所についてとか、銀山にはこういうお店があるからぜひ行ってみてねとかっていう話を行き帰りにして少しでもお客さんを楽しませるようにしてました。
ついていかないってこともできるんですけど、それだとお客さんの生の声は得られないので。なるべくついていき、お客さんの生の声を聞きつつ、ツアーが上手くいくようにいろいろしながらっていう感じですね。
ーー最初、後藤さんはご自分の仕事を「事務職」とおっしゃってましたが、あんまり事務ぽくないですよね。「事務」っていうとデスクワークみたいなイメージが強いですけど。
ツアーがあると事務仕事と添乗は半々くらいですね。一日の中で、添乗して、帰ってきたらパソコンに向かって予約の手配とかをやるみたいな流れになります。今はコロナでバスに何人も乗ることができないので控えてますけど、2年前くらいまでは半々でやってました。
「自分たちで作り」「自分たちで販売し」「自分たちで受け入れる」という3つを自分たちでやる、ということを会社の中で大事にしています。作って終わり、後の広報や販売、受け入れは全然違う会社にお願いするっていうのはなんか違うよねっていうのがあって、なので自分たちで作ったものは広報とか販売も自分たちでするし、受け入れもする。
それこそツアーに添乗するっていうのは、そうやってお客さんの声を生で聞いて自分でも商品を感じながら、それを反省として次に生かすことを意識しながらやっています。
もちろんそれは他の人の手を借りないっていうわけではなくて、他の会社に頼むこともあるけど、自分たちでもやるっていうことですね。やっぱり自分のものなので、人任せにしちゃうとあんまり真剣になれないというのもあると思ってて、だったら自分たちで作ったものは責任もって売って、責任もって受け入れようっていうことです。
ーー仕事をする中で、印象的だったことは何かありますか?
入社して2年目の5月に「温泉ガストロノミーウォーキング」というイベントがあったんですけど、その準備をしたのが印象的ですね。というのも、入社して1年目の11月くらいから、まだそんなに右も左もわからない中で準備が始まって。山寺から天童温泉まで歩くというイベントだったので、県庁の方とか市役所の方とか、それ以外にも山寺の方たちとか天童市内の方たちとかに、いろいろ了承を得たり合意形成取りながら進めました。
山寺から天童温泉までいろいろ食べて飲みながら歩くっていうイベントだったので、何を食べるかとかも考えないといけないし、そういうことをいろいろ考えるのがすごい大変だった記憶があります。
ー仕事の中でやりがいを感じる時を教えてください。
いろんな体験プランとか日帰りプランを販売していて、特に、朝摘みさくらんぼとか銀山温泉とかの体験ツアーで添乗する中で、お客さまから「楽しかったよ」とか「おいしかったよ」とか「来年もまた参加するね」みたいなお声をいただけるのがやっぱり一番やりがいですかね。
朝摘みさくらんぼツアーの様子
ーーDMC天童温泉に入ろうと思った理由は?
もともと私が入るときは本当に会社設立1年目、私が入るって決めた時点ではまだ設立して数か月みたいな会社で、まずその時点で正社員は1人もいなかったんです。
入社を決めたのが4年の5月、6月とかぐらいだったんですけど、大学時代から地域づくりとかまちづくりに個人的に関わる機会が多かったので、そういう地域の良さを広められる仕事につきたいと思っていました。就活でいろいろ見ていく中で、私も山形・天童出身で山大に入って、そのまま山形で就活をしたいなって考えてて。出版とかテレビ関係とかも受けてはいたんですけど、たまたま今の会社の社長と会ったときにこのDMC天童温泉って会社の話もされて、「なんかいいですね」みたいな感じで意気投合して、そのまま話を聞いた当日に入社を決めました。
もともと社長とかそれ以外の取締役とかとも大学時代から割と仲が良く、交流することがあったので。大学時代に天童で楽市楽座というフリーマーケットのようなイベントをやっていた時期があって、それに関わっていろいろお手伝いとかしてたので、その時代から社長とかそれ以外の人とも関わりがありましたね。
(参考情報)
・「まちづくりがしたい」と思ったら読む話。仕事図鑑#094 山形まちづくり株式会社 下田孝志さん
・【まちづくり・地方活性化】何かをやるには始めやすい山形。山形駅前のTsuki cafeオーナーに聞く |山形仕事図鑑#110
ーー最初から山形で就活しようと思ってしましたか?
そうですね。もともとやっぱり山形で考えてて、たまたま縁があったので入社したって感じです。
ーー県外での就職は考えましたか?
少しは考えました。でも自分はあまり東京のごちゃごちゃした感じが好きじゃなかったので、まあ仙台か山形かなあくらいで考えてて。仙台も考えてはいたんですけど、でもやっぱり最終的には山形に還元できる仕事がいいなーと思って決めました。
ーー休みの日は山形でどんな風に過ごしてますか?
カフェとか巡るのが好きで、カフェ巡りをしてます。意外と山形って新しいカフェがこまめにできるんですよ。2.3か月に1回くらいは新しいお店が出てきたりしてて、そういう情報を投稿している人をSNSでフォローしてるとすぐ情報入ってくるので。行きたいお店のリストが今すごい溜まってるので、それを消化させてます。
ーー山形県へのUターンも考えている人へ向けてメッセージあればお願いします!
こうやって変化に柔軟に対応しながらいろいろおもしろいことを仕掛けている会社は山形にあるはずだし、逆になくてもつくれる場所がある。
もしUターンとかを考えてる人は、ぜひ県外で得た知識とか経験を山形に還元してもらえたら嬉しいなと思いますし、ぜひ一緒に山形を盛り上げていけるような仕組みや体験をつくっていけたらいいなーと思います。
最初から山形に戻ってこなくても、1回東京とかで働いていろいろ経験積んでから山形戻ってくるとかでも全然いいと思ってて、県外に出たからこそ見えてくるものもたくさんあると思うので、それを還元しようっていうのは全然ありだなと思います。
あとは、私が大学時代にいろいろなことに関わってたからこそ今の会社に入れたっていうのがあるので、普通に就活するだけでなく、山形を楽しんだり旅行したりとか、何か関わってみて、その中でつながった人たちといろいろ話しながら一緒に仕事したいなーと思える人とか働けるところを見つけるっていうのもありじゃないかなと思います。
そういう「人経由」の方が、よりリアルに会社とか見えてくるしね。
実際に会って一緒にやりながら考えていく方が楽しいし、ミスマッチも少ないんじゃないかなとは思いますね。
(参考情報)
・”山形県と関わって何かしたい”と思ったら→https://mirailab.info/experience
・山形県内で就活するなら→ヤマガタ仕事ラボ https://shigoto.mirailab.info/
やまらぼインターン生あとがき
今回取材をしてみて、後藤さんは事務職といいながらも添乗や広報など、なんでもやっているというのが印象的でした。
「事務」というと1日中デスクワークだったりお客さんの声は届かないのではというイメージがありましたが、会社の規模などにもよっていわゆる事務仕事だけではないのだと分かりました。
また、就活をするにもサイトを見たりするだけではわからない部分も大きいので、いろいろな経験をしながら人経由で仕事を考えるというのもいいと思いました。私自身Uターンを考えているので、県外にいても今のうちから山形にたくさん関わっていきたいと思います!