進学と同時に上京後、そのまま東京の会社に就職してから早数年。同窓会での再会をきっかけに遠距離恋愛中の彼とは、そろそろ「結婚」の2文字がちらつく。

「東京」は一通り楽しんだし、彼が暮らす地元に帰って、新婚生活を送るのもいいよね~♡なんて、夢も見るけど…。

 

「自分らしく働くことと、山形にUターンすること。同時に叶えるなんて、無理…?」

 

そんな漠然としたモヤモヤを抱えてはいませんか?

今回は、リモートワークによって、やりたい仕事を続けながら、結婚・Uターンした女性をご紹介。参考にしていただけたら嬉しいです。

 

今回のやまがたで働く人

 

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和田 有紗(わだ ありさ)さん

Profile

1991年山形市生まれ。2009年、大学進学のため上京し、商学部で産業史・経営史を専攻。2013年、インターン先のイベント企画会社 株式会社グリーンアップルに入社し、様々なプロジェクトの企画制作に従事する。2016年、結婚を機に山形にUターン。以降、リモートワークで勤務を続けている。2018年、第1子出産。1年間の育児休業を経て、2019年4月に育休復帰した。

 

結婚とUターンの報告から、自然な流れでリモートワークへ

 

入社して3年ほどした頃、山形在住の現在のご主人との結婚が決まり、代表にその報告をした和田さん。

「内心では、“会社を辞めてUターンしても、それはそれでなんとかなるかな?”と思いながらの結婚報告で(笑)。

でも、『じゃ、山形に帰ってからの働き方はどうする?』とリモートワークを提案していただき、「クライアントと直接会っての打ち合わせは難しいけれど、それ以外の業務は山形でもやれると思います!」と返答を。『じゃ、そうしよ!』みたいなノリで了承してもらい、現在に至ります(笑)。リモートワークに関する制度が、そもそもあったわけではなかったので、チームのメンバーが理解し受け入れてくれたからこそ、成り立っているんだと。楽観的な性格なので、特に不安もなかったです(笑)」と和田さん。

 

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▲《渋谷防災フェス》立ち上げを担当し、防災訓練の新しい形を模索した。「区民だけでなく、渋谷を訪れる人みんなの防災意識を上げるにはどうしたらいいかが課題でした」と和田さん。

 

大学時代に、ゼミやサークル活動を通して、街づくりやソーシャルな活動に興味を持つようになりました。「もっと深めてみたい!」と、大学4年生のとき、社会的テーマを中心とするイベントやプロジェクトの企画制作を行う現在の会社を見つけ、インターンに。そのまま入社し約6年、これまでに100以上のイベントやプロジェクトの企画制作に携わります。

 

「学生の頃は、興味ある分野が見つかっても、“実際何をしたいのか、何ができるのか”まで見えていませんでした。ただ自分にとって、‘楽しい街ってなんだろう?’と考えたとき、人が広場に集まっているイメージが頭に浮かんだんです。人との出会いの場、新しい何かを学べる場など、場づくりって楽しそう!と。その1つに「イベント」という手段があるのではないか…と、そこから夢中になりました。

 

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▲《100万人のキャンドルナイト@増上寺》インターン時代から、毎年担当している。「厳かな雰囲気とキャンドルの灯りはとても魅力的」

 

 

実際にリモートワークをやってみて実感するメリットとデメリットは?

 

1日の初めに、全社員で《今日やること》をシェア。

渋谷のオフィスに勤務している他のスタッフとのやり取りは、slackというチャットツールや電話を利用します。Slackでは、プロジェクト毎のスレッドをたて、会話のようなテンポでやりとりを。直接顔を合わせられない分、コミュニケーションを密にすることを、とても大事にしています。

 

山形での仕事も増えましたが、東京での案件が大半。その場合、クライアントとの打ち合わせは、東京のチームメンバーが担当し、それ以外の業務を和田さんが担います。その内容は、企画書などの資料の作成、関係者との連絡調整、必要なモノの手配、WEBサイトやチラシ等のディレクション、など多岐にわたります。

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〈メリット1〉タイムマネジメントを徹底し、生活にメリハリができた!

家事と育児と仕事を両立するために、意識的にタイムマネジメントを行うようになり、生活にメリハリができました。日常的に何かとバタつく分、通勤不要な朝の時間帯を有効活用するように。子どもが小さいうちは、お世話に手がかかって、スムーズに家事がはかどらないもの。朝のうちに、いかに夕食の下準備をしておくかがポイントだそう。余裕があるときはカフェに行って、コーヒーを飲んでから仕事を始めることも。

 

<和田さんの1日>

7:30  起床・ごはん

8:00  子どもを保育園へ

8:30  カフェに移動しメールチェック

9:00~ 仕事スタート

12:30  お昼ごはん

〜17:00 自宅orワークスペースにて仕事

17:30 子どもを保育園へお迎えに

18:00 夕飯準備

18:45 夕飯

19:30 子どもと一緒にお風呂

20:30 子どもを寝かしつけ

21:00 洗濯・掃除・次の日の準備

22:00 就寝

 

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〈メリット2〉仕事への集中度がアップした!

〈仕事は保育園のお迎えまで〉という時間的リミットに加えて、自分に合った作業環境を作れることで仕事への集中度があがったそう。

「基本的に、パソコンと電話があれば、どこででも仕事ができます。でも一日中、一人で自宅にいると、さすがに集中力が切れて眠くなってしまうので、午前中はカフェで、午後は自宅orワークスペースへ移動するなど、メリハリを付けるように工夫しています。また、参考にしている本やプリンターなどの仕事道具をまとめるために祖母宅の一室をワークスペースとして借りたり。気が散らないように、その部屋には仕事のものしか置かないようにしているので、働くモードへの切り替えがスムーズなんです。」

 

〈メリット3〉ストレスが減り、生活リズムが整った!

私にとって大きなストレスだったのは、満員電車での通勤。Uターンして、そのストレスがなくなりました。妊娠中も、体調がすぐれないときが多く、通勤がないのは本当に助かりました。

とことんやりたい性格から終電近くまで仕事をしたり、お酒が好きでいつも飲んで帰宅したりというように、完全に夜型だった生活が、結婚後に一変しました。夫の実家から野菜や山菜をたくさんもらうから、自炊が基本。飲み代や外食費がグッと減って、本当に食生活が良くなりました(笑)。Uターンして、というか…結婚してよかった!」・・・ごちそうさまです(笑)

 

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Uターン後、育児のサポートなど、両親と顔を合わせる機会も増えて、以前より親密になったとも感じているそう。リモートワークをスムーズに行うためのコツは、一人で深刻に悩まないことと、周りの理解・協力を得るための気配りや雰囲気作りにあるようです。

〈デメリット1〉ちょっとさみしい!

唯一感じているデメリットは、ちょっとさみしいこと(笑)。「オフィスにいた頃は、メンバーと他愛もない会話をしたり、時にはランチに行ったり、飲みに行ったり。それが出来ないのはちょっとさみしいかな。東京に行ってオフィスに顔出すのが楽しみになっています。」

 

違う角度から故郷を眺めてみると、気づかなかった魅力が見えてくる

大学進学時には、山形よりも東京の方が楽しい!と信じて疑いませんでした。けれど、学びを深めるにつれ、街づくり・地域活性に興味を持つように。自ずと「山形」が気になる存在になっていったそう。

「今、山形はどんな感じなの?」と調べていて、【ヤマガタ未来ラボ】にたどり着きました。スジェールバーやユアターンサミット等の活動に参加したり手伝ったりするうちに、高校時代までとは違う「山形」が見え始めます。

 

「山形って、ある種ブラックボックスのような…。高校を卒業するまで、山形で活躍している人を知ることって全くなかったから、山形に魅力も感じられなかった。『Uターンして結婚しても、楽しいのかも!』って気持ちが芽生えたのは、山形にはイキイキ働いている人や面白い人が実はたくさんいるんだって知れたから。今は、とてもステキな街だなと思う。」

それまで知らなかった故郷の表情に気づいたことは、Uターンをポジティブな出来事にしてくれました。

 

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▲実は、gura(山形市旅篭町)https://gura-yamagata.jp/ のオープニングメンバーとして企画を担当したのも和田さん。(関連記事「山形のいま・変化を実感する」ヤマガタ未来Lab.忘年会〜を開催しました。ステップ1@gura【イベントレポート】 https://mirailab.info/column/17645

 

どんな人も自分らしく生きられる街づくりに取り組みたい

 

今年4月、育休から復帰し、これから挑戦してみたいことをお聞きしました。

「子どもが産まれて〈ママ〉になり、今までと違う視点で街をみることが増えました。最近の関心ごとは、ベビーカーや車イス、どんな人でも参加できるように配慮したイベントを作ること。イベントは、様々な考え方に触れ、自分の世界を広げていくというような、自分の価値観のアップデート体験ができる場だと思っています。そんな感動をより多くの人に届けられたらいいな。」

また現在、一緒に働いてくれる仲間を募集しているそう。「イベントを成功させるには、一つ一つの地道な作業の積み重ねが大切。当日の参加者の方の笑顔!をイメージして、一緒に準備のお手伝いをしてくれる人に出会いたいです。バイトでも、社員でも、フリーランスでも◎」企画制作に興味のある学生さんは、ぜひ一度和田さんとお茶飲みながらお話してみては?(こちらから⇒https://www.facebook.com/arisa.wada.79 )

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▲《特別養子縁組よ~しの日》「関わるイベントのテーマをしっかり理解したい」と和田さん。このイベントでは、〈様々な家族のカタチ〉について、自身の考えを深めるきっかけになったそう。

 

ワクワクがいっぱいの山形暮らしを実現するために

 

やりがいある仕事を続けたいし、山形へのUターンも叶えたい。

そんな悩みを解決する選択肢のひとつとして、リモートワークに挑戦してみてはいかがですか?また、ヤマガタ未来ラボのイベントや部活、これまで掲載された記事などを情報収集や検討材料として活用してみてくださいね。

ワクワクするような楽しみがいっぱいの、山形での新生活をスタートされることを応援しています。

 

 

参考記事

・ テレワークで”都会の会社を辞めずに山形へUターン”を実現したら、会社にもメリットがもたらされた話 山形仕事図鑑#081 https://mirailab.info/column/22001

・仕事を頑張りたい・楽しみたい「組織で働く女性」のための会員制のコミュニティ「山形キャリ女ラボ」https://mirailab.info/club/club_type/careerwomen

・山形で、仕事も育児も欲張りに、自分らしく楽しむ「Wignal~山形ワーキングマザーの会~」https://mirailab.info/club/club_type/wa-mama

・山形で子どもを預けて働くママの選択〜はじめての保育園探し〜 https://mirailab.info/column/23292

 

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