マイプロ部in鶴岡2018に参加したメンバーが、書きました。
——————————————————————
千葉県在住、鶴岡市出身の福島と申します。
都内に勤務し、2歳の女児を子育て中のワーキングマザーです。
里帰り出産で地元鶴岡に戻ったことが、今回マイプロ部に参加したきっかけになりました。約2か月の里帰りの間は、仕事と都会の生活から完全に離れて、ただ毎日のんびりと我が子に会えるのを楽しみにする日々を過ごしました。
出産後1か月で住んでいる千葉県に戻ってきて初めに感じたことは、鶴岡との時間のスピードが違うということ。人の多さにも圧倒されてしまいました。都会での子育ては施設が整っていることはあるけど、人が多く子供を思いっきり遊ばせられない。ベビーカーでの混雑時の電車移動は周りに気を遣いいつもヘトヘト…。育休明けの復職に向け、何とか認可保育園の入園を勝ち取ったけれど、保活中は心が休まらずずっと不安でした。「大変な思いをして子供を産んだのに、またこんな大変な思いをして子育てしないといけないのかな、もっと心穏やかにのびのび子育てしたいなー…」と思うことが多くなりました。
そんなときに思い出すのが、里帰り期間に鶴岡で過ごした時間でした。
家庭の事情で、なかなかUターンで鶴岡に戻って生活することはできないけど、鶴岡と縁が切れることは嫌だな、繋がっていたいなとの思いが出てきました。
大学進学とともに東京に上京して、このまま都会で結婚して暮らしていくのだろうと当たり前に思っていた私にとって、「何だか鶴岡で暮らしてみたい」と初めて思った瞬間だったかもしれません。子育てをするようになってから、考え方が変わってしまったのだと思います。
さて、そんな子育て中のママが今の鶴岡を知りたい(そして、県外出身の夫にもその良さを知ってほしい。)と家族3人で参加したマイプロ部in鶴岡で、鶴岡での子育てこんなことができそうだと感じたことをまとめてみました。
※…マイプロ部in鶴岡とは(WEBサイト)、「いまは都会に住んでいるけど、なんだか鶴岡が気になる。」そんな想いを持つ仲間たちと一緒に、みんなで楽しく、自分と“鶴岡”との関係性を深めていく大人の部活動です(主催:鶴岡市「鶴岡市UIターンサポートプログラム」)。マイプロ部では、鶴岡市をフィールドに、「現地でプロジェクトを実行している人を手伝う」、または、「自分のプロジェクトを立ち上げる」、またはその両方を行います。
ばばごっつぉ調査大作戦
ばばごっつぉ調査大作戦は、鶴岡市の「鶴岡食文化創造都市推進協議会」が行なっているプロジェクト。ユネスコの食文化創造都市にも選ばれた鶴岡市ですが、鶴岡の豊かな食文化は、おばあちゃん達の頭の中にだけレシピがあることが多いので、このままでは食文化が途絶えてしまうかもしれない、という危機感から、その「ばばごっつぉ」レシピを伝承してもらおうという企画です。
今回のばばごっつぉ調査大作戦は、鼠ヶ関の公民館で浜のおかあさん達に、海のものの料理を教わりました。メニューはいか飯、サザエご飯、アカラの甘露揚げ、エビのみそ汁、ハタハタの湯揚げなど、テーブルに並んだたくさんの料理をみて一度にこんなにごっつぉ食べられるなんて幸せだとただ感動してしまいました。昔から食べられてきた料理なのだと思うと、その食文化の豊かさを感じました。
アカラの甘露揚げにかぶりつく娘。美味しい浜の料理の数々に食欲が止まらなくなりました。「もっとけぇ~」と優しい浜のおかあさん。私も小さいときに、祖母によく「もっと食べれ~」なんて言われたことを思い出しました。小さな子供の参加も歓迎してくださった浜のおかあさん達に感謝です。
食後におかあさん達が昔から食べてきた料理について懇談会を行い、話を聞く中で食文化は家族の歴史でもあるのだなと感じました。現代は、魚より肉を好む食習慣や核家族化で料理を次の世代に伝えていくことが難しくなっています。食卓に並ぶ料理は鶴岡の歴史そのもので、残していってほしいものです。
鶴岡出身者として、子供のころ食べたけど自分では作り方わからない料理がたくさんあります。でもそれを、我が子に伝えられないのは寂しい気がしました。豊かな郷土料理を残すためにひとりでも多くの方にばばごっつぉの奥深さを知ってもらいたいと願います。
キッズドームソライ
2017年11月にグランドオープンした、ヤマガタデザイン株式会社が運営するキッズドーム「ソライ」をプレオープン期間中に見学させてもらいました。
キッズドームソライは2つの空間に分かれていて、そのひとつ「アソビバ」に進むと、真新しい木の香りがしてきます。ロッククライミングができそうな滑り台、6メートルのロープ空間が広がります。
まさに空間全体が遊具で大人の私たちがワクワクしてしまいました。目の前に広がる圧倒的な大きさの遊具を見て、子供たちはどんなにワクワクするのだろうと想像すると楽しくなしました。
副館長の土屋さんは、「子供たちの挑戦する気持ちを大切にしたい。その子ができる・できたという気持ちになることをサポートするためのスタッフです」と説明してくださり、子供の自主性を育むために大切な考え方だと思いました。
もうひとつのエリア「ツクルバ」では壁一面に様々な文房具や画材が置かれていて、すべて子供たちの好きなように使うことができます。その画材の中には、地元企業15社の協力で集まったものもあり、地元鶴岡の思いを感じることができました。
また、ボライティアとアルバイトとして地元高校生が参加していて学生の職業体験の側面もあるのだと感心しました。
様々なワークショップが行われたり、鶴岡の子供たちをワクワクさせたいというスタッフの方々の熱い思いが伝わってきて、早く自分の子供を連れてきたい!と感じました。
なんと3Dプリンターもあります!
「アソビバ」「ツクルバ」ともに乳幼児向けのスペースもあり、小さいお子さんが来ても十分楽しめる工夫が凝らしてあしました。早く実際に遊ばせてみたいな、と鶴岡に帰る楽しみがひとつ増えました。
都会では、共働き家庭の子供は小学校進学とともに学童保育に入ることが難しい地域もあります。学童保育が馴染めず、仕方なく習い事をさせる家庭もあると思います。キッズドームソライでは、平日に限り会員の小学生は親の同伴が要らないので、新しい習い事のような学童保育のようなシステムで、なおかつ子供の自ら遊び、学ぶ環境が整っていると感じました。
キッズドーム ソライ WEBサイト https://sorai.yamagata-design.com/
umu project「しな織」
今回のマイプロ部のプロジェクトのひとつ、umu projectに参加して、実際にしな織の大切な工程のひとつ「積み(うみ)」を体験してきました。
umu projectは鶴岡市温海地域の関川地区で受けつかれてきた日本三大古代布「しな織」を高齢化や人口減少により次世代へ継承が難しくなっている現状から、もっと若い世代にも知ってもらうために「しな」の花から化粧品を作りその価値を広く知ってもらうお手伝いする活動です。
(原料となるしなの花)
恥ずかしいことですが、今回マイプロ部に参加するまで地元鶴岡にしな織りの文化があることを知りませんでした。でも、その歴史の長さや、関川地区の現状を知ったからには残してほしいと思うし化粧品を通じて、若い方に知ってほしいと思います。その土地独特の文化がなくなってしまうことは悲しいことです。
しなの花を使った無添加のコスメ(化粧品/石鹸)はこれから販売を迎えるとのことで、できあがりが楽しみです。
12月1日(土)のヤマガタユアターンサミットでは、そのしなの花化粧品をお試しいただけるスペースを設けます!ぜひ、サミットに参加した際はお立ち寄りください。
umu project Facebookページ https://www.facebook.com/umupj/
マイプロ部in鶴岡に参加したその後
今回改めて、鶴岡での子育て環境は都会にない良いところがたくさんあると感じました。
私のように、家庭の事情などでなかなか鶴岡にUターンすることが難しい方、夏休みなどの長期休暇を鶴岡で過ごして子供をのびのび遊ばせてみませんか。
今後、ご一緒に鶴岡でサマーキャンプやアクティビティなどをご一緒にできる方、仲間を募集していこうと考えています。現在子育て中のママ、プレママ、鶴岡出身者問わず、同じように感じている方、一緒に子育てに鶴岡のエッセンスを取り入れていきましょう!!(こちらからご連絡ください)
この記事を書いた人
福島史乃。鶴岡市出身千葉県在住。都内に勤務し、2歳の女児を子育て中のワーキングマザー