山形県最北部の金山町で8月18日〜21日、「旅つくる旅 かねやま」スタディーツアーが開催されました。
東京都市大学の学生たちが集い、地域の人々と交流しながら、町の魅力を体感・発信する4日間。テーマは「金山のおみやげ開発」。地域資源を活かした“新しい旅のかたち”を模索しました。

金山の暮らしにふれるオリエンテーションとまち歩き
初日は新庄駅に集合後、金山町内の飲食店「肴や太郎」で昼食をとりながら、地元の味覚・米の娘豚ぶた丼を堪能。
町民ホールでのオリエンテーションでは、金山町役場の職員や地域おこし協力隊と顔合わせを行い、ツアーの目的やスケジュールを確認しました。
その後はまち歩きへ出発。大堰公園やマルコの蔵、交流サロン「ぽすと」など、町の拠点を巡りながら、景観や人々の暮らしを実感しました。
夜には地域の方を招いた餃子パーティーで交流。笑い声の絶えない温かな時間となりました。



チームごとのフィールドワークで“金山の第一次産業”を体感
2日目は、学生たちが3チームに分かれて町の一次産業をめぐるフィールドワークを実施。
- Aチームは、遊学の森での箸づくり・トレッキング・そば打ち体験、岸家具店での額縁づくり体験。
- Bチームは、三英クラフトでの金山杉伐採見学と、谷口銀山での坑道探検。
- Cチームは、天口農園でのニラ畑見学とパック詰め体験。
自然の恵みを五感で感じながら、金山の人々の仕事やものづくりに込められた想いにふれました。
夜は金山亭の焼肉を囲み、1日の学びを語り合いながら絆を深めました。




自由時間とオリジナルマップづくりで“私たちが感じた金山”を表現
3日目は、額縁づくりの仕上げや、町内の拠点「草々」や「きごころ橋」を訪問。
午後は町民ホールに集まり、「金山オリジナルマップづくり」に挑戦しました。
学生たちは町で感じた“好きな風景”“印象に残った人”“また来たい場所”を写真や言葉で表現。
ひとりひとりの感性を通して描かれたマップは、金山町の魅力を多様な視点から再発見する作品となりました。

最終日は金山町産落花生「ビーナッツ」の現場へ
最終日は町の特産「ビーナッツ」をテーマに、農業法人「いずえむ」を訪問。
代表・青柳さんから、ピーナッツ栽培の工夫や加工品づくりへの想いを伺いました。
畑の見学では、収穫前のピーナッツが地中で実る様子に学生たちは興味津々。
「落花生ってこんなふうに生まれるんだ!」と歓声があがり、地域の食材が商品になるまでの過程を学ぶ貴重な機会となりました。
午後はマルコの家でおみやげ開発のアイデアを整理し、4日間の旅を振り返りました。


参加者した学生の声
「林業の伐採現場の迫力に圧倒された。自然と人の関わりをリアルに感じた。」
「いずえむさんのビーナッツアイスが忘れられない!行動力と情熱に感動。」
「方言や地域の雰囲気が心地よく、すぐに“金山の空気”に染まった。」
「規格外ニラの話を聞いて“もったいない”と感じた。新しい商品にできそう!」
今後の展開:東京での発表・マルシェ開催へ
今回のツアーで得た学びは、秋以降のプロジェクトへとつながっていきます。
学生たちは東京都世田谷区・尾山台の「タタタハウス」で、おみやげ開発を継続中。
地元のビーナッツやニラを使ったスイーツ・焼き菓子などの試作を進めています。
10月には金山町で開催される「産業まつり」で試作品を初披露し、町民や観光客からのフィードバックを収集。
11月16日(日)には、タタタハウスにて「山形金山市場」を開催予定です。
このマルシェでは、学生たちが開発したおみやげ商品の販売・試食会のほか、金山町の木工品や農産物の展示販売、カフェチームによるドリンク提供などが行われます。
さらに、年末には学生によるツアー成果の報告会を金山町内で実施し、次年度に向けた新たなツアー構想も検討中です。
町と学生たちの協働を軸に、“関係人口の深化”を目指す取り組みが今後も続いていきます。

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金山町
山形県の最北部に位置する人口5,000人ほどのまち
観光よりも暮らしという言葉が似合う小さな山里「金山町」
金山町には金山町にしかない時間...










