みなさんこんにちは、ちゃんひぃです。
突然ですが私「夏子の酒」という漫画に、どハマりしてます!
「夏子の酒」は、1988~1991年にかけて講談社「モーニング」で連載された尾瀬あきら氏の名作漫画。亡き兄が残した幻の酒造米「龍錦(たつにしき)」で、日本一の日本酒を造るというストーリー。何回読み返してもマジで泣けます。
このエモい名作漫画を読んで「美味しいお酒が飲みたい」と思った私は、探して探してついに見つけました‼ エモい日本酒が飲めるお店を!
今回ご紹介するのは、山形県に拠点を置く日本酒メーカーが運営しているお店です。これまでの日本酒の概念をぶち壊すような斬新で革命的な日本酒を提供しているのだとか。
これはもう、行くっきゃない。
山形の魂が宿る、東京で造られたお酒を飲みに行こう!
そのお店は、東京23区内でも人気の高い世田谷区の三軒茶屋にあります。
人に揉みくちゃにされながら改札を出て、南口Bの出口から地上に上がると、三軒茶屋のシンボル・キャロットタワーが見えてきます。
キャロットタワーの無料展望台は、東京の街を一望できるのに混雑していないのが魅力。
でも私は美味しいお酒が飲みたいので、早々にキャロットタワーに別れを告げ、三軒茶屋栄通り商店街を直進します。
途中、話題のタピオカミルクティー屋さん、ブルーボトルコーヒー、日本初上陸の台湾アイスなどの誘惑がありますが、負けてはいけません。
帰りに寄ればいいのです。
商店街を抜けると、大きな懸垂幕が見えてきます。
ここが噂のお店『WAKAZE 三軒茶屋醸造所×Whim SAKE&TAPAS』です。
このお店は、山形県鶴岡市を拠点として「日本酒を世界酒に」を合言葉に、委託製造という形で自社ブランドを開発・販売する日本酒メーカー「株式会社WAKAZE(わかぜ)」の直営店です。
「こんにちはー。」
「こんにちは!今日は、よろしくお願いします。」
爽やかな笑顔で出迎えてくれたのは、店長の佐藤拓海さん。
憧れの一人飲みも出来そうな雰囲気の店内
漫画でも主人公が日本酒を飲みに一人でお店に行くシーンがありますが、うら若き乙女が一人でお酒を飲みに行くのは結構な勇気がいるもの‥‥。
でもこのお店は、コンクリート打放しのスタイリッシュな内装で、まるでお洒落なカフェのような雰囲気。
「ここなら仕事終わりに一人でふらっと立ち寄れそう。」
お店の壁には、日本酒造りの工程がイラストで描かれていました。
もし、初めてのデートがここだったら「今の君と僕は、お酒造りの工程だと洗米&浸漬あたりかな?できれば、今日くらいで蒸しの工程にいけるといいな」なんて素敵なアプローチをしてほしい。
奥のキッチンカウンターには、手書きの庄内生産者マップが。
「食材は山形県産のものを使っています。
シェフやスタッフが県内に赴いて、農家さんと直接お話する機会を大切にしています。」
収穫時期になると、農家さんから「いいものが出来たから送るよ」と連絡が来るのだとか。
お店オススメの乾杯酒はこれだ!
「早速ですが、乾杯におススメのお酒を教えてください!」
「乾杯には、飲みやすいどぶろくをオススメすることが多いですね。当店では、併設している醸造所で造られたばかりのフレッシュなどぶろくを飲んで頂くことができます。従来のどぶろくはアルコール度数が10%以上と高いので、飲みにくいイメージが強いと思いますが、当店ではアルコール度数を9パーセントに抑えているので、女性でもかなり飲みやすいと思います。」
今回は、カカオを使ったチョコレートどぶろく、追熟させた山形県産ラ・フランスの果肉が入ったボタニカル発酵のラ・フランスどぶろくを頂きました。
右)三軒茶屋のどぶろく~LaFrance~Recipe No.12 ラ・フランスどぶろく
左)三軒茶屋のどぶろく~chocolate~Recipe No.13 チョコどぶろく
ラ・フランスどぶろくには「人参と干柿のサラダ」のペアリングがおススメ!
「本当に飲みやすいですね。優しい甘さでホッコリします。」
ラ・フランスどぶろくは特に人気で、山形から沢山の注文があったのだとか。
「どぶろくのオススメの飲み方とかあったりしますか?」
「どぶろくとビールを1対1で割った、どぶビー(どぶろく×ビール)が結構好評です!」
「どぶろくとビールの組み合わせが斬新すぎる!」
「ラ・フランスどぶろくはフルーツ系のビールで割ることで爽やかな味わいを、チョコレートどぶろくは黒ビールで割わることで後をひくカカオ感を楽しめます。一般的な酒造は、1つの種類を年に1回仕込む事が多いですが、弊社では併設している醸造所で“1つのタンクで1つのレシピを1度しか作らない”をコンセプトにしているので、いろいろな味を楽しんでいただけます。」
「恐ろしく回転が早いですね。ちなみに、次の新作ってどんなものですか?秘密にするのでこっそり教えてください。」
「次は、杏仁(三軒茶屋のどぶろく~杏仁~Recipe No.14)ですね。ナツメ、アマレットリキュールなどで杏仁豆腐のような味を再現したものを発表予定です。」
「なんと!杏仁豆腐好きとしては、新作が待ち遠しいです!」
どぶろくは1週間に1回の仕込みで「これ入れたら面白そうじゃない?」など、自由な発想で次々と新作を造っているのだとか。お酒が苦手な人でも、ぐびぐび飲めちゃう危険な一杯。是非乾杯はどぶろくを。
ワイン樽熟成で醸す日本酒の可能性
「次は、一番人気のお酒を飲んでみたいです!」
「当店の一番人気は、ORBIA(オルビア)のLUNA(ルナ)ですね。白ワインで使用した樽で熟成させることで、ワインのような芳醇な香りと上品な味わいになっているのが特徴です。」
「ワイン樽で日本酒を熟成させるなんて、初めて聞きました!」
「日本酒のワイン樽熟成は珍しいと思います。ちなみに、GAIA(ガイア)とSOL(ソル)は赤ワイン樽熟成なんですよ。LUNA、GAIAは山形県鶴岡市にある渡曾本店、SOLは千葉県いすみ市にある木戸泉酒造で委託製造しています。」
そんなLUNAには「マスカルポーネとドライフルーツのディップ」のペアリングがオススメ!
「美味しいー!日本酒なのに、フルーティーで本当にワインに近い感じがします。」
日本酒をワイン樽熟成させることでバニラの様な甘い香りにトースト香が加わり、複雑でコクのある味になるんだとか。奥が深い。
時代に飲み遅れるな!和のボタニカルが香るSAKE
最後に、ボタニカル素材を使ったFONIA(フォニア)を頂きました。
FONIAは、日本酒造りの発酵中に、山椒や柚子、檸檬など、和のボタニカル素材を加えた、今までにない新しい方法で造られたお酒です。
ボタニカル素材を発酵途中に入れることで、素材特有の香りや風味、色合いまでもがお酒と調和した仕上がりになるのだとか。
今回は、私のバイブル「夏子の酒」の「龍錦」のモデルになった、幻の酒造米「亀の尾」を使ったTERRA(テラ)を頂きました。
「TERRAってどんなお酒ですか?」
「TERRAは、生姜が強く反映されていて、少し癖のあるような料理に合うスパイシーな味になっています。」
TERRAには「タコのカルパッチョ山椒風味」がオススメ!鶴岡市で取れた真蛸を使っているので、美味しくないわけがない。
「生姜や柚子、山椒の香りや味が力強く残っていて、スパイシーって言葉の意味がわかりました。スッキリしていてどんな料理にも合いそう!これは、お酒好きの友達に飲ませてビックリさせたい。」
初めて見たお酒造りの仕込み風景
取材をお願いした日は、丁度「柚子蜂蜜どぶろく」の蒸米と仕込みの日でした。
シュッ
バンッ
ド――――ン
考え抜かれた時間や温度調整を行いながら仕込まれていくお酒は「そりゃー美味しいわ」と納得。
現在の日本の法律では、清酒酒造免許の新規免許はおりないのだそう。『WAKAZE 三軒茶屋醸造所×Whim SAKE&TAPAS』は、パリで清酒酒造免許を取り、そこで造ったお酒を日本や世界に向けて販売していく予定だとか!もはや発想と行動力は、世界規模。
おわりに
今回、ただ「美味しい酒が飲みたい」という私利私欲から始まった取材で、こんなに美味しいお酒に出会うことができるとは‥‥。
「夏子の酒」の最終回で、引退する名杜氏が若手杜氏に贈った「天のない酒造り」という言葉があります。
お酒造りに完成や終わりなどないという言葉が、かつてない挑戦に挑み続ける『WAKAZE 三軒茶屋醸造所×Whim SAKE&TAPAS』に似合う気がしました。
とりあえず私が伝えたいのは「美味しい酒が飲みたい人」は、ここに行くべし!ということです。
「美味しいお酒とご飯、ご馳走様でした~」
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WAKAZE三軒茶屋醸造所×Whim SAKE&TAPAS
住所
東京都世田谷区三軒茶屋1-15-12
営業時間
月~土 18:00~23:00(L.O 22;00)
日 15:00~21:00(L.O 20:00)
電話番号
03-6336-1361
アクセス
東急田園都市線「三軒茶屋」徒歩5分
平均予算
3,000~4,000円
定休日
水曜日