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1日目 〜金山の時間〜を知る〜

【実施レポ】DAY1〜金山の時間〜を知る〜/お試し地域デザイン合宿 カネヤマ 山形県金山町


お試し地域デザイン合宿 カネヤマ/ 山形県金山町

もしあなたの「やりたいこと」と、この町が繋がったなら

思いっきりやりきる場所を手に入れられるかもしれない

ー僕は、この町で**ができそうだ。

ー私は、この町で***を生み出していきたい。につながる出会い、体験。

今回この企画の運営しました最上のくらし舎・よしのゆうみです。今年の12月に山形県金山町で開催しました「お試し地域デザイン合宿 カネヤマ/ 山形県金山町」の開催レポートをご紹介したいと思います。

実際に参加した方の感想

● 自分のやりたい事と地域を結び付けれる可能性が生まれた!

● 役場、協力隊、事業者などそれぞれのキーパーソンとの関係の質を高められた

● 参加者全員が地域を良くしようと動いているのが印象的でした。

● 3日間を通して「いつのまにか自分と向き合う」時間が多かったと感じています。街歩きでは金山の街を見て歩いて実際に自分の殻で感じてみると、なんかいいなこれ!写真を撮りたくなる瞬間などで自分はどうしてこれがいいと思ったのか?を問いかけるシーンがありました。沢山の地域に方に出会い話を聞くとその人の考え方と自分を自然と照らし合わせてより内省を深められました。

金山町は豊かな自然と伝統文化が調和する場所です。1日目の街歩きでは、歴史を感じさせる建物や地元の方々の温かさに触れることができます。また、この町では人と人が本音で向き合える環境が整っていることが魅力のひとつ。2日目には、金山町で実際に仕事をしている地元の方々や、『なりわい』を自らの手で創り出している方々を訪ねました。それぞれが描く金山町の未来像や、地域に根差した生き方のリアルな話が、参加者たちにとって大きな刺激となりました。

イベント2日目には、参加者が2つのチームに分かれ、それぞれ金山町の事業者の元を訪問しました。地元で実際に働く人々の姿を間近で見るだけでなく、その背景にある想いや価値観について直接話を聞く貴重な機会となりました。

では、早速、2日目のレポート行ってみましょう!


チーム1
金山町・山エリア/訪問①セラピーファームめごたま「カムロファーム」

2日目に訪問した「社会福祉法人 陽だまり」では、認定こども園 めごたま/セラピーファーム めごたま/めごたま学童クラブ/神室ヴィレッジ/神室トラウトファーム など多岐にわたる事業を運営しており、代表の井上 亘さんにどんな思いで金山町で事業をしているのかを聞きにいってきました。

『セラピーファームめごたま「カムロファーム」』は、金山町の自然を活かして運営されている場所です。ここではホースセラピーを通じて、子どもたちの心と体の発達を支援しています。馬との触れ合いを通じて、今の教育制度では補いきれない心の成長部分にアプローチし、子どもたちの総合的な成長を支えているのです。代表の井上さんは、『馬を通じた関わりの中で、子どもたちが確実に成長していくのを感じ、どうやら動物(馬)にはそういった力があるらしい、と確信し、後から調べてホースセラピーの実態を確認した』と語っていました。馬という動物の優しさや温かさが、子どもたちの心に寄り添い、自信や自己肯定感を育んでいるそうです。
実際に見学した場面では、子どもたちが馬の世話をしたり、自分の身体と同じくらいの大きな荷車(一輪車)を力強く押しながら馬小屋の掃除をしている姿が印象的でした。

カムロファームでは、単にセラピーを行うだけでなく、地域の人々と協力しながら活動を広げています。この取り組みを通じて、金山町全体が子どもたちを見守り、支える場になっているように感じられました。金山町の豊かな自然と、それを活かした温かい活動が心に残る『カムロファーム』の取り組み。馬たちと触れ合い、成長する子どもたち。何十年とこの地域の子供たちの未来を応援する井上さんの姿勢に参加者も胸を動かされているようでした。


セラピーファームめごたま「カムロファーム」

チーム1
金山町・山エリア/訪問② 神室トラウトファーム/釣り堀

井上さんのところを名残惜しく後にし、今度は現役の金山町・地域おこし協力隊3名が関わっている「神室トラウトファーム」のイワナの養殖圃場と釣り堀の見学へ。”地域おこし協力隊”をいう制度を町も隊員もうまく活用して、様々な自然アクティヴィティの事業を行っています。
神室トラウトファームでは、『日本二百名山』にも数えられる神室連峰の主峰である神室山の沢水と、最上川水系金山川の流水を養魚場へ直接引き込み、孵化して約三年、神室イワナと金(かね)やまめを大事に大切に育てています。一般的な地下水を利用した養殖と比べると、流水養殖は、手間と時間がかかりますが、天然の渓流魚のように、山毛欅(ブナ)・樫(カシ)・椚(クヌギ)などの木々の養分を含んだ天然水だからこそ、美味しい魚を育てることができるそうです。
【事業承継】
2024年8月、先代の小沼岩魚養魚場(いわなや)から『神室トラウトファーム』へと改め、事業譲渡による承継が行われました。「3年間」という地域おこし協力隊の任期中に事業に一緒に関わり、その後、隊員が地域内で独立していくというのは、まさに『地域おこし協力隊』という制度をうまく活用した事業承継の事例だと思います。

チーム2
金山町・訪問 メープルと哲学の山里「暮らし考房」

別チームは、メープルと哲学の山里「暮らし考房」を営む栗田さんご夫婦の元を訪ねました。 栗田さんは、山村での豊かな暮らしを模索する拠点として『暮らし考房』を立ち上げました。その活動を始めて間もない頃、視察で訪れたドイツでグリーンツーリズムに出会い、「日本でもグリーンツーリズムを実現したい」という夢を抱くようになったそうです。
『暮らし考房』の活動は、当初、人々を招いて語り合う『出会いふれあい語る会』からスタートしましたが、次第に山村の暮らしを体験したいと訪れる旅人が増えていきました。当時の日本ではグリーンツーリズムを実践している例がほとんどなく、その先駆けとして注目を集め、研究者なども訪れるようになったと言います。

現在、『暮らし考房』では本藍染や草木染、チェーンソークラフト、イタヤカエデの樹液(メープルサップ)の採取といった山村ならではの暮らし体験を受け入れるほか、森づくりや森遊びを通じた森林環境教育も実践しています。さらに、メープルサップを活用した商品の開発と販売にも取り組んでいます。
見学の際には、こうした活動を拝見するとともに、栗田さんが考える「ナリワイ(暮らしを支える仕事)」についての熱い想いをお聞きしました。自然と向き合いながら、人々と繋がりを育むその姿勢に、深く感銘を受ける時間となりました。

栗田さんたちの活動は単なる「営業」ではなく、山村で豊かに暮らすことを考え、創造し、伝えていく「活動」である。自分たちのありのままの暮らしを公開することで山村の暮らしに触れ、豊かさを享受する場になればと考えている、と話してくれました。
体験者の人からは「暮し考房・栗田さんのお話は、どの角度から見ても非常に考えさせられる内容で、特に印象に残っています。その語り口からは、地域や暮らしに対する深い洞察と情熱が伝わり、聞いているうちに自分自身の価値観や生き方を見つめ直すきっかけを与えられたように感じました。」という声もあり、まさに「暮らしを考え、工夫を凝らす工房」そのものだっただようです。

午後は合流!
廃校活用のコミュニティ・ジム&コワーキングスペース『Gym-Comi/ジムコミ』へ

Gym-Comi ジムコミとは ジムコミとは、金山町を拠点とした新規未来事業の愛称です。旧明安小学校の体育館や教室を活用して、たくさんの方々が集い、健康、コミュニケーション、仕事などいろいろなことで元気に幸せになっていただきたい!と立ち上げた総合スペースです。

参照:https://maker-yamagata.jp

株式会社メーカー・長岡康雄社長に事業開始の経緯など詳しいお話をお聞きしました。長岡さんは、元々 山形県及び県外で河川・道路・災害関連の測量設計と土木・建築のICT事業を行う会社の代表をされており、自身の事業の中で地域のICT技術育成の必要性を強く感じていました。そんな中「山形大学 人材育成プログラム i-HOPE 2023」を受講し、講師陣によるアドバイスや、フィールドワークにおいて地域の現実を目の当たりにしたことで、地域の課題を解決するための新たな創業に熱い志を持ちました。
(※i-HOPEとは、自ら起業したり、企業及び団体内で新事業を興したり、業務の効率化を図るための新たな仕組みを構築したりする「イノベーター人材」を育成するプログラム(引用:https://yu-entrepreneur.yamagata-u.ac.jp/newbusiness)。

2024年4月、長岡氏によって新会社「株式会社メーカー」が設立されました。この会社では、金山町の廃校を活用し、多岐にわたる地域事業を展開しています。長岡氏は起業にあたり、「地域に対する熱い思いがあった」と語っており、何度も金山町を訪れる中で出会った人々との不思議なご縁が、起業への大きな後押しとなったと話してくれました。

起業後は地元から新たな人材を採用し、従業員の中には金山町の町民の方も加わっています。「まさにスタートしたばかり」と語るその姿勢からは、地域と共に歩もうとする真摯な思いが感じられました。

また、長岡氏は次のようにも話していました。「ジムやコワーキングスペースの運営だけではまだ採算は取れない。しかし、地域のICT技術を育成する取り組みと併せて、地域活性化事業を循環させていくことが重要だ」と。これらの言葉から、単に利益を追求するのではなく、地域貢献を軸にした事業を構築していきたいという熱い思いが、ひしひしと伝わってきました。

この取り組みは、金山町の未来を切り拓く希望の光のように感じられます。地域とともに成長し、共に築き上げる新しい価値の創出に、これからも注目していきたいと思います。

参加者と一緒に、こーんな山の中に不釣り合いとも言える最新機種の機材が揃うジムを体験!
「地方で地域が元気になる企業を作りたい」という長岡様の想いが一つ形になり、表れていることを肌でも体感しながらこれからも地域のとの関わりが生まれ、今後の活動も広がっていく風景が見えました。

午後、2箇所目
金山町・新産地のビーナッツ(ピーナッツ)農業法人イズエム へ

金山町で新たな農業の産地を生み出そうと、積極的に活動している農業法人『いずえむ』の青柳さんにお話を伺いました。
近年、金山町では「ビーナッツ(BEAUTIFUL PEANUT)」と名付けられた落花生の生産に力を入れています。この取り組みは、山形大学東北創生研究所や株式会社でん六との連携により、地域活性化と新たな特産品の創出を目指しています。
金山町は豪雪地帯であり、冬季には1メートルを超える積雪があります。この雪解け水がもたらす豊富なミネラルを含む肥沃な土壌と、昼夜の寒暖差が、甘味と旨味の強い高品質な落花生の生産に適しています。また、化学肥料や農薬の使用を極力抑えた栽培方法により、安心して食べられる落花生が育てられています。
「ビーナッツ」は、その美しい外観と美味しさから名付けられたブランドで、地域農業の新たな挑戦として注目されています。生産者たちは「金山町新産地開発協議会」を立ち上げ、でん六の協力のもと、栽培技術の向上やブランド育成に取り組んでいます。

雪の降る季節の訪問だったため、畑の見学は行わず、秋に収穫された豆の乾燥や加工の工程を見学させていただきました。また、実際の商品化に至るまでの経緯や、農業法人としてのさまざまな取り組みについて、映像や資料、試食まで用意していただき、丁寧にご説明いただきました。
秋に収穫された豆がどのように乾燥され、加工されていくのかを目の当たりにし、その丁寧な作業に感動しました。実際の商品化に至るまでの道のりや、農業法人として地域と共に歩む取り組みについて、ご説明いただく中で、地域の農業に対する情熱や、深い愛情が込められていました。何気なく手に取る商品が、こんなにも手間と想いをかけて生み出されていることを知り、改めて感謝の気持ちが湧きました。

まとめ時間
金山町内のお宅をお借りしての振り返り会

この日は2つのチームに分かれ、「こんな風に生きられるなら」というテーマのもと、地域で活躍する事業者や地域おこし協力隊のメンバーと直接対話し、その本音や想いを聞く体験が行われました。ある参加者は、「地域おこし協力隊のメンバーと役場職員、さらに地域の人々が、ここまで深くやり取りを重ねていることに驚いた」と感想がありました。

確かに、単に表面的な言葉を交わすだけでなく、お互いの想いや考えを深く共有し、理解し合う姿勢は非常に印象的でした。その関係性からは、地域をより良くしようという強い信頼と絆が感じられました。また、こうした交流を通じて、参加者自身も金山町の協力隊、事業者、役場の方々といったキーパーソンたちとの関係を深め、より質の高い繋がりを築けたこともよかったと話になりました。

さらに、今回の合宿中に出会った町の人々には、「地域を良くしようと自ら動いている」という共通点があると参加者たちは感じたようです。役場の方の話では、「最初は問題もあったけれど、関係性が深まるにつれてお互いの立場を理解し、協力し合えるようになった」とのこと。そうした関係づくりが、今の信頼と成果を生んでいるのだと実感させられました。

合宿の振り返り会の後には、希望者が参加する「芋煮会」を開催。地域の方々も途中から合流し、和やかな雰囲気の中でさらに交流を深める時間となりました。この温かな場で交わされた笑顔や会話は、きっと新たな絆の一歩となったことでしょう!

2日目の宿題・・・

この日の夜も、個人ワークとして「夜の振り返り」を各自で行っていただく時間を設けました。それぞれにワークシートをお渡しし、その日感じた些細なことや気づきをメモとして残しておくようお願いしました。この振り返りを通じて、一日の体験や学びを自分の中で整理し、翌日への新たな視点を育むきっかけになればと考えています。

次はいよいよ▶︎ 3日目はリアル現場体験!!

あなたの「やりたいこと」と、この町が繋がったなら、思いっきりやりきる場所を手に入れられるかもしれない 時間


地域おこし協力隊を3名募集!~町が起業の支援、定住後のサポートをします~



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この記事を書いた人

最上の くらし舎

新庄市を拠点に「最上(さいじょう)の暮らし」をするきっかけを提供している一般社団法人。

新庄市万場町で「のくらし(喫茶・イベント・貸し...

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