金山町では、金山に訪れた方々と関係を育むプロジェクト“K-hour project”を展開しています。
“K-hour project”では、これまで観光文化誌「K-hour」の発行やK-hourムービーの動画制作を通し、
金山にしかない「暮らし」の美しさや豊かさを発信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=9quHkuEWgZc
この“K-hour project”にも積極的に関わっているのが、地域おこし協力隊の存在です。
今回は金山町で活動する地域おこし協力隊の活動を紹介します。
金山町の地域おこし協力隊・自己紹介
名前:川村佳恵(かわむら よしえ)
職業:金山町地域おこし協力隊1年目
年齢:23歳
出身:岩手県盛岡市
社会人歴:2年目
好きなこと:ミュージカルを観る、落語を聴く、温泉に入る、お寿司を食べる、寝る
山形県金山町の地域おこし協力隊の川村です。
2024年4月1日から、関係人口創出をミッションに活動しています。
所属は、金山町役場 産業課 商工観光係です。
そもそも私は昨年(2023年)の4月時点では、まったく移住する予定はなかったし、金山町のこともほとんど知りませんでした。
昨年度の間に金山町と素敵なご縁があり、地域おこし協力隊として迎えていただきました。
就任してはや2ヶ月経ってしまい、自己紹介には遅いかもしれませんが、語れる範囲で、移住の背景を記していきたいと思います!
大学時代に出会った「コミュニティマネジメント」
私は東京都市大学都市生活学部というところでまちづくりを学びました。
その中で「これ、自分に合ってるなあ」と感じる分野の授業を開講していたのが、坂倉杏介先生でした。
坂倉先生は東京都港区にあるコミュニティスペース「芝の家」の運営など地域コミュニティに関することの実践をしながら、地域コミュニティに関する研究論文を発表しています。コミュニティマネジメント研究室という坂倉先生の研究室は東京都世田谷区尾山台にある商店街の中にあり、「タタタハウス」と呼ばれるコミュニティスペースの運営を通じて実践的なコミュニティマネジメントの勉強ができます。
東京都世田谷区のコミュニティスペース「タタタハウス」。
地域内外の多様な人々が集まり、お茶を飲んだりイベントを開催したりしている。
三田の家がとあるニュース番組で特集された動画を見た時、近所のおばあちゃんが、若いお母さんが連れてきた赤ちゃんを「可愛いねえ」と言って嬉しそうに抱き上げ、そのまま面倒を見ていました。若いお母さんは「ありがとうございます」と言ってにこにこしていました。近所とはいえ他人同士がここまで親密に、親戚同士のような交流をしている光景に衝撃を受けたし、こんな優しい世界で生きていきたいと思いました。
ぜひこういったコミュニティスペースの運営に関わってみたい、との思いで大学2年生の時からこちらの研究室にちょこちょこ参加させていただいており、コミュニティマネジメント研究室に所属しました。大学3年生の春のことです。
タタタハウスでイベントを開催した際のコミュニティマネジメント研究室の集合写真。
地域コミュニティやウェルビーイングなどに興味を持つ大学3年生、4年生、大学院生の25名ほどが所属している。
コミュニティマネジメント研究室で行ったこと
「コミュニティマネジメント研究室」では、主に東京都世田谷区尾山台にて「おやまちプロジェクト」という地域活動に参加し、毎週水曜日に歩行者天国の道路に芝を敷いて小学生とけん玉をしたり、研究室の仲間とコミュニティカフェを実施するなどしました。
コミュニティカフェの店員としてコーヒーを淹れる川村。
最初はまったく人が来なかったけれど、今ではタタタハウスが満員になるほどの人気に!
大きな取り組みとしては、タタタハウスのリノベーションに情熱を捧げました。
おやまちプロジェクトの拠点的な場所であった、尾山台で60年以上続く学校用品などの販売店「タカノ洋品店」を、1階を店舗兼コミュニティスペース(シェアキッチンあり)、2階を東京都市大学のサテライトキャンパスとするというプロジェクト。
コンセプト設定や設計段階からみんなでミーティングを重ね、学生や地域の皆さんとリノベーション作業を進めました。大学3年の夏休みは全てをリノベーションに捧げ、活動すればするほど地域の中に顔見知りや仲間がどんどん増えていく感覚を初めて味わいました。
地域にどっぷり浸かるってこういう感じか! の原体験はここです。
タタタハウスのリノベーション初日の様子。
民家として使っていた2階の壁を壊すところからスタートし、約4ヶ月程かけて取り組んだ。
さらに、大学4年生にかけては、
・中学生のウェルビーイングリテラシーを高めるためのカードゲーム「Super Happy Birthday」のワークショップ設計実施
・ビジネス現場でのウェルビーイングについて考えるゲーム「“はたらくWell-being”を体験する対話型ゲーム ‐ いいゆ -」の開発
・コミュニティマネージャーという新たな業種がどんなものかインタビュー調査を通して紐解く「コミュニティマネージャーの人材要件に関する調査研究」
・地域の中学校での総合学習の時間を大学生で受け持つ
など、とにかく幅広くいろいろやりました。
私に向いているまち「徳島県神山町」に出会う
特に自分の価値観が変わったは、卒業論文の調査で訪れた徳島県神山町。
子育て世帯向け集合住宅と同じ敷地内に整備されたコミュニティスペース「鮎喰川コモン」の調査をベースに、中山間地域におけるコミュニティスペースの効果的な設計運用についてまとめました。
鮎喰川コモンの中の様子。
まちの子どもたちや赤ちゃん連れのお母さん、仕事帰りの方など多様な人が集う。
ここで過ごした合計1ヶ月ほどの時間が驚くほど楽しく、清々しかったのです。
毎日自転車で山あいを疾走し、美味しい野菜やお米を食べ、地域の人たちと語らう時間。
何より人と人との距離の近さに驚きました。そして田舎あるあるとされているような「新しい人を受け入れづらい風土」的なものは全くなく、突然来た大学生の私の体調や調査進捗などを周りの皆さんに気にかけていただき、「こんなに優しい世界があるのか」と思いました。
「移住者も寛容に受け入れてくれる地域なら、中山間地域って最高だな」「いつかこういった地域に住んでみたいな」と思いながら、うまくまとまらず悪戦苦闘した卒論執筆を終え、神山町で最終発表会をした時には発表しながら号泣しました。泣くほど神山での生活が濃厚で、忘れられない日々だったようです。
神山町での卒業論文最終発表後の写真。
私は号泣したあとなので、ちょっと鼻が赤い。
この経験から、「一度中山間地域に移住して生活してみたいな」との思いが芽生えました。
東京での1年の社会人経験を経て金山へ移住
大学卒業後、一番最初に請け負った仕事は山形県金山町×ソトコトで開催した関係人口創出事業「カネヤマノジカンデザインスクール」でした。この講座を1年担当しており、企画・見積もり作成から運営、報告書作成まで任せていただき、それはもう勉強になるというか、実践からの学びは半端なかったです。
と同時に、神山で過ごした中山間地域暮らしの素晴らしい日々が忘れられず。
この仕事が好きで、楽しさも感じていましたが、「一度中山間地域に移住して生活してみたいな」の思いが強くなっていきました。
また、「カネヤマノジカンデザインスクール」を通して金山に関わっていくなかで、街並みの美しさや移住者にも比較的寛容な地域性に惹かれ、ここに住めたらいいなあと密かに思いこがれていました。
カネヤマノジカンデザインスクール第3期の集合写真。
大学生、社会人、男女問わず幅広い層の方が受講している。
そうして、時期尚早ではないかと自分でも自問自答しましたが、金山での地域おこし協力隊の募集があると知り、前の職場の皆さんなど周りの方々からの応援もあって、思い切って移住を決めました。
地域おこし協力隊になってやっていること
私の活動ミッションは「関係人口の創出拡大」で、わかりやすく言うと「金山のファンを増やす」ことです。
既にこのミッションに取り組んでいる、本間真生さんという先輩がおり、本間さんからまちにどんな人がいるのかなどのさまざまなことを教えてもらっています。
本間さんの活動については以下をご覧ください。
【来年度からの仲間募集中】「生きることをつくれるようになりたい」新卒で地域おこし協力隊に。ファンづくりに取り組む|金山町
現在私が取り組んでいる活動はこちらです。
(1)地域の魅力発信
(2)金山町主催の関係人口創出事業の運営
(3)コミュニティスペース兼本屋をはじめる準備
(1)地域の魅力発信
地域の魅力発信では、細かく分けると主に3つの活動をしています。
・自身の活動のnoteやInstagramでの発信
・金山町のInstagramやXでの情報発信
・ヤマガタ未来Lab.などでの金山町の情報発信記事の執筆
私自身のnoteや Instagramでは、日々の活動の様子や金山でのイベント情報の発信を行なっています。
noteには活動日記も書いておりますので、ぜひご覧ください!
◆Instagram:https://www.instagram.com/y.kawamura_kaneyama/?hl=ja
◆note:https://note.com/yk_kaneyama
また、金山町で関係人口事業として取り組んでいる「K-hour」に関する情報発信も行なっています。
金山町公式Xもあわせて更新しているので、フォローをお願いします!
◆k-hourのInstagram:https://www.instagram.com/?hl=ja
◆金山町公式X:https://x.com/kaneyama100
こちらのヤマガタ未来Lab.さんでも、私の活動や金山町のイベント情報をweb記事として発信していきますので、よろしくお願いいたします!
(2)金山町主催の関係人口創出事業の運営
金山町では、「K-hour」プロジェクトをはじめとした関係人口創出事業に力を入れて取り組んでいます。
昨年度は、山形県金山町×ソトコトで開催した「カネヤマノジカンデザインスクール」や、福井県出身で生活芸人として活躍する田中 佑典さんと開催した「金山微住」を行い、さまざまな属性、年代の方に金山との新たな関わりを持っていただきました。
昨年度開催した「カネヤマノジカンデザインスクール」第3期の様子。
落花生の収穫を体験!
今年度も私を含めた役場メンバーで、さまざまな関係人口創出事業を実施予定です。
ヤマガタ未来Lab.などで情報発信していきますので、ぜひチェックをお願いします!
山形県金山町×ソトコト「カネヤマノジカンデザインスクール」を開催しました。│金山町
【第一弾】クリエイティブステイ事業「金山微住」の参加者募集!│金山町
(3)コミュニティスペース兼本屋をはじめる準備
本屋のない金山町に本屋さんが欲しい!という私の願望と、町内外の人が気軽に集まり交流できる場所が欲しいとの思いで、コミュニティスペース兼本屋さんを始める準備をしています。
関係人口の創出には、町外から来た人が金山のことをより深く知れる、町民と気軽に交流できる、旅の途中に困りごとがあれば助けを求められるような場所が必要ではないかと考え、この活動に取り組んでいます。
お店の名前は「かぷりば」です。
まずは移動式本屋さんとして、町内外のマルシェに出店するなど、ポップアップショップの開催を行なっていく予定です。
5月に開催された、かねやま「街市」への出店の様子。
私の大学の同期で、デザイナー・本屋さんとして働いている”マイマイ”に手伝ってもらっている。
並行して金山町内で物件を探しているほか、私がnoteに掲載している日記から本屋さんに関係する部分を抜粋した「かぷりば通信」をフリーペーパーとして作成し、本屋さん出店時に配布しています。
「かぷりば」のロゴの形に、ハサミで紙を切り取り作成。
「かぷりば」の名前の由来や今後の出店情報は、私のInstagramやnoteから確認いただけます!
金山町の地域おこし協力隊は5名! 応援よろしくお願いします!
金山町には本年度、私を含め3名の地域おこし協力隊が就任しました。
現在は合計5名の協力隊員が金山町に所属しており、イワナの養殖業の継承や神室エリアの観光PRなど、さまざまな業務を行なっています。
私たちに会いに、ぜひ金山町にお越しください!
記事をシェア
この記事を書いた人
金山町
山形県の最北部に位置する人口5,000人ほどのまち
観光よりも暮らしという言葉が似合う小さな山里「金山町」
金山町には金山町にしかない時間...