長かったStay Home期間も終わり、街中にも少しずつ活気が戻ってきましたね。

営業自粛やテイクアウトに切り替えるなど苦しい状況に耐えてきた飲食店も、通常営業に戻るとともに、お客様に安心・安全を提供するためにさまざまな努力を重ねて頑張っています。

そんな中、山形の大学生が中心となって飲食店を応援するプロジェクトを立ち上げ、話題になっています。その名も「ウイルス クリーン推進委員会」

20200620-231942

これは、新型コロナウイルスの影響で停滞している外食産業を少しでも活気づけたいという思いから、山形大学と東北芸術工科大学の学生らが中心となってはじめた活動です。

メンバーは、大学生のほか大学教授らがアドバイザーとして参加。専門家の監修のもと、飲食店や利用者にもわかりやすい「ウイルス感染対策ガイドライン」を作成しました。

ヤマガタ未来ラボ編集部では、山形で働く若者を“ミライさん”と呼んで応援しています。今回は、“ミライさん〜学生編〜”としてご紹介します。

今月のミライさん★

【ウイルス クリーン推進委員会 共同代表】
柏谷雄斗(かしわや ゆうと)さん

(写真提供:柏谷雄斗さん)
プロフィール:北海道札幌市出身。山形大学工学部 高分子・有機材料工学科 2年

「地域のために何かしたい」という思いからのスタート

ーー大学生の皆さんもコロナの影響で春からさまざまな活動が制限されて辛かったと思いますが、自粛期間中は、どんな気持ちで過ごしていましたか?

「大学で授業を受けることもできず、友達にも会えず、何もやることがなかったときは、正直、もう気が狂いそうでした(笑)。1ルームの狭い部屋で一日過ごすというのは本当にしんどくて…。」

ーーウイルス クリーン推進委員会を立ち上げたきっかけは?

「僕は3月に米沢に引っ越したばかりだったので、地域のいろいろなお店を知りたいと思ってたんですが、テイクアウトだけになったり営業時間が短縮されたりして、飲食店の活気がなくなってしまっているなと感じたんです。それで、「自分たちで地域のために何かできることはないか?」と考えていたときに、ちょうど城戸淳二教授から声をかけられて…。数時間後にはZoomでミーティングしてましたね(笑)。それが5月5日で、そこからメンバーを募って委員会を立ち上げたのが5月9日でした。」

ーーすごいスピード感ですね。委員会には山大生だけでなく、芸工大生も参加しているそうですが…。

「山形大学の各キャンパスから集まった学生7名と、芸工大の学生4名です。最初は僕のまわりで興味ありそうな友人たちに声をかけました。芸工大の学生とは、山形のシネマ通りマルシェの運営で関わっていたり、他のイベントで一緒に活動していたつながりがあって…。「自分は参加できないけど、まわりに声かけてみるね」と、学部内でアナウンスしてくれた友人もいて、それを聞いて参加してくれたメンバーもいます。」

ーー活動内容を説明したときは、みんなどんな反応でしたか?

「最初は「興味はあるけど、自分で力になれるのかな…?」と躊躇する人が多かったですね。でも、他のイベントで活躍している姿を見ていたので、“◯◯さんは、こういうことできるよね”とか、“こういう部分で力になってほしい”と、それぞれができることを具体的に示したら、“やりたい”と前向きに考えてくれるようになりました。」

“自分にもできる”と思えることで、積極的に関わるように

ーーそれぞれが力を発揮できるポイントを伝えることで、メンバーの背中を押したんですね。

「こういう活動にはじめて関わるメンバーもいたので、最初は「何をすればいいかわからない」という状態だったのですが、まずは“一緒にやってみよう”というところからはじめて、やっていく中で少しずつ自分にできることがわかってくると、だんだんモチベーションが上がっていきましたねミーティングを重ねるごとにみんなの熱量も上がっていって、どんどんアイデアや意見も出るようになりました。」

ーーガイドラインの完成に至るまでに大変だったことは?

「とにかく、みんなの都合を合わせるのが大変で…。それぞれ本業があったり医学部の学生もいるので、忙しい合間をぬってスケジュール調整するのに苦労しました。それでも、この1ヶ月ちょっとの間で15〜20回ぐらいミーティングしたんじゃないかな。もちろん、ほとんどオンラインですけど。夜中まで白熱して日付をまたいだこともあります(笑)。」

ウイルス クリーン推進委員会オンラインミーティングの様子
(城戸淳二教授のブログより)

学生の“デザイン力”と“発信力”を生かして

ーー今回、”大学生だからできること”、”大学生にしかできないこと”を意識したそうですが、具体的にはどのようなことですか?

「2つあるのですが、1つ目は、学生の“デザイン力”です。「ウイルス クリーン推進店」には、芸工大の学生が作成したオリジナルのステッカーやポスターを提供します。それらを活用していただくことで店舗の宣伝につなげてもらうのと同時に、これをきっかけに今までお店の方が自分で作っていたメニューやチラシも学生がデザインをお手伝いするなど、お店と学生の新たなつながりができたらいいなと思っています。

▲芸工大の学生がデザインしたステッカー
(©2020 西塚 千翔・近藤 菜穂)

2つ目は、広報・発信力ですね。学生は、ウイルス クリーンのポスターの掲示や、認証基準を満たしているか確認をするという目的でいろいろなお店を訪れますが、それをフックに「どんなお店なんだろう?」と興味を持って、お店の人からいろいろな話を聞くことができるので、自然とお店の魅力もわかると思うんです。学生が自分たちの目で確認しておすすめすることで、他のお客様にも安心感を提供でき、それが口コミで広がっていくことで、経済効果にもつながるのではないかと思っています。」

チーム運営と場作りの経験も学びに

ーー委員会のメンバーは学生だけでなく、アドバイザーとして大人の方も混ざってるんですよね。

「そうです。最初は、ここまでたくさんの大人が関わってくれるとは思いませんでした。山形大学の城戸淳二教授が中心となって一緒に動いてくださっているほか、大学の国際事業化研究センターのセンター長や事務の方が学生ができない部分をサポートしてくださったり、学長や医学部の教授とのつながりができたり、こんなにいろいろな人が協力してくれるんだということにびっくりしましたし、嬉しかったです。」

ーーメンバーが真剣に熱を持って取り組んでいるからこそ、皆さん協力してくださったのでしょうね。
委員会の代表として心がけていることはありますか?

「“ホウレンソウのおひたし”です。以前、何かのセミナーでこの言葉を知って以来、自分が上に立つときは、これを意識しています。」

ーーホウレンソウは、報告・連絡・相談のことですよね。“おひたし”とは?

「おひたしは、“怒らない・否定しない・助ける・指示する”です。ただ、そこから先はあまり言い過ぎないように気をつけてます。口を出しすぎるとメンバーのやる気がなくなってしまうので。でも、逆に何も言わないと、何をすればいいかわからなくなるので、その匙加減が難しいですね。」

あとは、とにかく話す回数を増やす。本当は対面で話したいんですけど、こういう状況なので、何か話したいときはZoomのリンクを貼っておきます。強制ではなく、入れる人は入ってきてねみたいな感じで、時間が合う人が参加するみたいな。もっと気軽にやりたいときは、LINEのグループ通話のボタンをポチッと押して「一人で作業するの寂しいから、誰か付き合って〜」って声かけたりとか。」

ーーオンラインでもこまめにコミュニケーションをとることが大事なんですね。学生と大人のコミュニケーションはうまくいっていますか?

「大人と学生がフラットに話せる環境づくりというのは意識しています。アドバイザー(大人)と話しやすい雰囲気をつくるために、堅い話だけじゃなく適度に雑談もしたりとか。やっぱり2時間、3時間もずっと真面目な話をしてると疲れちゃうじゃないですか。

場作りの大切さは、芸工大の学生さんと知り合ってから特に感じるようになりました。芸工大のコミュニティデザイン学科の人って、場作りがうまいんですよ。そういう人たちを見て僕もいろいろ学ばせてもらっています。」

わかりやすく、そして安心・安全を担保する仕組みづくり

ーーウイルス クリーンの仕組みづくりで苦労した点は?

「どこまで飲食店さんに寄り添えるかというところですね。一定の基準を満たしていれば、感染拡大防止のための衛生面に気をつけているということがわかるような仕組みにしたいと考えていたのですが、安心・安全を担保するためのガイドラインと、飲食店さんにとってわかりやすいものをつくるというところのバランスが難しかったです。」(「ウイルス クリーン推進店」認証項目はこちら

ーーお店の人の意見も聞きながら作ったのですか?

「そうですね。ある程度骨組みをつくってから、飲食店の方に見てもらって、実際にできそうかどうか意見をもらいながら、なおかつ、安心・安全を担保する根拠として、山形大学医学部付属病院の監修も受けながら、検討に検討を重ねてつくりあげました。」

ーーガイドラインが完成して、これからがスタートですね。今後はどのような活動をしてく予定ですか?

「認証はお店の方からの自己申告ですが、その後、学生や有志の方にも協力してもらい、実際に店舗を訪れて確認をします。年内で県内100店舗の推薦が目標です。まず山形でモデルとなる仕組みをつくり、それを他県でも活用してもらえるように、学生間のネットワークを生かして全国へこの制度を広めていければと考えています。」

例年通りの学生生活が送れない辛さやもどかしさを抱えながらも、社会のため、地域のために行動を起こしている学生たちが山形にいるというのは、地域に元気を与えてくれる嬉しいニュースです。

ぜひ、この活動を山形の飲食店活性化につなげていきたいですね。皆さんも「ウイルス クリーン推進委員会」の認証ステッカーがあるお店を見つけたら、ぜひSNSなどで「いいね!」やシェアをお願いします。

飲食店の皆さん、「ウイルス クリーン推進委員会」の認証制度を、安心・安全なお店のPRに、ぜひご活用ください!

認証申請ページはこちら

【ウイルス クリーン推進委員会】
■HP:https://virus-clean.jp/

■facebook:https://www.facebook.com/Virus.Clean.PC

■Instagram:https://www.instagram.com/vcymgt/ またはvcygmtで検索!

【お問い合わせ】:ウイルス クリーン推進委員会のフォームからお問い合わせください。

記事をシェア

菅野幸子

この記事を書いた人

菅野 幸子

埼玉県出身。東京の広告代理店にて企画営業を数年担当。その後、編集プロダクションに移り、ライター兼編集者として広告のコピーライティングや情...