そろそろ就職情報が解禁になるけれど、何から始めたら良いのかわからない…どのように就職活動を進めていけば良いんだろう…と悩んでいる学生諸君!

就職活動を乗り越えた先輩から学ぶことで、より良い就職活動にしませんか?

今回は、学生記者ぴーちが、「大学で学んでいることを活かして、地元である山形で仕事をしたい」という学生の皆様のために、山形県内を中心に就職活動を行った大学生にインタビューしました。


今回インタビューしたのは、山形大学に在籍している尾崎丈さん。

4月から山形県内の銀行に入社する予定です。今回は、彼の就職活動の体験談に迫ります。

 

漠然と就職活動をイメージしていた就職活動前

Q,就職活動する前は、就職活動に対してどのような考えやイメージを持っていましたか?

A,漠然と、大学3年生の冬頃になったらやるべきものだと思っていました。特にやりたいこともなかったので、就職活動を始める時期が来るまではあまり真剣に考えていませんでした。

Q,授業などで就職活動やキャリアに関することはありましたか?

A,就職活動に関するキックオフガイダンスが大学3年生の10月末〜11月頃にあったので参加しました。また、後期の授業を選択する時に、キャリア形成論演習という授業を履修しました。キャリアに関する授業があるのならば就職活動の手助けになりますし、自分で全てやるよりも、大学で提供されるものなど、使えるものは全て使う方が良いと思い、履修しました。

 Q,キャリア形成論演習ではどのようなことを行いましたか?

A,始めは自己分析をしたり、これからどのように人生を歩みたいか考えたりしました。班になり、その日にあった興味深いニュースを共有したり、性格診断をやってみたり、就職活動においてどのような選択肢があるか学んだりしました。就職活動に気持ちを向けていくような授業でしたね。

 Q,授業の中で、今後の就職活動の方針は考えられましたか?

A,はい。就職活動に対する向き合い方や進め方のイメージがつきましたし、授業の中で自分史を作ったことで、自分の価値観を醸成できたので、とても助かりました。

Q,授業を終えた時点で、どのような方針で就職活動をしようと考えていましたか?

A,もともと県内志向が強かったですね。授業を終えて、自分がやろうとしていることは間違いではないことに気づけましたし、授業の中で自己分析をしてみて、就職活動の手助けになることが多かったので、この授業をきっかけとして就職活動に向かいたいと思うようになりました。

 Q,自分を一言で表すと?

 A,一言では言い表せませんね。例えば、他者からはよく「真面目」と言われますが、僕の中では、真面目なだけが自分ではありません。僕は、真面目なところも、チャレンジ精神があるところも全て自分だと思いますし、授業を通して、自分の多面性に気づくことができました。このように気づいたことが、授業の中で1番の収穫です。

Q,就職活動する前に、やって良かったことはありますか?

A,学校で用意されている講座には全部参加したほうが良いと思いますね。例えば、自分が通っている大学がある地域に就職しないから関係ないと思う方や、大学から提供されるものに対して軽視している方が多いと思います。僕の周りもそうでしたし、僕も始める前はそのように思っていました。ですが、大学のキャリアの先生が用意してくれるものは、毎年の就活生の悩みに対応していたり、その大学の学生を積極的に受け入れたいと思っている企業の情報があったりするので、僕は、学校で用意されている講座に参加して良かったと思います。

Q,特に印象に残った講座はありますか?

A,一番印象に残った講座は、集団面接に関する対策の講座です。ディスカッションをするときの立ち回りの仕方や、テーマに対して話す時の結論のまとめ方など、集団面接を行うにもやり方があることを知ることができました。結果的に、新型コロナウイルス感染症の影響で、集団面接は一度もありませんでしたが、講座に参加しなかったら、集団面接のやり方を知らないままに他の学生と戦うことになっていたと思います。知っているのと知らないとでは大きな差がありますし、講座を受けることで、就職活動をする上での自信になりましたね。 

Q,集団面接の他に、筆記試験などの試験対策はしていましたか?

A,始まる前は本当に何もしていませんでした。就職活動が始まった時に、リクナビさんで受験できるSPIの模擬試験を2回ほど受験しましたが、平均点以上取れたので、それ以降特にしていません。

Q,就職活動前にやっておきたかったことはありますか?

A,就職活動に関することは特にありません。たくさん遊んだ方が良いと思います。僕は、部活動や自分の好きなことをやっていました。卒業後に就職するなら、就職活動は避けては通れない道です。自分のやりたいことは大学1〜3年生のうちに満喫しておいて、大学3年生の冬になったら、就職活動の準備を始めるのが良いと思います。

 

ギャップを感じた就職活動

Q,いつから本格的に就職活動を始めましたか?

A,本格的に始めたのは、大学3年生の2月頃です。2月までに自己分析を終わし、3月頭頃にエントリーシートの提出に向けてエントリーシートを書き始めました。3〜5月に、本当は合同説明会があるはずでしたが、新型コロナウイルス感染症の影響で全て中止になってしまいました。2月に企業の方と直接会う機会が2回ほどあったので参加しましたが、合同説明会が中止になってしまったのは残念でしたね。

Q,企業はどのように探していましたか?

A,大学からいただいた、合同説明会に参加する予定だった企業がまとまっている冊子を活用しました。山形大学の学生を積極的に取りたい企業の情報がリストアップされているので、これからエントリーしたい企業をリストアップするところから企業探しを始めました。


▲山形大学合同企業説明会の冊子

 

Q,最初は具体的にどのような企業を探していたのですか?

A,やりたいことがなかったので、最初は条件で絞りました。かなり高望みではありますが、初任給が19万円くらい、年間休日が120日以上、女性の育休取得率が100%という3つを条件にしていました。この条件に近い企業を片っ端から受けようと思い、リストアップしました。エントリーシートは20社くらい出しましたね。新型コロナウイルス感染症の影響でお返事がいただけなかったり、求人自体を中断している企業もあったりしたので、面接に行ったのは8〜9社ほどでした。対面の面接をしたのは1社しかなくて、残り7〜8社はWEB面接でした。WEB面接では、自宅で行った分負担はありませんでしたが、僕の中の就職活動のイメージと全然違うことをしていて、ギャップを感じました。

Q,具体的にどのようなギャップがありましたか?

A,自分の目で企業の雰囲気をはかることができなかったことです。僕の考えではあるのですが、面接では、自分と企業どちらも面接されていると思っています。企業に自分が選ばれるのもそうですが、自分の人生を何年、何十年と費やすことを考えると、こちらも企業を図るべきと思って面接を受けようとしてました。また、WEB面接を行う中で、回線の問題で会話が途切れ途切れになってしまったり、聞かなければいけないことしか聞かない面接官の方もいたりしました。もう少し会話の中ではかれる企業の雰囲気はあったのではないかと思っています。

Q,このギャップを払拭するために、何か対策していたことはありますか?

A,「しょうがない」と割り切っていた部分の方が大きかったですね。一方で、東京や仙台の企業を自宅で受けることができたので、WEBと対面どちらにも良さがあります。

Q,企業の情報をどのように収集しながら、エントリーシートや面接などの対策をしてきましたか?

A,企業の情報は文字情報しかありませんでした。文字情報しかないということは、就活生全員と同じ条件に立てるということでもあります。企業が出している情報を信じるしかないので、それを見た上で、自分のエントリーシートを仕上げるしかありませんでした。

Q,他にも大変だったことや、困ったことはありましたか?

A,一番大変だったのは、エントリーシートの作成でしたね。自己分析に時間をかけたり、エントリーシートを友達や先生に見ていただいたりしましたが、エントリーシートの良し悪しを判断するのは企業なので、書いている段階ではエントリーシートの良し悪しが分かりませんでした。
あと、WEB面接でメリハリがつかないことが大変でした。僕は実家暮らしなのですが、WEB面接がある場合、自分の部屋で受験をしていました。生活の空間に近い分、シャキッとしようと思ってやっていましたが、どうしても緊張感が生まれづらかったと思いますね。逆に良かったことは、面接官と一対一が多かったことです。他の学生に萎縮することがなかったのは、WEB面接の良いところだと思います。

Q,就職活動の中で、役に立ったアイテムはありますか?

A,合同説明会がなくなってしまった時に、合同説明会に参加する予定だった企業をまとめた冊子が配られました。これは一番役に立ちましたね。あとは、勝負ネクタイを決めて、これを付けて面接はしていました。

▲尾崎さんが使用していたネクタイ

Q,冊子は、具体的にどのような点が役に立ちましたか?

A,ジャンルで分かれているところです。職種だけではなく、企業が力を入れていることや福利厚生、社風、給与、社員教育制度など、様々な項目でカテゴリー分けされています。企業の推しはどこなのか分かりましたし、勤務先に関しても、転勤する場合のことを考えた時に役立ちましたね。山形大学の先輩のインタビューも載っていて、参考になりました。

Q,就職活動する時に、先輩社員の声は重視していましたか?

A,あまり重視していませんでしたし、参考程度にしか考えていませんでした。その方にとって良かったことが、自分にとって良いか分かりませんし、僕はまだその企業に入社していないので、その企業について分かりません。でも、先輩社員の方の声で入社してからの雰囲気が分かるので、その点では先輩の声を参照するのは良いと思います。

Q,就職活動と学業の両立はどのように行っていましたか?

A,就職活動に集中させるための準備を1〜3年生前期までにやっておくことが大事だと思います。僕は1〜2年の時に単位を取っていたので、3年生の後期はそれほど授業は入れず、負担のない範囲で授業を組めました。
逆に、就職活動に集中することが卒業論文を早く終わらせるコツだと思います。例えば、僕は3年生の2月頃には就職活動を始めて、就職先が決まったのが4年生の5〜6月頃でした。3年生の後期頃から4年生の前期頃まで就職活動にケリをつけると思ってやらないと、卒業論文と就職活動の並行が始まってしまいます。僕は、学業と就職活動が重複しないように、いかに重複を避けるか考えてやっていました。

 

就職活動の振り返りとこれからについて

Q,最終的に内定いただいたのが内定先の銀行ですよね?

A,はい。その他にも何社か内定をいただきましたが、最終的に山形県内の銀行に決めました。

Q,決めた理由を教えていただけますか?

A,希望する条件が合致したことと、就職活動を行う中で、ものづくり企業に全敗したことです。初めはものづくり企業を受けていましたが、就職活動を進める中で、人と接することができる仕事やお客様が目の前にいる仕事がしたいと考えるようになりました。また、かなり責任のある仕事がしたいと考えるようにもなりました。動かすことができる額が大きかったり、企業全体に関わる仕事をしたりするとなると、一番適している仕事は銀行だと思いました。大きい金額や大きい規模の仕事ができる方が、自分の誇りを持って仕事ができると考えました。

 

Q,人と接することが向いていると思った具体的なきっかけはありますか?

A,ものづくり企業で仕事の説明を受けた時に、僕は「へー、そうなんだ」で終わってしまったんです。社員の方の説明に対して響かなかったというか、情熱を向けられませんでした。それよりも、お客様から「ありがとう」と直接言われる仕事が、僕には向いてるのではないかと考えました。人前に立つことが苦手ではありませんでしたし、就職活動をしていく中で、こちらの方向性の方が良いのではないかと思うようになりました。

Q,就職活動が終わった時に、全体を振り返ってみて、就職活動中にやって良かったことはありますか?

A,友達に就職活動に関して相談したことです。僕は、高校の頃の友達とほぼ一緒に就職活動を行いました。僕の中ではそこそこ良いと思っていたエントリーシートを友達に読んでもらった時に、文章表現や内容に関して指摘されることがありました。友達に指摘されて気づくことができる時もあるので、1人だけで就職活動に臨むのではなく、友達と協力しあいながら進めた方が良いと思います。

 

Q,もっとやっておけば良かったことはありますか?

A,1〜2月に合同説明会以外にも、キャリアカフェなど企業の方と会える機会がありましたが、それにもっと参加しておくべきでした。合同説明会が中止になってしまい、企業と出会う機会や人事の方と話す機会が極端に減ってしまったので、3月のみを頼りにするだけではなく、1〜2月のうちからイベントに顔を出して、企業の方と話す機会を持てば良かったと思いました。

 

Q,現時点で、これから挑戦してみたいことはありますか?

A,読書の習慣をつけたいと考えています。僕はよく漫画を読むのですが、活字の本は読まないので、誰とでも話せる自分の引き出しを増やしておきたいと考えていました。そのために、興味を持った本や多くの方が知っているような本を読んで、自分の中の引き出しを増やしたいと思っています。

 

Q,具体的にどのような本を読みたいですか?

A,思いつくままに読みたい本をリストアップしていますが、特にドラッカーのマネジメントは読みたいと考えています。社会人2〜3年目から後輩が入ってきて、人や仕事をマネジメントする仕事が増えると思うので、組織や仕事との関わり方に関して本を読みたいと考えています。

 

就職活動を振り返って、後輩の皆様へのメッセージ

Q,これから就職活動をする後輩の皆様のために、就職活動に関するアドバイスを一言お願いします。

A,新型コロナウイルス感染症の影響があるとはいえ、来年までは売り手市場が少し続くと思います。けれど、何もしない人に内定を出してくれるほど、世の中は甘くはありません。僕の周りでも就職活動に結果的に失敗してしまったり、志望業界の募集がなくなってしまい、就職は今年は諦めてもう一年頑張るという決断をしたりしている人もいます。

新卒だからと言って楽に就職活動が終わるかというと、そうではありません。やらなければならないことをやっている人には内定は出るだろうし、やらなければいけないことをごまかして、妥協している方は、いつまでたっても良い結果は出ません。就職という道を辿るのであれば、やらなければいけないことはしっかりやっていくべきだと思います。

 

ぴーち’s comment

私も尾崎さんと同じく大学4年生で、就職活動をしながら学業に臨む毎日でした。私自身12月上旬頃まで就職活動をしていたこともあり、取材をする中で胸に刺さる言葉がいくつかありました。これから就職活動を行う皆様は、後悔のない就職活動をするために、様々な手段を活用しながら、“本気で”就職活動に臨んでほしいです。

 

 

 

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この記事を書いた人

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