山形で学生してるけど、何をしたらいいのかわからない、、将来もそろそろ考えなきゃ、、という学生諸君!
人生の先輩から学ぶことで、学生生活を華やかにしよう。
山形のアツい大人に、日々将来の自分を模索した学生時代や仕事観、山形観を語っていただくこちらの企画。
題して、
『学生のうちのこれやっとけ!』
今回は、学生記者Akikaが自由な働き方で人生を切り拓く女性にインタビューしてきました!
(※この記事は緊急事態宣言が出される前に取材したものです)
今回のゲストはこの方
鶴岡でフリーの料理研究家として活躍されている髙橋菜々さん
職業:料理研究家
出身:秋田県横手市
山形大学地域教育文化学部卒業
山形で楽しく働く大人の「今」
Q.料理や食に興味をもったのはいつからですか?
A.実家が漬物屋と農家をしていたので、幼い頃から食べ物に囲まれた生活をしていました。食べることが大好きで、小中学生の頃は、給食のメニュー表をもらってきたら自分が食べたいものにマーカーをつけるくらい、食に対して興味を持っていましたね。
Q.山形大学へ進学したきっかけは何ですか?
A.病院で働く管理栄養士になりたいと思い、資格が取れる別の大学を目指していましたが、父の後押しもあって山大に進むことに決めました。せっかくなら、取れる免許はすべて取ろうと思い、栄養士、中学高校の家庭科教師の免許、栄養教諭の免許を取得しました。学びたいと思っていた栄養学以外に、教育についての勉強も面白かったです。4年間過ごしてみて、山大に進んでよかったと思いましたね!
Q.学生時代、就職活動は行っていましたか?
A.はい。学生時代に参加したインターンがきっかけで、レストランに就職しました。そのインターンを企画していたのが鶴岡のレストランだったのですが、シェフ独自の料理理論や食を通して地域に貢献している姿勢を見て「この会社、面白そうだな」と思ったんです。
Q.レストランではどのような仕事をしていたのですか?
A.ホールスタッフとして1年ちょっと働いていました。接客を担当していたので、お客様に料理の説明をしたり、シェフのこだわりを伝えていました。時々、仕込みの手伝いをすることもありました。
Q.レストランで働いた経験が今の活動に活きていると感じることはありますか?
A.レストランでは、料理の盛り付け方や食材の組み合わせの相性の良さを観察して学んでいました。料理の幅が広がったり、美味しく魅せる盛り付け方は、今の活動にも役立っています。接客を通して、お客様の動きを見ながらお客様が何を求めているのか意識するようにもなりました!
レストラン勤務からフリーの料理研究家へ
Q.フリーの料理研究家になろうと思ったのはなぜですか?
A.働き方や自分の性格についていろいろ考えてみて、私は人のせいにするのが好きじゃないことに気付いたんですね。組織で働いていると何かミスがあったら誰かのせいになってしまうこともありますが、もし、自分一人なら、失敗したらやり直せばいいし、方法を変えてみたり、自分のやりたいようにできると思ったんです。
それと、誰かに何かを指示されて動くよりも自分で何かを考えたり、自分が面白そうと思ったことをやりたい、失敗を恐れずいろんなことをしたいと思ったことが大きいですね。
私は会社にいて一つのことをするよりも、自分で考えて動けるフリーランスのほうが向いていると思って、今の働き方を選びました。
Q.会社を辞めてフリーランスで働くことに不安はありませんでしたか?
A.レストランを辞めた後、安定した収入を得るために家庭教師の仕事を始めました。それは今も続けています。それから「鶴岡ナリワイプロジェクト」の講座を受講して、自分でビジネスをはじめるための基本を学びました。その講座でいろいろなつながりが生まれ、一緒に受講していた方とイベントを開催したり、自分と似た考え方をしている人と関わったことで、自分のやりたいと思ったことにどんどん挑戦したいと思うようになりました。
実は、小さいころから絵を描くことも好きだったので、時々イラストレーターの仕事もしています。一つの枠にとらわれず自分の好きなことを仕事にできるのが、フリーランスの魅力だと思います!
▲髙橋さんがデザインした看板
Q.料理研究家としてこれまでに行ってきた活動を教えてください
A.子ども食堂の運営に関わったり、料理イベントの講師をしたり、一度イベント会場でキッチンカーでの販売も行いました。年末には70人分のケータリング作りにも挑戦しました。基本は鶴岡市で活動していますが、山形市でも依頼を受けイベントを開催したことがあります。
Q.料理へのこだわりや大切にしていることはありますか?
A.「食を通してみんなが楽しんでる空間ができているか」ということを一番意識しています!料理を作るうえでは、皿や容器の中に三色以上の彩があること、似たような食感のものだけにならないようアクセントになるものを入れています。いくつか料理を出すときは、五味(旨味、酸味、甘味、苦味、塩味)のどれか一つに偏らず、いろいろな味覚を楽しめるようにしています。
▲キッチンカーで販売した時の様子
Q.鶴岡で子ども食堂を始めたきっかけを教えてください!
A.学生時代から親交のあった友人に声をかけられたことです。そして何より自分が面白そう、やってみたいと思ったからです。一般的な子ども食堂は、用意されているご飯を子どもたちが食べにくるスタイルですが、私がやるなら、定員は少なくても子どもたちに作ってもらい、「子どもたちが自分で作った」という付加価値をつけたいと思ったんです。それで、「料理教室×子ども食堂」という名前をつけています。同じ料理でも自分で作ることで、味の感じ方が変わってくると思いますし、何より子どもたちのためになってほしいという思いからこの子ども食堂をはじめました。
Q.子ども食堂では、どんな料理を作っていますか?
A.これまで6回行ってきましたが、出汁から取っておひたしをつくったり、和風ハンバーグやオムライス、ちらし寿司も作りました。季節感のある料理や、地元の食材を使うなど、回を重ねるごとにレシピをいろいろ考えるようになりました。
▲子ども食堂での様子
Q.大変なことはありますか?
A.準備は、毎回大変ですね。場所を借りられる時間も限られているので、子どもたちが来る前に計量したり、調理器具を用意したり…。間に合わないこともあるので、ときには準備から手伝ってもらうこともあります。子ども相手なので、想定外のことが起きたりしますが、それもこの子ども食堂ならではだと思います。
Q.やりがいを感じるのはどんな場面ですか?
A.子どもたちが何か発見した瞬間を見ることですね!例えば、中火ってどのくらいだろうって一緒に火加減を見たときに「これが中火か!」って気付く表情を見れたり、食べたことのない食材でも、自分で料理して食べたら美味しいと思ってくれたり、そういう瞬間が子どもたちにはたくさんあって、私も毎回いろいろな発見があります。
Q.さまざまな活動をしているなかで、共通している部分はありますか?
A.自分で一から考えて何かをするところですかね。料理と絵は、使う道具は違うけれど同じようなものだと思っています。お皿にどんな食材を使ってどうやって盛り付けようか、絵でいえばキャンバスに何色でどんなデザインにしようか、そうやって自分で考えて何かをすることが好きだし向いているんだと思います。
Q.出身地の秋田ではなく鶴岡で活動している理由は何ですか?
A.地元の秋田に戻る選択肢もあったんですが、鶴岡には面白い人がたくさんいるので、そういう人たちがいるところで働きたいと思ったからです。
Q.これからやってみたいことや目標はありますか?
A.料理に関わる活動をもっとやっていきたいですね。SNSを使って、動画を投稿したり自分の作ったものを見てもらえる機会を増やしたいと思っています。子ども食堂は、これからも続けていく予定です。
学生へのメッセージ
人生は楽しんだもの勝ち。自分で環境を選ぶことも作ることもできるし、自分次第で人生は変えられる。だから、誰かのせいにするのではなく、自分で人生を作る意識を思ってほしいと思います。あとは、“笑顔”ってまわりの人を楽しい気持ちにさせるし、自分も楽しくなるので大事にしてほしいです!
Akika’s comment
今回は、私の地元・鶴岡で活躍されていて大学の先輩である髙橋さんにお話を伺いました。自分を客観的に「私は、こんなタイプだから」とお話されているのがとても印象的でした。自分には何が向いているのか、自分を知ることから始めたいと思いました。いつかイベントなどで髙橋さんの作った料理食べてみたいです!!