女性は結婚や子育てと、ライフステージごとに仕事や働き方を見つめ直すきっかけが多くあるのではないでしょうか?
今回は、東京に住みながらも実家のある米沢でネイルスクールを開業し、子育てと自分の好きな仕事を両立している、BRUSH(ブラッシュ)の桑嶋実里さんにお話を伺いたいと思います。

今回のやまがたで働く人

図1

桑嶋 実里(くわじま みさと)さん

1978年米沢生まれ。短大進学を機に上京。東京でネイリストとして15年以上働く。芸能人やモデルなども数多く担当。現在はJNAネイリスト協会認定講師として東京で働きながら、2016年に地元米沢で「BRUSH ネイルサロン ネイルスクール」を開業。2歳半になる男の子のママ。

 

地元を離れ、東京でネイリストになるまでの道

――ネイリストとして働くことになった経緯を教えてください。

米沢の実家から、高校は福島の学校に通い、卒業後は東京に出て保育士になるための専門学校に進みました。強く保育士になりたいという感じではなく、やりたいこともそれほど決まっていなかったので、母の勧めもあり、いずれの子育てにも役立つからという感じでしたね。結局保育士になるわけでもなく、友達に誘われたネイルスクールになんとなく行ってみたら、ネイルにはまりました。

――初めからネイリストになりたかったわけではなかったんですね。

高校生の時も、短大時代も、特に夢があったわけではなかったんです。でも、ネイルと出会って、手先をきれいにするお仕事って素敵で、楽しいなと思いました。なんだかんだ15年以上ネイル業界にいますね。

――ネイル業界は世界的にも日本が最先端なんですよね?

そうですね。東京が技術的な面でも最先端と言われています。今ではアジアなど外国の方が日本にネイル技術を学びに来ることも増えていますよ。

 

米沢と東京を毎月往復!米沢にサロン開業の経緯

――業界の最先端に15年以上もいる桑嶋さんが、米沢にサロンを開業したのはなぜですか?

離れたからこそ地元の良さに気付きました。でも、地元からどんどん人がいなくなっていて、言ってしまえば衰退を感じてしまったんです。そうしているうちに「地元のためになることがしたい」と強く思うようになったのがきっかけです。

――離れたからこそわかる良さってありますよね。

私がなんとなく東京に憧れて、地元を離れたように、やっぱり都会には憧れを感じる人は多いと思うんです。米沢に限らずですが、地方って自然が多いですよね。でも自然が多い所って、例えばハワイもそうですけど、何が違うのかというと、都会的なものとか場所が少ないんじゃないかと思うんです。

――すごくわかります!おしゃれなお店が一軒あるだけで、その町の印象ってなんだかおしゃれになりますよね。そこから派生してまたおしゃれな人やお店が増えたり。

開業しようと思ったのは、「都会的な場所を米沢に自分が作って盛り上げたい!」と思ったのが一番ですね。考えてみれば、新幹線で2時間。これは通える!と思いました。女性が学べて働ける場所が米沢には少ないと感じていたので、「ネイルスクール」として開業しました。

――お店の看板にネイルスクールと書いてあるのは、そういう思いがあったんですね!

ネイルサロンとして米沢にお店を出すなら、もっと私が米沢にいて、お客様を増やすことが大事なんだと思うんですが、ちょっと違うんです。ネイリストになって、私自身とてもいい経験をさせてもらいました。手先をきれいにすることを通してお客様の大切な日をプロデュースできたり、普段は会えないような素敵なお客様との出会いがあったり。この素晴らしい職業を多くの方に伝えたいと思っています。ネイルの技術は今や東京が世界ナンバーワンなので、これからは米沢にいながら東京と同じ技術を学び、ネイリストとして自信を持って活躍できる人を育てていきたいんです。

図2

――2年半ほど前にサロンを開業されたんですよね?開業までは大変でしたか?

東京では、ネイリスト協会の認定講師として働いていますが、自分のサロンを持ったことはなかったので、色々と初めてだらけでした。知り合いに勧められて、まず商工会議所に相談して、開業までのことを教えていただきました。創業支援補助金の申請に向けてもサポートしていただいて、思ったよりスムーズに開業できました。

――サポートもあって、順調だったんですね!開業後は東京と米沢を往復しての働き方になられたんですよね?

講師としての仕事は東京が対象なので、これまでのキャリアを捨てたくなかったんです。子供を連れての移動はさすがに大変だったりもしますが、東京の情報を米沢に持ってきたり、逆に東京で米沢を発信できるし、楽しいですよ。

 

「女性が働く場所をつくりたい」

――米沢には毎回お子さんと一緒に来ているんですか?

今は毎回一緒です。子供が米沢にいるときは特にのびのびしているので、子育てには地元がいいなと感じますね。土地も広いから外で走り回ったり、雪で遊んだり、虫を捕まえたり、楽しそうにしています。それに私の場合、米沢では実家の両親が子供の面倒を見てくれるのでとても安心できます。

――サロンの中にはキッズスペースも設けられていますよね。お子様連れの方もよくいらっしゃるんですか?

スクール生には子連れの女性もいらっしゃいます。ネイリストのお仕事って、専業主婦の方が趣味から始めたり、子育てがひと段落した世代の方が始めることも結構あるんです。女性が笑顔で元気だと、家庭も明るくなって、社会も明るくなると思うんですよ。そのお手伝いをしていきたいなと思っています。

図3

――今後の目標を教えてください。

若いころ自分がそうだったように、特に夢もなく何をしようかなと悩んでいるような若い子たちが働きたい場所をつくりたいと思っています。東京で働きたいという子には、これまでの経験やネットワークを活かして相談に乗りたいですし、米沢でおしゃれに楽しく働きたいという子には技術はもちろん、色々と教えてあげたいと思います。

 

〈取材後記〉

お話を伺う中で、「地元をなんとか盛り上げたい」「女性や若い子たちが働きたいと思える場所を作りたい」という、桑嶋さんの地元に対する強い想いがとても印象的でした。
お店の中に入ると、米沢らしい雪景色が大きな窓から見えます。
その景色とは対照的に、まるで東京のサロンにいるような、洗練された素敵な空間でした。

 

BRUSH ネイルサロン ネイルスクール
〒992-0072 米沢市舘山1-1-105
TEL/070-2648-4558
OPEN/10:00~(予約制・日曜日中心に不定休)
*Instagram (https://www.instagram.com/brush_yonezawa/?hl=ja)

 

 

この記事を書いた人:「おきたま元気創造ラボ」メンバー

okirabo

おきたま元気創造ラボは、置賜地域で活躍する若者と県・市町行政の若手職員で構成する官民参加型組織で平成29年4月に設立されました。若者ならではの視点で地域の魅力を発掘し磨き上げ、その魅力を広く発信することにより、置賜地域の活性化を図る活動を展開しています。(Facebookページ

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