どんなにすごい人でも、みんな「はじめの一歩、二歩目、三歩目」があった。

新しいことって、どんな風に始めるの?
チャレンジしている人の0→1の軌跡を深堀りする企画はじめの三歩」。

このコーナーでは、起業から新しい趣味まで大小のモノ・コトを問わず様々な分野のチャレンジャーにお話を聞き、新しいことを始める時に、いっちばん最初は何をしたのか。腰が重くなるような時には、どうやって足を踏み出したのか、失敗、考え方、行動の起こし方をじっくり伝えていきます。

あなたはどんな一歩を踏み出し、二歩目、三歩目と歩き出しますか?

 

 

はじめた人

初回は、山形の地域情報アプリ「ママプリ」を開発し、2年で8000人が利用する情報ツールに成長させた平原万匡さん(株式会社カピリーナ代表)にお話しを伺いました。

平原万匡さん

福岡県出身。九州産業高校を卒業し、俳優業や営業代行業を経て、山形にIターン。ママプリのアプリ事業を始める。現在は芸能事務所としても多くの事業を展開し、イベントの運営・代行等も行う。

 

ママプリとは

人と人、人とお店を繋ぐ情報を集約した『地域密着型アプリ』。子育て中のママ・イクメン、そしてこれからママになる女性をメインターゲットとして、山形県内のお店やイベントを紹介するアプリ。ママ目線でのお店選びと口コミやスタンプ機能を充実させ、子育て中でも外出や加盟店利用の「動機」につながるような付加価値を提供する。(HPはこちら)

アプリのトップ画面。おじいちゃんにもわかりやすいシンプルな設定を意識している

 

なぜママプリ? 大手情報サイトが提供するものとは違ったモノをつくりたいと思った理由を教えてください!

一番の理由は、全国の情報を広く載せる大手のやり方ではなく、地域に特化することで“アプリを見れば地域の様々なジャンルのお店の情報を知れる”ような、手軽で生活に根付いた集約型のアプリをつくりたかったためです。実際に事業に踏み切れたのは、みんなが必要としているのでは!と感じていたからですね。それは自分自身の経験が大きかったと思います。

 

確か平原さんは福岡ご出身ですよね。

そうです。転職を機にIターンで山形に来たものの、友達も居なく、どのお店に行くのが良いのか、どこに行けば情報が得られるのか。まったくわからなくてとても困りました(笑) その経験から、パッと見るだけで、山形の良いものをたくさん見つけられる。生活が完結できる。そんな情報の源を探していました。

それに私が困っているということは、他の I ターン U ターンで来られる方も自分と地域の関係づくりに困ってるんじゃないか?と考えました。アプリの必要性を自分自身で感じれたことが、踏み切る大きなキッカケになったのではないかと思っています。

 

前職ではスーツアクターやポイントカードの営業の仕事をされていたそうですね。この経験が、今回の起業の際に、何か関係があったのでしょうか。

前職の知識や人間関係が活きたか?と言われると、実際起業の際にはほとんど関係ないかもしれません(笑)山形に知り合いはいませんし、俳優業やポイントカードから発展させて「アプリだ!!」とひらめいたわけでもないですし、、、(笑)

ただ、ポイント業界を経て経験したことは、アイディアとして活きました。

Tポイントのような全国的な商材ではお金が地域以外の場所で使われてしまい、地域密着のシステムがうまく機能しないと考えました。そこで、業種の枠を超えて様々なお店で利用でき、なおかつ地域で還元できる仕組みのものをつくろう! そう思ってひねり出したのが、ママプリの「スタンプ機能」です。

このスタンプは飲食店から美容室、子どもの習い事まで、幅広い業種の加盟店さんにご協力を頂いています。生活の多くの場面でスタンプを利用できることで、スタンプが“よく貯まる・使える”仕組みにし、生活に根付くアプリになるような狙いがありました。

しかし、これには加盟店さんにご協力いただくために、粘り強い営業力が必要でした。その過程では前職で営業していたことや俳優業で人間力を鍛えたことが活きたかな。と思っています。

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創業までの背景を一通りお話いただき、多くの想いと努力を実らせて事業化されたのではないかと感じました。ここからは、実際にどのような一歩一歩を踏んだのか、最初期にやったことを教えてください。

 

平原さんのはじめの三歩

0.1歩目:目標は何か、やる気を明確化。

何かに挑戦しようと思った時、目標はとても大事です。そしてそのためのやる気はもっと大事。時が経つと当たり前と思いがちな目標をホントにそれが自分にとって一番大事なことか考えることが、ブレないやる気を生み出す原動力になります。

 

1歩目:事業計画ではなく、1,2年間でやりたいことを考える。

ママプリの場合、「山形の人に広く知られて、愛されるアプリにしたい。」という途方もない夢ではありましたが、将来性を考えたところで5年,10年後のことなんてわかりません。世の中も大きく変わってしまうし、考えるだけ無駄かな。と思いました。

そこで、1,2年くらいの短スパンで自分に何ができるだろうか。今、何をしたらいいだろう。そんなことを最初は考えたような気がします。将来について考えすぎず、今できることを探すことが、“途方に暮れないこと”につながったと思います。

 

2歩目: 成功した人に会いに行かず、ご近所さんと会って話す。

アプリの開発で成功した人はたくさんいますし、似たようなアプリもあるのかもしれません。ですが、私はその人や先行事例を聞くために会いに行く。というようなことはしませんでした。それよりも近所のママやおばあちゃんと話したり、山形のお店に自分が行ったりして「こんなアプリ作りたいと思ってるんだけど、。」みたいな話はたくさんしました。

そこでは、“こういう機能が良い”、“こんなこともやってほしい”などのいろんなアドバイス・アイデアを頂き、それを活かすことができました。現在のママプリがあるのはまさにその人たちのおかげだと思っていますし、ママプリは、私が考えたアプリというよりは、周りの人と一緒に考えて作ったアプリだと思ってます。

先行事例はあまり意識しない一方で、創業ゼミ(関連記事はこちら)には参加し、ほとんど知識がなかった補助金や法律などの必要な情報を集める努力をしました。補助金などの自分で調べるだけでは限界があることに関しては、潔く周りの人や制度を頼ることが大事だと思います。

 

2.5歩目:考えていることを紙に書いて整理し、シェア。

アプリをつくろうと思ったものの、プログラミングなど開発については、まったくの無知でした(笑) 知り合いにツテなども居なかったので、ここは専門の業者さんに潔く外注しました。

業者さんとのコミュニケーションの過程では、自分の考えていることをどうにかして明確に相手に説明しなければなりません。そこで“トコトン紙に考えていることを書き出し、伝える。”それをひたすら繰り返しました。これにより自分自身でアイデアを整理したり、相手によく理解してもらうことができたと思います。

 

3歩 スピード感を持って目標に走り、やり切る気持ちをつくる。

実際に、このような過程を繰り返しアプリ自体は4か月で完成に至り、補助金などのお金の絡みもその期間に仕上げて、スピード感を持って事業開始まで向かいました。このスピード感は意図したわけではないですが(笑)、やらなきゃいけないことで朝から寝るまで詰め込んだことが、結果的には途中の不安や葛藤を感じずにまっすぐ突っ走れた理由かもしれません。

不安を感じやすい人は余計なことを考えない・考えずに済む方法を身に着けることが大事だと思います。

 

計画から行動までスピーディーに走り続けて、先日(2018年1月)でちょうど2周年になりますね。現在は芸能部門「スパークルー」も同時展開され、イベントの方にも力を入れているとお話を伺いました。今後の挑戦をお聞かせください!

 

今後はママプリとイベントの関係を強めて、ユーザーの生活をもっと豊かにすること、東北や全国に展開し観光につなげることを考えています。

これは芸能事業で展開している体験イベントやヒーローショーなど、生活を楽しくするイベントの発信力を高め、“休日にはママプリで予定をつくる。”くらいママやファミリーの生活の一部になれたらいいなと思っています。

また、県外への展開としては、山形から出たら宮城版、福島版と切り替えるようにして、その中でまた、地域の濃い情報を集約・発信していきたいと考えています。県外の人もママプリを通してイベントや様々な情報を知ることで、山形に来るきっかけづくりの場となり、ひいては観光につなげられたらと思っています。

board様々なコラボを生み出すプラットフォームへと展開が期待されるママプリ

 

今後の展開もますます楽しみです。本日はありがとうございました!

 

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小池 拓矢

ライター情報

小池 拓矢

20代独身サラリーマン。青森県で生まれ育ち、6年間仙台で大学生活を送り、第三の地、山形で就職した建築士のタマゴ。大学時代に日本を飛び出した...