11月20日、山形市七日町にあるBOTAcoffeeにて、ステップ1@BOTAcoffee 〜3人の佐藤さんと「山形で自分らしく働くにはどうすれば良いか」を考える〜を開催しました。
山形で働く20代の若者が今回の対象者。山形でイキイキと働く3人の佐藤さんをゲストに迎え、各々が働く中で感じる不安や悩み、モヤモヤを話し合い、「自分らしく働くとは?」について考えていきました。
今回は、そのレポートをお届けします(実際のイベントページは【コチラ】)。
ステップ1とは?
明日からのヒントを見つける”ステップ1”
ステップ1は家でも会社でもない、第3の場”サードプレイス”。
ゲストの話を聞いたり、人と話したり、新しい知識を学んだりすることで、明日からをイキイキと過ごすためのきっかけを見つける場です。
毎回、様々なテーマでゆるやかに集まり、交差点のように人が行き交います。
【こんな人におすすめ】
●山形で楽しく働くヒントを見つけたい人
●開催テーマ(以下)でモヤモヤを抱えている人
●なんとなく将来に不安を抱えている人あなたも一歩、ふみ出してみませんか?
第0部:アイスブレイク「どうして参加しようと思ったの?」
まずはアイスブレイクとして「どうして参加しようと思ったの?」をテーマに、2人1組で話してもらいました。
「仕事で悩みを抱えていたタイミングでこのイベントを見つけて…」「つい先日、前の会社を辞めてこれからどうしようか迷っていた」「知人に紹介されて、なんとなく面白そうだからきた!」といった様々な声が飛び交います。
中には「私も!」「その気持ち分かる!」と共感し合う組も多く、それまでの緊張した様子とは一変、和やかな雰囲気になりました。
第1部:トークセッション(ゲストの紹介)
アイスブレイクの後は3人の佐藤さん(ゲスト)による自己紹介。
佐藤慎太郎さんは山形で190余年の歴史を紡ぐ老舗「乃し梅本舗 佐藤屋」の8代目。子どもの頃から後継のプレッシャーを感じていたため、高校卒業後は誰も知らない場所・身内のお菓子が売っていない場所に行きたいという理由で鳥取の大学に進学したという話がありました。
次に、地域振興サポート会社「まよひが企画」代表の佐藤恒平さん。人の意欲を生み出すものを作るにはどうすればいいかと考えたときに、世間一般のデザインやまちおこしに疑問を感じた恒平さん。そんな恒平さんが目指すのは「地域の人が、地域おこしをしたくなるようなまちづくり」。
「自分らしさ」についても、「他人の自分らしさが自身の意欲になっている」とおっしゃっていました。
(恒平さんから参加者へのプレゼント「オリジナル働くカード」)
今回の会場ともなったBOTAcoffeeのオーナー佐藤英人さんは、大学卒業後に東京、山形での不動産業を経て2015年に独立しました。英人さんはコーヒー屋を営みながら数々のマルシェなども企画していますが「まちを豊かにしようというのは目的じゃなくて結果」だとし、自分が住みたいまちをつくるために活動しています。
「若いうちに自分の想いを実現して価値を生み出していけば仕事になるということを、今、2年やってきて実感している」「借金を含めお金の話はリアルに話ができる」という声には、思わず目を向く参加者も多くいました。
第2部:佐藤さんと考える「山形で自分らしく働くにはどうしたらいいか」ワールドカフェ
3人の佐藤さんの話を終え、ワールドカフェ形式の話し合いを行いました。ゲストを囲みながら少人数のグループに分かれ、ゲストにモヤモヤを打ち明けたり、参加者同士で話し合ったり。グループのメンバーが一緒になって「自分らしく働く」について考えていきます。
時間を区切り、計3回、毎回グループのメンバー構成はシャッフルして行いました。
■佐藤慎太郎さん
伝統的なお菓子を手がける一方、これまでの常識にとらわれない新しいお菓子作りにも挑戦している慎太郎さん。
「やりたいこと仕事に活かすにはどうしたらいいか」や「自分の長所・武器の活かし方が分からない」といった自分と仕事の関係についての話から、「どうしたら上司に自分の声を届けることができるのか」というような社会人の日常にまつわる悩みなども話題に。武器を磨くよりも武器の見せ方を考える視点、家族経営ならではのコミュニケーションの大切さについてお話いただきました。
その中でも特に慎太郎さんは、「既成の概念に囚われていては、新しいアイディアや良い職場を作るコミュニケーションの形は生まれない」と語ります。
「和菓子とはこういうもの」「家族経営の跡取りとはこういうもの」のような固定観念を取っ払い、「一見、和菓子とは関係がなさそうなコレを結びつけたらどれだけ面白くなるか」を考えたり「会社の従業員みんなに呼び捨てで呼んでもらう」環境をつくることで、いわゆる常識を理由に可能性を諦めない姿勢を体現する慎太郎さん。
参加者自身、自らが抱えるある種の思い込みを見つめ直すヒントになったのではと感じました。
■佐藤恒平さん
恒平さんのテーブルでは、現在の地域振興にまつわる仕事の経験はもちろん、大学院卒業後にサラリーマンだったときの話も交えながら「自分らしく働く」を考えていきました。
「マニュアル通りの仕事で主体性をもてない」「お金のため、土日休みのためと割り切っているけど、これでいいんだろうか」といった声に対して、恒平さんは「自分らしく」に捉われない考え方を紹介。
「自分らしさを追い求めるとどこかでズレや矛盾が生じる。こっちの自分も別の自分も自分。あまり追求しすぎず、気を負いすぎずにいた方がいい」(恒平さん)
普段、地域の人がイキイキとまちづくりができるような仕組み考えている恒平のこの言葉に、多くの参加者が大きく頷く姿が印象的でした。日々モヤモヤを抱えながら「自分らしく働く」について自問している参加者にとっては、ふと胸が軽くなるような言葉だったのではないかと思います。
■佐藤英人さん
BOTAcoffeeの創業にまつわる話題が多く上がった英人さんのテーブル。店を開くまでのエピソードやリスクに対する向き合い方はもちろん、開業で生まれた借金に関しては実際の数字までリアルにお話いただきました。
また「環境を変えたいと思っているけど、目の前のことで精一杯」「今が安定している環境だからこそ変化が怖い」という声に対しては、自身もサラリーマン時代、東京から山形に帰ってきてからはしばらく無職だった経験を話します。
「日本にいる限りは餓死することはない!」と笑いを誘いながらも、「今まで失敗したことはない。ダメだったときは投資と考えている」「やらない理由はいくらでも考えられるけど、やる理由は『自分がやりたいから』の1つ」などの言葉からは、英人さんの前向きに攻める姿勢や考え方を伺うことができました。
山形×20代で、明日からのヒントを見つけるサードプレイスを
イベントを終え、参加者の皆さんより以下のような感想をいただきました。
・アットホームな雰囲気で思ったより踏み込んで話せました。
・悩みは逆に増えましたが、ポジティブな悩みになりました。
・(印象に残ったことは?)3人の佐藤さんの話も印象にありますが、それよりも同じ悩みを持つ違う職種の方々のリアルな気持ちが聞けたことです。
・「仕事が楽しい」という価値観が今まで自分の中に存在していませんでした。このイベントに参加して、世の中には楽しい仕事やその人に合った仕事が存在すると思えるようになりました。
経済的な成熟期を迎えた日本市場では現在、これまでの働き方や生き方が問われるシーンが目立ってきているような気がします。そんな社会に飛び込んだ20代の若者の中には、目の前の仕事に精一杯になりながらも、言葉にできない違和感やモヤモヤ感、上司や先輩には相談しにくいような悩みを抱える人も多いのではないだろうかーそういった人たちが会社や業種を超えて集まり共感し合う場、共に一歩踏み出す場をつくりたいー私たちはそんな思いから今回、このような企画を立ち上げました。
今後も様々なテーマで定期的に開催していきます。少しでも気になる方は本サイトのイベントページを是非チェックしてみて下さい。
※次回は12/28(木)に忘年会を開催!詳しくは【コチラ】→→→12/28【誰でも参加OK】ヤマガタ未来Lab.忘年会 @guraで山形の”いま・変化”を実感する!
運営メンバーも募集中!
ヤマガタ未来Lab.ではこのように、山形で働く若者が集まり、一歩踏み出す場を作っていこうと考えています。ご興味のある方は、以下、お問い合わせよりご連絡をお待ちしております。
お問い合わせ:個人の方→【コチラ】