「社員の副業を許可」 「原則、副業を容認」

最近、テレビやネットでよく話題に上がる「副業」のワード。

気になる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、副業・兼業について、詳しく調べましたので、その内容をお伝えします。

企業の方も、自社の「副業」について考えるきっかけとして活用して頂ければ嬉しいです。

(もし、山形県内の企業で副業容認にしているという企業があったら編集部に教えてください。)

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副業だけじゃない。会社員の仕事+αで活動するパラレルキャリア

「副業」と聞いて、あなたはどんなことをイメージしますか?

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お金を稼ぐために、本業の勤務時間外にコンビニでアルバイトをする。

FXで稼ぐのは副業? 株を購入してずっと放置して値上がりを待つのは副業じゃない?…。

キャリアに繋がる経験を積むために、本業とは別に、個人事業主として事業を初めて、会社では出来ないやりたい事業をやってみて、趣味と仕事の間みたいな感じで、月3万円の収入がある。

クラフト作家としてマルシェで販売し、収入がある月とない月がまちまち。個人で、他の企業からの仕事を請け負う。

メルカリで服を大量に売るのは副業?

貢献したい・人に感謝されたいから、NPOをプロボノ(職業上持っているプロの知識やスキルを活かしたボランティア)で手伝う。

知人の会社の業務を週3時間だけ手伝う。

山形・地方ならではなのは、兼業農家。

You tuberとなって動画配信する。

ブロガーになって、WEBの記事を書き、アフィリエイトで稼ぐ。

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ひとくちに「副業」と言っても、目的も内容も多岐に渡ります。

あえて、「これって副業?」というような曖昧ゾーンな内容も入れてみましたが、実は、法律で「副業」に関する明確な定義はありません。

単純に日本語の意味通り、本業とは別で収入を得る仕事がある場合、それは副業にあたるということになると思われます。その意味では、個人で得た仕事も副業ですし、アルバイトをして雇われたものも副業ということになります。仕事の種類を問わず、どんな仕事でも副業だということですね。(出典:日経ウーマンオンライン

 

また、本業以外の仕事や活動を行う目的が「報酬」ではない場合、それはパラレルキャリアと呼びます。

パラレルキャリアは、経営の神様、ドラッカーも提唱しています。

「パラレルキャリア」(parallel career)とは、経営学者のピーター・ドラッカーが著書『明日を支配するもの』などで提唱した考え方です。寿命が延びた現代において、個人はひとつの組織に依存して同じ仕事を続けるだけでなく、それとは別の“第二のキャリア”にも時間や労力の一部を費やすことで新しい世界を切り開くべきだと、ドラッカーは述べています。仕事以外の仕事をもったり、社会活動などに参加したりして、本業と第二のキャリアを両立させる生き方を「パラレルキャリア」といいます。(出典日本の人事部)

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ちなみに、日本人の平均寿命は、どんどん伸びていて、20代30代の人は、平均寿命が100歳になるとも言われています。

 

 

会社員の副業を巡る潮流

大企業でも、社員の副業を許可する企業が増えてきています。

ロート製薬「社員が多様性を持つことにより広がる可能性」

ソフトバンク 社外活動でアイディア・ノウハウを得て本業の活性化

しかし、中小企業庁の調査(「兼業・副業に係る取組み実態調査」2014年)によれば、85.3%の企業は、兼業・副業を認めていません。

 

昨年末、政府は、「モデル就業規則(企業が就業規則を定める際に参考にするもの)」から副業・兼業禁止規定を無くし、「原則禁止」から「原則容認」に転換するという方針を発表しました。(2016年12月26日 日本経済新聞

2017年11月20日には、厚生労働省が、「モデル就業規則」を副業を容認する内容に改正する案を有識者検討会に提示しました。(2017年11月21日の日本経済新聞

なぜ、政府は副業の推進を叫んでいるのだろうか?

最大の理由は、成長戦略として経済成長の後押しを狙っているからである。副業推進の具体的な効果として、イノベーションの促進、人材確保、人材育成、可処分所得の増加、創業の推進、労働市場の流動化などを挙げている。

つまり、優秀な人材が持つ技能を他社でも活用することが新事業の創出などにつながり、人材を分け合うことで人材確保にも寄与する。社員にとっても、他社で働くことで自社にはないスキルを獲得し、キャリアアップにつながり、副業をきっかけに起業する人も増えて、なおかつ収入も増える。会社と社員双方にメリットがあり、ひいては経済成長にも寄与するというものだ。(出典:PRESIDENT Online 新・働き方研究所

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会社が「副業全面禁止」にしても、憲法・法律ではそういった拘束力はない。

そもそも、副業なんてやっちゃ、会社に許されないんじゃないの?と、考える人も多いでしょう。

確かに、会社の就業規則で、副業が禁止されていることは少なくありません。

しかし、憲法では職業選択の自由について定めているため、副業を一切禁止することはできないことになっていますし、労働関連の法律では、副業に関する規定は特にありません。

社員は、会社との雇用契約によって定められた勤務時間のみ労務に服するのが原則であり、就業時間以外は、私生活で自由に使うことができるというのが、法律上の見解です。

ですので、会社が「社員が就業時間以外の時間で副業することを全面禁止」していても、憲法・法律にはそのような拘束力はないのです。

「そもそも、民法にも労働基準法にも、2つ以上の会社と雇用契約を結んだり、会社員と自営業を兼業することを制限したりするような規制は存在しません。」(出典:キャリアコンパス

 

ただし、では、好き放題に副業・パラレルキャリアを実践して良いかというと、そうではありません。

 

副業と本業のけじめをつけきれず、本業の会社に不利益をもたらした場合、雇用者側が責任を負う必要があることになります。(出典:https://bowgl.com/2017/08/01/second-job-is-prohibited/ )

 

副業禁止の就業規則が有効になる3つのパターン

1・疲労等により本業に影響が出るほどの長時間の副業の場合

2・本業と副業が競業関係になる場合

3・副業の内容が会社の信用を失墜させるような場合

出典:キャリアコンパス

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「社員が副業・パラレルキャリアを実践する」ことによって、もたらされるかもしれないチャンス

企業

・社員の能力開発。社員へ研修の投資をせずとも、副業・パラレルキャリアによって社員が多様な経験を積むことにより、本業に還元されるスキルの向上に繋がる可能性があります。

・新しいニーズ・解決すべき課題の発見。社員が、会社の既存事業から離れた場所で活動することにより、本業に活かされる事業の潜在ニーズや地域課題を発見に繋がる可能性があります。

・人脈の獲得。本業の活動だけでは出会えない人脈を獲得した社員がいることで、企業に還元される可能性があります。

・副業する正社員人材の獲得。副業・パラレルキャリアを許可・容認することで、自分で事業を作って行くような気概のある人材を採用出来る可能性があります。

・副業人材の獲得。採用難は今後しばらくは続くと予想されます。正社員では採用が難しい職種を副業・兼業を希望する人材で補い、ビジネスを展開していける可能性があります。

 

個人

・経験値を積む機会。本業では出来ない業務・仕事・活動の経験を積み、自分自身の「強み」を新たに作る・強化する機会になる可能性があります。

・強みを活かす・伸ばす機会。本業で活かされていないスキル・強みがある場合、副業・パラレルキャリアの場を、それを活かす・伸ばす機会とし、キャリアを充実させ、社会に還元して行くことが出来る可能性があります。

・自己納得感が得られる。本業の業務が合わない・違和感があるが、転職することが出来ない事情がある場合などに、副業・パラレルキャリアの場で自分が合うと感じること・やりたいことを実施することで、転職せずに自分のキャリアに対する納得感を得られる可能性があります。また、異なる経験をすることで、本業の業務を良く見直す・気づきの機会になる可能性もあります。

・リスクヘッジ。企業の寿命より人が生涯働く時間の方が長くなり、変化の多い社会で、1つの企業に依存することなく、例え企業が無くなっても生き残る個人で生きていく覚悟やスキルを獲得出来る可能性があります(自分の雇用は自分で守る)。

・人脈の獲得。本業の活動だけでは出会えない人脈が出来る可能性があります。

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「社員が副業・パラレルキャリアを実践する」リスクとその対策

企業

・社員が副業・パラレルキャリアを実践すると、それだけ労働時間が長くなるということになります。「働き方改革で長時間労働の是正をしているのに、副業により長時間労働になってしまう懸念」や「病気やケガも発生してしまう懸念」を心配し、疑問を持つ企業の人事担当者もいることが予想されます。

・社員の副業・パラレルキャリアを許可制や届出制にする。「本業へ支障が出る」「情報漏洩」ような内容は禁止とする。

・副業するヤツなんて、真面目に働かないのではないか、という懸念。上記同様、許可制・届出制にし、就業時間内に副業を行うことを禁止するなど。

・辞めてしまうかもしれない。副業・パラレルキャリアの儲けが本業の儲けを上回ったり、本当にやりたいことは副業の方だと気づいてしまって本業を辞めたいとなるかもしれない。そこまで行かなくても、副業を認めると、「なんとなく辞めてしまうのではないだろうか」という不安が付きまとう。対策1・社内起業制度を設け、グループ企業として連邦経営する。対策2・会社のビジョン・経営計画を明確化し、働く価値観・働く目的などを、社員と共有する。会社の価値観と、副業・パラレルキャリアを実践している社員の価値観が重なれば、退職する理由が減る可能性があります。

 

個人

・評価が下がる。企業文化によっては、評価が下がる可能性があります。企業文化を見極めましょう。

・長時間労働。副業・パラレルキャリアを実践すると、働く時間が長くなるので、体に負担がかかる可能性もあります。仕事に支障きたさないよう、セルフマネジメントする力が求められます。

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もし、副業・パラレルキャリアを始めたいなら…

参考記事

「稼ぐため」の副業は推進すべきではないと思っています。私が提唱しているのは、「夢」のための副業です。(出典:DIAMOND Online

「ゆるい副業」が主流に? 収入以上のメリットとは。副業が「原則容認」に 私たちのキャリアはどう変化する?(出典:日経WOMAN Online)

自分のやりたいことを実現する手段は、副業・パラレルキャリアだけじゃないかもしれない

「自分のやりたいことは、会社では出来ないから、副業・パラレルキャリアで、やろう。」

そう考えている方、それは本業の会社では本当に出来ないでしょうか?

ご存知の通り、日本は人口減少社会。

右肩上がりの経済成長は望めず、既存事業の継続だけではジリ貧になっていく企業も多い。地域密着の企業は特に、お客さんの人口は減って行くのでその危機感は強いはずです。

もしかしたら、あなたの本業の企業経営者も、そんな危機感を持っていて、新しいことに挑戦していきたいと考えているかもしれません。

「会社ではやりたいことが出来ない」というのは思い込んでただけで、相談してみたら意外とOKになったりするかもしれません。

もし、やりたいことが直接的に本業では出来なくても、経営者は挑戦する姿勢を持つ人材を求めていて、「そんな気概があるなら、こうゆうことやってみないか」と、新しい仕事の話が舞い込んでくるかもしれません。

本業でやりたいことが出来れば、人・モノ・金などのリソースを個人で全部調達する必要がなくなりますよね。

 

まずは、社内の理解者に相談してみたらいかがでしょうか?

 

もし、相談される側になったら、頭ごなしに否定しないで、まずは話を聞いてみてくださいね。

 

 

まとめ

「副業・パラレルキャリア」に関しては、賛成派・反対派いろんな意見があります。

しかし、以前と比べて、社員の副業を容認していこうという姿勢の企業が増えつつあるようです。

 

『そんなこと言っても、山形県は田舎だから、社員の副業・パラレルキャリアなんて企業は認めないでしょ』と思った方。

 

次回は、山形県内でパラレルキャリアを実践している会社員の方とその方の所属企業をご紹介します。

お楽しみに。

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田中麻衣子

ライター情報

田中 麻衣子

1984年山辺町出身。新卒で山形での就職後上京。求人広告営業を経て、2012年ヤマガタ未来Lab.をOPEN。東京と山形行ったり来たり。あがすけ。山形...