JR大塚駅を出て徒歩3分。地下へと続く階段を下りると、そこは開放的でオシャレな空間が。今回紹介する「shisui deux」はお店のオーナーさんと料理長がともに山形出身のイタリアンレストランです。
この日は寒河江市出身の料理長、川口さんに取材への協力をしていただきました。料理長を勤め始めてからまだ数か月の川口さ んですが、取材を通じ、地元山形への想いとこれからのお店のあり方について、川口さんが抱くアツい気持ちを感じることができました。
エンターテイメント”な空間を創りたい。
編集部「階段を下りてきてビックリしました。すごくオシャレなお店ですね!このお店の特徴ってどんなところですか?」
「まずはコンセプトとしてイベントレストランを掲げているところです。入口から入って奥の方が前方よりも一段高い造りになっているので、ステージ上でのダンスやギター、ライブなどを楽しみながらおいしい料理を楽しんでもらえればと思っています。そのなかで今は山形感を出そうと試行錯誤中です。イベントは週2くらいで実施しているのですが、10月はハロウィンのイベントだけですでに10個ほど予定されています。もちろん芋煮会も実施しますよ!かぼちゃを使った芋煮だったり、『仮装芋煮会』なんてのもおもしろいかも(笑)。
あとは、『手づくり』を心がけています。壁の装飾や配管工事はスタッフで実施していて、素人ならではの味が出ていると評判です。今はハロウィン仕様ですが、春夏秋冬でお店の雰囲気もガラッと変えています。
僕が料理長を勤める以前からオーナーが『エンターテイメント空間を創出したい』と考えており、楽しみながら食事をする、不思議な空間を手がけられていました。当初はエンターテイメントがメインだったのですが、僕が料理長を勤めてからは、嬉しいことに料理をメインで楽しみにして来てくれる人も増えてくるようになりました。」
”イタリアン8割、山形2割で(笑)”
編集部「なるほど。確かに見渡してみると、音響やステージ仕様など、普通のレストランでは見られないような設備が見られますね。ではお店の中で山形に関するポイントはどんなところにあるのでしょうか?」
「僕が料理長になってから間もないということもあり、山形に関しては実際のところ、まだまだ発信途中の段階です。
ただ、オーナーが山形出身ということで山形出身の料理長である僕を立ててくれるため、これから積極的に山形色を出していこうと思っています。
今は芋煮をメニューとして出していますが、実は最初の頃はオーナーから『イタリアンでアレンジした芋煮ならOK』と言われ、山形の郷土料理を出すことに反対されていました。
しかし、『いや、それでは芋煮じゃない』という僕の熱意で譲歩してもらいました。今の時期は芋煮、冬はどんがら汁を提供する予定ですが、まだ試行錯誤の段階だから本格的に山形色を出していくのは来年以降かなあ。食材も今年の終わりくらいから取り入れて行こうと思っています。目標はイタリアン8割、山形2割で(笑)。」
編集部「山形出身のオーナーさんに出会えて山形色を出せているとのことですが、そもそも、ここで働くことになったきっかけって何ですか?」
「それは本当に偶然なんですよ。たまたまここで料理人を募集してて、応募したらオーナーが山形出身だった。実は、今まで働いてきたお店も全部山形にゆかりのあるお店で、今回も『これはなにかの運命。俺はこのお店に呼ばれてるんだな』と直感しました(笑)。不思議な縁ですよね。本当に山形出身で良かったなと感じています。」
上京し、無我夢中で料理を学んでいた10代。”山形のおばあちゃんから送られてきたブロッコリーやナスの美味しさに感動”したことがきっかけでした。
編集部「それはすごい…!きっと見えない何かによって導かれきたんですね(笑)。では最後に、川口さんの山形に対する想いを教えて下さい。」
「単純に『山形が好き』っていうのは大きいですね。とにかく食材が美味しすぎる。僕は高校卒業と同時に上京して料理の世界に入ったのですが、実はもともと山形に帰る気は全くありませんでした。
上京したての頃は無我夢中で料理を学んでいたため、食材に対する関心は薄く、食材は安く仕入れていました。そんな当時、山形のおばあちゃんから送られてきたブロッコリーとナスを何気なく茹でて食べたのですが、その美味しさに感動ですよ。そこから、いずれは山形の食材を使って料理をしたいと決意し、今になって徐々に使い始めている段階です。
プライベートでは、他県の料理イベントに参加したりして、山形と他県の食材をつなぐことをやっています。その経験を活かし、いずれは山形に戻って山形の食材と他県の食材を使った料理を作ることで両者のバイパスになれればなとも思っています。」
あなたも一緒に「shisui deux」で山形感を作り上げて行きませんか?
料理長の川口さん、「まだまだ試行錯誤の段階だ」と繰り返しおっしゃる姿が印象的でした。
裏を返せば、これからの「shisui duex」の可能性は無限大だということではないでしょうか。「芋煮×花笠踊り」なんてのも構想中らしく、エンターテイメントレストランだからこそ、味覚だけでなく身体を使って楽しめるのがここ「shisui deux」の魅力です。
また、ステージでの演出は事前に連絡すれば誰でもOKらしく、「山形出身なんですが、ここでギター演奏してもいいですか?」などは大歓迎とのこと。そう考えると、これからの「shisui deux」で山形感を出していくのはあなた次第かもしれません。
※事前に言ってもらえればいつでも芋煮、作るよ!」という、山形県民にとってはこの上ない言葉も頂きました(笑)
(取材・編集:伊原貴義)
ヤマガタ未来Lab.会員特典①「ヤマガタ未来ラボの会員です」と言うとドリンク1杯サービス!!
②料理長の川口さんと内陸弁で会話が出来ます!!
shisui deux
住所
東京都豊島区南大塚1-60-20 天翔大塚駅前ビルB1
営業時間
ランチ:11:50~14:30(L.O)
ディナー:17:00~22:30(L.O)
電話番号
03-3945-9136
アクセス
JR大塚駅南口から徒歩3分
平均予算
ランチ:850~950円
ディナー:3,000円
定休日
日曜