東京などの都市圏では、すでに浸透しているコワーキングスペース。山形県内にもすこしずつできはじめています。

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『庄内初のコワーキングスペース「アンダーバー」』に行ってみた。

山形市内でも、2015年5月、「なれあい」というちょっと挑戦的な名前のコワーキングスペースが、山形県庁前にオープンしました。

なぜ「なれあい」という名前なのか、今後どんな活動をしていきたいと思っているのか、オーナーの成田賢司さんと管理人の原田美穂さんにお話を伺いました。

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オーナーの成田賢司さん、管理人の原田美穂さん

コワーキングスペースでは全員が違う職業

編集部:成田さん、原田さん、こんにちは。この「なれあい」は5月にオープンされたそうですが、いつぐらいにこのスペースの構想ができたんですか?

成田さん:仙台のコワーキングスペースに行ってみたらとてもオープンな場所で、「ああ、これはおもしろいなあ」と思ったんです。そこにいる人たちの仕事のスタイルに衝撃を受けて、「山形でもこういうスペースをつくりたい」という思いが浮かび上がってきました。

編集部:仕事のスタイルに衝撃を受けたというのはどういうことですか?

成田さん:会社だと、仕事ってその会社の中で、もしくは下請けとか協力会社だけで完結していますよね。コワーキングスペースではひとりひとりが全員違う職業だということに驚いたんです。ただ、最初見たコワーキングスペースは50坪くらいのだだっ広い場所だったので、「これは自分にはできないな」と思っていました。それが、仙台の小規模なコワーキングスペースに行ったらここよりも狭い場所で、「あ、これならできるかな」と。そう思ったのが今年の2月で、ここは5月にオープンしました。

編集部:構想が2月でオープンが5月とは、かなりスピーディーですね!

成田さん:いやいや、これでも時間がかかったと思っているんです。本当は1ヶ月以内にオープンしたかったんですが、結局連休明けになってしまいました。

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営業・デザイナー・プログラマー3人集まれば事業が生まれる?

編集部:オープンしてよかったなと思うのはどんな点ですか?

成田さん:今までの生活だったら絶対に知り合わなかっただろうコンサルタントやコーチの人と友達になれたことです。まったく違う業界の人たちとつながりができるのはおもしろいですね。

原田さん:カフェでノマドワーキングをしている方もたくさんいらっしゃいますが、カフェだとどうしても話しかけづらいですよね。コワーキングスペースだと、仕事に集中する時間帯と、周りの人と話をする時間帯がなんとなく分かれていて、自然にそこから交流が生まれるんですよ。意見交換をしながら話が広がっていって、人のつながりをつくるハブ的な場所になればいいなと思っています。

成田さん:それぞれの強みや得意分野を活かして、事業や会社が立ち上がったらおもしろいなと思っています。営業はできるけど技術的なことはできない、プログラミングはできるけど営業やデザインは苦手、デザインはできるんだけどプログラミングと営業ができない、という3人が集まれば、何かできそうですよね。あとは例えば「プログラマー募集」という張り紙を貼っておいて、ここに来ている人のつながりから新しい関係が生まれたりしたら、山形も捨てたもんじゃないと思うんです。1+1を3にも4にも5にも持っていきたいですね。

馴れ合いを経て、コラボレーションへ

編集部:なるほど。それにしても、「なれあい」という名前はちょっとドキッとしてしまう名前ですよね。どうして「なれあい」と名づけたんですか?

原田さん:「なれあい」は「knowledge and idea」と「馴れ合い」からつけた名前です。知識を共有することで新しいアイディアが生まれる場でありたいですし、馴れ合う段階を過ぎないとコラボレーションにはつながらないと思うんです。山形のおもしろい人たちが集まることで、いい意味で馴れ合うことで、一緒にもっとおもしろくなっていければと思っています。

成田さん:フリーランスや起業家は、どうしても一匹狼でやっている人が多いので、馴れ合わないし馴れ合えないと思うんです。でも、ここではあえて馴れ合ってほしいなと思いますね。私はなかなかそれができずに自分ひとりでやってきてしまったので、こういうつながりがあればもうちょっと楽しめたんじゃないかなという反省から来ているんです。混んでくると、人の話に関係ない人が割り込んできたりもしますしね(笑)。新しい視点をもらえたり、来てくれた人の先にいる人までつながれたりできるのはコワーキングスペースならではだと思います。

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編集部:山形にもすこしずつコワーキングスペースができていますが、「なれあい」の特徴は何だと思いますか?

成田さん:スペースが狭いことで生まれるコミュニケーションですね。狭いので、いやおうなく交流が始まりますから。こぢんまりしていて、自然に会話が始まるような、それこそ馴れ合える雰囲気かなと思います。

原田さん:ここは県庁の近くという立地でバス停が近いこともあって、仙台から来てくださる方もいるんですよ。それと、学生さんが来てくださるのも特徴のひとつだと思いますね。サークルの話し合いのために来た学生さんたちが、たまたま居合わせた起業家とつながったりもしています。起業家同士がつながるだけでなく、起業家と学生さんがつながることで、新しいプロジェクトや事業が生まれたらいいなと思っています。

編集部:コワーキングスペースに興味はあるけれど、入りにくいなと思っている方もいると思うんですが、どんな工夫をされていますか?

原田さん:そうですよね、特にここはチャイムを鳴らさないと入れないつくりになっているので、入りにくいと感じる方もいらっしゃると思います。だからこそ、ここがハブであることはもちろんなんですが、私自身の役割は、ここに来てくださる方々のハブになって、「入りにくい」と思う気持ちを解消することだなと思っています。最初はすこし緊張した面持ちで来られた方も、帰られるときは表情がほぐれて、顔つきがまったく違うんですよ。

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編集部:たくさんの人が来てくれるようになるといいですね。今後、「なれあい」をどんな場所にしていきたいと考えていらっしゃいますか?

成田さん:会社を立ち上げる前の自分のような「何かやりたいけれど、何をどうしたらいいかわからない」という人に、「本当のところはどうなの?」という生の知識を共有できたらいいなと思っています。フリーランスの人とサラリーマンの人が半々くらいになったら、ここで化学反応が起きて、新しいものが生まれそうですよね。移転も増床もせず、10年は続けるつもりで、「小さいところで何ができるか」という実験をしていきたいです。

原田さん:この「なれあい」を知ってもらうためのイベントを積極的にやっていく予定です。これまでは、「夜会」やクラウドファウンディングの勉強会なども行いました。山形には、引っ込み思案だけどおもしろい人がたくさんいますし、おもしろい人はおもしろい人とつながっていますよね。そんな人たちが、山形から日本全国へ、世界へと活動を広げていくきっかけの場所になったら嬉しいです。

編集部:これから生まれる新しいコラボレーションを楽しみにしています!

コワーキングスペースknowledge and idea「なれあい」

運営会社:有限会社コミュニティアイ

所在地〒990-0023 山形県山形市松波四丁目2-11

連絡先Tel:023-616-4649 Fax:023-631-4288

営業時間:10:00〜18:00

料金:1日1,000円/人(ドリンク自由)、3時間以内500円/人(ワンドリンク付き)、延長1時間ごと +200円/人

座席数:12席

 

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