工房七つの里のこと。

遡ること、今から10年前。村を訪れる人に、村のことをもっと知ってもらいたい。
この地域をもっと盛り上げたい。そう考えた農家さんたちが、廃所になった保育所を再利用して、村の特産品づくりに取り組もうと立ち上げた、鮭川村の食品加工施設「工房七つの里」。

農作業の片手間での活動は、大量生産化こそ出来ないものの、出荷できずに廃棄されてしまう農産物を使った、無駄のない食品加工に取り組み、ジャム・漬物・佃煮・米菓子などの村ならではの特産品を数々手掛けていきました。

しかし、メンバーの高齢化によって次第に農業との両立が厳しくなり、作業負担の増大や、人手不足によって引退するメンバーも。そこに追い討ちをかけるように、新型コロナウイルスの感染が拡大。観光客の減少や、催事出店の機会損失により、工房の運営は悪化の一途を辿り、惜しまれつつも閉鎖の決断を下しました。

2022年の冬。代表の伊藤さんが村役場を訪れて「もう私たちだけでは…」と、工房のいまを打ち明けてくれました。歯に衣着せぬ現状を聞いた、鮭川村の地域おこし協力隊の隊員は「工房を一緒に立て直しましょう」と団結し、工房のメンバーとクラウドファンディングを実施。無事に目標金額を達成し、念願の再稼働を迎えました。

七つの里 ~停止した村の小さな加工場~

工房七つの里の、いまとこれから。

いまは、地域の食を伝え、食を生む場として、メンバーの方々に支えていただきながら、鮭川村の地域おこし協力隊が中心となって、技術継承や販売活動に尽力しています。嬉しいことに村外連携も増えています。糸魚川と連携した鮭の魚醤開発、愛媛県の農家さんと連携した柑橘の販売、山菜料理の名店と連携した里山のモノづくりなどなど。今後は、一人でも多くの「継ぎ手」を増やし、地域の失われつつあるレシピ継承・農産物や農産加工品の技術継承・地域を伝えるモノづくりに力を入れていきたいと考えています。

きっと他の地域であれば、既に揃っているであろう基礎の基礎から、地域の人と共に地道に叩き上げています。まだ未編集ですが、課題とは名ばかりの伸び代も沢山あって、これしたいあれしたいというアイデアは日々尽きません。従来の踏襲がひと段落して、いまが変革期。だからこそいま、工房七つの里には、強い信念を持つ仲間が必要だと感じています。地域の次をつくる手仕事に、共感いただける方がいたら是非ご連絡ください。

令和5年度鮭川村地域おこし協力隊募集

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この記事を書いた人

鮭川村 地域おこし協力隊

北緯38° 鮭川村
山形県北部、最上地方に位置する、人口4,000人ほどの村。
ここにはコンビニも、スーパーも無いけれど、
サケも、クマもいる。...

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