齊藤さんのFacebookのタイムラインは実に楽しい。さくらんぼにブルーベリー、紅花、笹竹という細いタケノコなどを収穫し、「ちょっとそこまで」の気軽さで月山登山。釣りに行き、サッカーチーム・モンテディオ山形のホームゲーム観戦。地元に住む私たち以上に山形暮らしを楽しんでいる。

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 自宅完成でさらにDeepな山形暮らし

’10年に山形市出身の妻の実家に近い西蔵王の麓に家を建てたあたりから、ライフスタイルが決まってきたという。自宅から山を眺め、休みの日にはコーヒーを淹れ、1時間の散歩。

ちょっと足を伸ばして山形市民の憩いの場へ。さらに知っている人しか知らない、齊藤さんのお気に入りのスポットがいくつもある。

最近熱中している渓流釣りでは自宅の目の前を流れる川で、ごはんのおかずとなる岩魚やヤマメを釣り上げる。


 山形との出会い

子どもの頃から屋外にいるのが好きだったという齊藤さん。大学ではフィールドワークをやろうと決めていたそうだ。初めて山形へ来たのは大学2年生の考古学実習。実習先の候補は幾つかあった。関東エリアと、子どもの頃から登山で親しんだ長野、そして山形県川西町。

「山形って行ったことないなぁと、川西町の下小松古墳群を選びました。学生10人位で実習し、3年生、4年生と続けて来ることに。訪れていた8月は山も田んぼも緑一色。空が広くて、食べ物が美味しくて。お酒飲んで・・・。これらは本当に好きですね」。

「4年生のときに担当教授に『齊藤、山形へ行け』と言われ、僕が『いつまでですか?』と聞いたら、『ずっとだ』と答えたんです。たまたま文化財学芸職の募集があったからなんですが、今でも研究室で言い伝えられているそうです(笑)」。

川西町の学芸職に応募し、合格。それからの10年間は古墳の発掘と保存、整備に携わった。教育委員会の社会教育の一環として子ども達のキャンプの引率なども行った。

十数年前には、地元スタッフとして『椎名誠のあやしい探検隊のやまがた林間学校』参加。大の椎名ファンだったこともあり、仕事と遊びが一緒になるなる貴重な経験ができたそうだ。

観光部門に移ってからは、町内にある日本最大級のダリヤ園のプロモーションなどを担当。JRと共催したやまがた花回廊や、前副知事の後藤靖子さんの勉強会などに参加し、民間や県職員など、人のネットワークがぐんと広がった。

 

 山形ではあたり前すぎること。それを発信する。

山形県に出向し、県産米・つや姫のプロモーションを2年間担当。現在は川西町に戻り、県外に川西町のファンが増えるような仕組みづくりや都市部からやってきた5名の地域おこし協力隊の活動コーディネートなどを行っている。

十年近く前に仲間たちと創刊し、置賜地域を中心に今も継続している「ほんきこ。」というミニコミ紙や地元新聞に県外出身者の視点でエッセイ書いてきたことで、情報発信のツボがわかるようになった。地域おこし協力隊のスタッフと一緒になって、みんなが当たり前すぎて発信しないこと、そのままの山形を伝えれば、それが魅力になる」。

これからの予定を聞くと、今しかできたい旬の遊びで忙しいのだそうだ。

「梅雨が明けたらまずキャンプに行きたい。鶴姫という絶品メロンの収穫にも。ブルーベリー狩りはいくらでも食べれるし、持ちかえって加工もでき、何より収穫欲が満たされる。カジカ突きにも行くし、J1へ帰り咲ける可能性があるからモンテのホームゲームは全試合見たいしね」。

このインタビューを行った悠創の丘(ゆうそうのおか)も齊藤さんのお気に入りの場所。整備された芝生のイスとテーブルで、一家4人昼食や朝食を食べることもあるそうだ。眼下に山形市が一望でき、遠くは月山や朝日連峰まで眺望できる日もある。初夏の風が吹き抜けていく。とても贅沢な気分が味わるのに、混雑することもないのだという。

快適なもの。気持ちのいいもの。美味しいもの。

山形ならそれらにすぐ手が届く。齊藤さんと話すうちに、それがとても素敵なことだと思えてきた。

Profile

齊藤敏明さん

出身 東京都
生年月日 1971年9月14日
URL http://www.facebook.com/toshiaki.saito1
趣味はやまがた、かな。

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