近年企業のDX化が進み、小・中・高でも情報・プログラミング教育が必修化されるなど、ITの技術・知識は私たちの生活にますますか欠かせないものになってきています。
”プログラミングができる”というのは素晴らしい技術のひとつですが、言われたことをする「コードを書く=作業する」だけではなく、
実際に身近な問題から「課題」を見つけ、自ら「解決」していくという、自発的に行動していける『総合的な力』を身につけていく事が大切になってきています。
現在、山形県内でも「シリコンバレーの現役エンジニア」からプログラミングを学び、たった半年で自分で課題を設定し、プログラミングを使って自主製作できるようになった高校生たちや、
中学生のうちから「アントレプレナーシップ(起業家精神)」を学び、山形にいながら「東京大学」で研究をしながら、(海外留学はせずに)「スタンフォード大学」の教育プログラムに参加して学んでいるという『スーパー高校1年生』が、自分たちの将来に向けて日々努力を重ねています!
今回は、そんな現役高校生たちの「今」をヤマガタ未来ラボ記者がインタビューしました◎
[目次]
高校生が学ぶ!シリコンバレーの講師が教える最先端の『プログラミングスクール』とは?
山形県立山形工業高等学校 2年生のみなさん
山形にいながら「東大・スタンフォード」のプログラムに参加する!現役高校生1年生の『はじめの一歩』
山形県立東桜学館中学校・高等学校 1年生 清水紘輔さん
1.高校生が学ぶ!シリコンバレーの講師が教える最先端の『プログラミングスクール』とは?
現在、山形大学で展開しているプログラミングスクール「スーパーエンジニアプログラミングスクール・Super Engineer Programing School(略称:SEPS)」を受講している山形県立山形工業高等学校2年生のみなさんに、お話を伺いました!
-今日はよろしくお願いします!みなさんは、SEPS(プログラミングスクール)でどんなことを学んでいるのですか?
プログラミングの書き方だけを学ぶと思っていたのですが、山形県の統計や天気など身近な事象の中からデータの扱い方を学ぶ「データサイエンス」や「アントレプレナーシップ(起業家精神)」の講義など、基礎から応用まで幅広く学んでいます。
-はじめてSEPSに参加してみて、どうでしたか?
学校でも基礎のプログラミングは習いますが、ここでは応用編で「Python」や今まで使ったことのない専門的な言語も使うので、最初は戸惑いもありました。
でも、シリコンバレーの講師の方が詳しく説明してくれるので、置いていかれることなく学ぶことが出来ました。「課題の設定」も自分たちで行うので、今は3月末に行われる成果発表会に向けて頑張っています!
SEPS:シリコンバレーの現役エンジニアと連携し、ITで社会課題を解決する『スーパーエンジニア※』を東北の地から養成することを目的に山形大学が行うプログラム。2021年山形県内の工業高校からスタートし、2022年現在は東北地方の全高校を対象にプログラムを展開している。
※スーパーエンジニア:設計から開発・運用の全行程を手掛けることができる技術者。
隔週土曜日の1時間、シリコンバレーと日本の時差を利用して、スーパーエンジニアが作成した学習コンテンツをオンランで事前学習してから講義に臨みます。
(みんな真剣にオンライン講義に参加しています)
-プログラミングを使って、どんな自主製作をしたのですか?
「ピアノの練習ができるリズムゲーム」を作りました。パソコンのキーボードをピアノの鍵盤に見立てて、上から落ちてくる「□」にタイミングを合わせてキーボードを押すと、音が出て曲が弾けるようなゲームです。
「松田とR.F.S.」チームは前期成果発表会にて『ピアノの練習ができる音ゲー』で優秀賞を受賞!
他にも、赤外線センサーに動物が反応したら音を出す「害獣撃退装置」や、動きを使って機器を操作する「ジェスチャーリモコン」など、様々なアイディアを実現するためにプログラミングを使って、実際にモノを動かしながら検証し学びを深めていきます。
-今後もプログラミングを使って、どんなことをしていきたいですか?
自分の身のまわりで困ったことがあったら、プログラミングを駆使して、課題を自分自身の手で解決していきたい。プログラミングを通していろんなものを作れるようになって、地元にも知識を生かせる仕事に就きたいです!
▶編集者コメント
プログラミングをはじめて、たった半年で自主製作できるようにもなれる・・!高校生たちの努力と吸収力、おそるべしです。身のまわりにある課題を『自分で解決できる力』というのは考え方や技術共に、とても大切な力ですね◎
今後のSEPSでは2024年年度から全国の高校へ展開、意欲のある生徒に『シリコンバレーでの実地研修』の機会提供も!気になる方は、HPより詳細をご確認ください。 (yamagata-u.ac.jp)
2.山形にいながら「東大・スタンフォード」のプログラムに参加する!現役高校1年生の『はじめの一歩』
山形県立東桜学館中学校・高等学校 1年 清水紘輔さん
-こんにちは!清水さんは学校の他にも、様々な活動をされていると伺いましたが・・?
はい、東京大学が実施している研究者養成プログラム「東京大学グローバルサイエンスキャンパス(UTokyoGSC)」 では、情報技術と教育の関係性を明らかにする『教育に先端技術を取り入れる効果』を研究していたり(山形県の学生では初参加!)
「Stanford-e Japan」では、スタンフォード大学の教授からすべて英語で『起業家精神・文化』などの講義を受け、オンラインディスカッションしたりと様々なことを学んでいます。
学内では「ESS(英語ディベート)部」に所属し、全国大会に出場しました。他は全国で開催されているコンペの出場や、昨年より「Litable」という『学生向け・コーチングサービス』をスタートさせて、山形大学のサポートを受けながら新社会人の方と一緒にビジネスを展開しています!
-このような活動を始めた、きっかけは何ですか?
中学2年生の時に「やまがたイノベーションキャンプ(※)」に参加しました。学生にとって学校生活では体験できない、かなり世界が広がる機会であると思いますし、それをきっかけに色んなことに対して”やってみる”という『情熱的に行動できるようになった』というところが、自分の中で大きく変わりました。
変わった要因としては、指導してくれる「メンターさんの情熱」や、”こんな人が世の中にいるんだ”というような、日常では会えないような方と出逢って、良い意味で『自分の持っていた固定観念が壊された』というのが大きかったと思います。
※やまがたイノベーションキャンプ:県内の18校84名の中高生が参加し、3泊4日合宿形式で開催されたビジネスプランコンテスト(2019年8月開催)。現役の起業家をはじめとするメンター(指導者)がアドバイスしながら、地域の抱える課題・活性化のビジネスアイディアを競いました。
おかげさまで現在Stanford-e Japanや東大で学ぶなど、そこに繋がった原点はイノベーションキャンプや山形大学EDGE-NEXTの体験であり、自分の持っていた熱を引き出してくれたと感じています。
(2020年イノベーションプログラムで清水さんは「優秀賞・VFA賞」を受賞、コロンビアビジネススクールのアジア大会にも出場!)
-大事にしている事や、これからの目標を教えてください!
思い立ったら吉日で、面白そうだと思ったことには参加するようにしています。『今に集中する』ということを大事にしていて、いつか将来”自分のやりたい事ができた時”の為に、今は自己研磨を重ねている段階です。
まだ高校生という安全圏にいるうちはいくらでも失敗できるので、一生懸命チャレンジすることや自分から外に出て情報を得ながら、社会に出る前にレジリエンスやグリット(立ち直る力・やり抜く力)等の非認知能力も養っていきたいと考えています。
与えられるだけじゃなく、自分から戦略的に動いて行くことや、自分を守りではなく攻めに徹して、時には潰されながらもまた挑戦する。
そうするといろんな経験ができて、みんながそういう意識を持つと山形県の競争率も上がっていくと思いますし、今のうちに失敗も糧にながら、貪欲に頑張っていきたいです!
▶編集者コメント
数年前はコンペに参加したこともなかった青年が、そこで自分の”得意”を見出し、今や全国・世界を舞台に自分のやりたいことや意見を表現している。そんな挑戦していく姿は、とても輝いて見えました。
清水さんのように戦略的に”目標設定”していくことに興味ある方は「Litable」でコーチングを体験してみるというのも良いですね◎(コーチング無料体験も!詳しくはHPをご参照ください) (litableofficial.wixsite.com)
どこで自分の可能性を拡げていく機会と出逢うかは、誰にもわかりません。今努力していること・挑戦していることはきっと、夢を形にしていく、自信や力になるはずです!
これから世界に羽ばたく高校生の躍進は、きっとこの先の未来も変えていくでしょう◎
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