前回、「何もない街・新庄」は、本当に何もないのでしょうか? で書いたように、「昔からあるもの”や“今を作っているもの”などを少しでも伝えることがしたい」「新庄で今を知り、今をつくるヒト」を紹介したいと考えたとき、最初に浮かんだのが、今回お話をお伺いした樋口修さんでした。

今回のやまがたで働く人

樋口 修さん(山形県新庄市出身)

樋口 修さん

樋口さんは新庄市で行政と市民の協働について活動される中で、若い人たちと一緒にモノづくりやイベント等を通じて街づくりをされています。

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私が地元に戻り、何かをしたくても、どうしていいか分からないと思っていたときに出会ったのが樋口さんでした。

そして、最初に言われたことは「一人で出来ないことは、みんなでやればいい」ということ。

地方を出る若者なら思うであろう、地元に帰っても友達や仲間がいない……。繋がりが無い中で、どうしていいか分からない……。そんな言葉を根っこからひっくり返してくれた、その力強い言葉に私は今も支えられ続けています。

私は樋口さんが今、どんな事を思うのかを聞いてみたくなり、その言葉を届けたいと思ったのです。

 

 

Q:kitokitoマルシェとか、若い人たちと一緒に“何かをしよう”と思ったのは、どうしてですか?


樋口さん:
まず初めに、今の自分があるのは、私の周りの人がいるお陰です。私が若い時も“一人では何も出来ない”という思いがあり、やりたくても空回りするばかりでした。

30代は仕事に没頭し、朝6時から深夜12時までという生活を10年間過ごしました。子供のことも女房に任せきりでした。だから、今の私の周りのパパたちは本当にすごいですね。家庭と夢、社会貢献を両立しています。仕事は社会貢献ではなく、社会参加の一つであり、社会貢献が出来なくて大人とは言えない気がし続けています。

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私は今、30代のあの時を取り戻すかのように、若い人たちと活動をさせていただいています。何年か前から声を掛けていただいて、行政と市民との協働について、これからの街づくりについてなど、役をおおせつかり、様々な経験をさせていただきました。市民からの要望、行政のたてまえなど、バランスが大事だということも教えていただきました。

そんな中で“この街に生きてく人たちが、楽しくなれる街をみんなでつくっていくこと。”新庄には何もないのではなく、何もしないのだと気づきました。頑張っている人の足を引っ張ったりするような街の雰囲気がある中で、自分がしていることを応援している人がいる限り前を向いて進むことだと。

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【新庄市エコロジーガーデン、毎月第3日曜に開催“kitokitoMARCHE”にて】

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Q:これからも街づくりを続け、一つ一つを実現していくためには、どんな事が大切だと思いますか?


樋口さん:
まず大前提に、街は市民がつくっているということです。みんなで小さな声を集め、大きな声にしていくこと。

みんなが楽しい顔で集い時間を共有しているところへ、他所からお客さんがやってきて、新しい考えやら、行動のきっかけが生まれて、いろんな分野、ステージで楽しいことが生まれることが大切だと思っています。

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ちょっとだけ大人の考えを、今のパワーある若い人たちへアドバイスが出来る存在でいたいと思っています。私を利用し楽しいことが実現するなら、力になります。まだまだじじぃには、なれませんね!!

 

Q:地元で“何かしたいと思っている”人たちへ、いま伝えたいこととは?

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樋口さん:“人は人で豊かになり、成長する”ということだと思います。楽しいこと、周りが笑顔になれることを探していたら、いつの間にか色々な人が集まり、気持ちが豊かになっていく。人が人を育み導く、誰が先導者とかではなく道を進みはじめる、この山の先には、きっとみんなが笑顔になれる景色が広がっていると信じています。

「みんなで山を越えでみねが? 一歩踏み出すぞ!」

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【木工ワークショップは、小さな子供たちにも大人気!】

 


笑顔が笑顔を呼ぶのでしょうか――。
いつも屈託のない少年のような笑顔で、若い人たちの輪の中心にいる樋口さん。「一人で出来ないことは、みんなでやればいい」その一言がキッカケで、繋がりはじめている輪がここにはあります。

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樋口さん自身がそう思い続けた中にふと出た言葉。「自分が若いころに出来なかった事を、今の若い人に実現出来る場を作ること。大人になった自分がそれをやっていこうと思ったんだ。」私は、何かを出来る自信がなくとも、大きなことは出来なくとも信じる価値のある言葉であると感動したことを覚えています。

樋口さんの言うとおり、都市部だから出来ること、地方だから出来ないと思い込むその前に、踏み出そうとするその一歩は、自分次第で答えが変わるものなのかもしれません。

Profile

樋口 修さんさん

山形県新庄市生まれ。建築を勉強するため高校を卒業後、東京へ上京。2年後、地元企業に就職し、営業職に従事。25歳から本格的に建築の世界にのめり込み1級施工監理士となる。現在は市立保育所にて子供たちと関わりながら日々を過ごす。またその技術と知識で、子供たちのみならず、若者に囲まれながら、様々な地域の取り組みの中で新庄市のリーダー的存在である。

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この記事を書いた人

安彦 栄美

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