こんにちは。学生記者のNarumiです。

夏季スポーツもオフシーズンを迎えつつありますね。私は先日、応援していた野球選手のチーム移籍を聞き、写真や応援タオルを眺めながら悲しみに暮れています……。

このような「何かを失った/失うかもしれない悲しみ」=「ロス」、みなさんはどうやって癒やしていますか?

「テレビの前で熱狂したラグビーワールドカップが終わってしまった……」

「長年応援していたアイドルが卒業を発表した……」

こんな気持ちと向き合うためのカードゲームを、東北芸術工科大学の学生と山形の墓石メーカー・株式会社ナイガイが共同で開発したとのこと!メディアでも多数取り上げられ話題となっています。

私と同世代の大学生がどうやって商品開発に取り組んできたのか、インタビューしてきました。

 

体験レポート〜ロス・供養を考えるカードゲーム「ぴりか」

株式会社ナイガイが運営する『終活カフェ Cafe’ SHI:KI』に10月28日、学生や冠婚葬祭に関わる企業、終活セミナーの講師らが続々集まってきました。

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開催されたのは、「悲しい気持ち」や「捨てられないもの」など供養したいモノ・コトを供養するカードゲーム「ぴりか」の発売前体験会。

「ぴりか」とは、それぞれの悲しみや悩みに「ピリオドを打つカード」の意です。

ロスを考える場にもかかわらず、会場には笑顔があふれています。

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遊び方は簡単。5−6人のグループで、1人がオーナーになって一緒に解消方法を考えてもらいたいロスについて話します。

「通っていたラーメン屋が閉店してしまう」「今朝買った卵を落として割ってしまった…」など、ロスの大小に関わらず、話したいことならなんでもOK。

その後、3枚ずつ配られるカードに書かれた供養の手段を使って、一人一人気持ちを癒やす方法を提案していきます。カードに書かれた手段は、本格的な供養方法から手軽にできるものまでさまざまです。例えば、

  • お焚き上げをする
  • 宇宙葬・バルーン葬をする
  • 友達と話す
  • 時間に任せる
  • パレードをする

など全52種類。

カードを配られたメンバーは、手に入れたカードから想像をふくらませて、ロスの解消方法を提案します。カードに書かれた手段を元に考えることで、自分の頭の中だけでは出てこない新たなアイデアが生まれていきます。

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最後に、アドバイスを基にどう行動するかを悩みの主が宣言し、ターンは終了。勝敗は決めず、誰の意見も否定せずに考えを共有することが大事にされています。

参加者からは「とても楽しい!」「ぜひうちのセミナーでも使ってみたい」との声が上がっていました。

11月14日には記者会見を開き、ついに販売を開始!テレビや新聞にもその模様が取り上げられ、話題となっています。

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ぴりか記者発表会_191114_0061▲インタビューに答えるぴりかプロデューサーの菊池みなとさん

 

「ぴりか」プロデューサーに聞いてきました

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卒業制作としてこのカードゲームの開発に取り組んだのは、東北芸術工科大学4年の菊池みなとさん。(ヤマガタ未来Lab.学生記者としても活動しています!)

菊池さんが在籍する企画構想学科では4年間の学びの集大成として一人一人がテーマを決め、社会課題を解決する企画に取り組みます。

卒業制作を意識し始めてから、菊池さんが取り組みたいテーマとして浮かんでいたのは「大切な人をなくした悲しみや後悔を和らげることができないか」というものでした。高校2年生のときに、母親を病気でなくした菊池さん。もっと自分にできることがあったのではないか、どうすればよかったのか。その苦しみをやわらげる一つの手段が「供養」ではないかと考えたといいます。

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供養について検討する中で菊池さんが直面した課題は、供養に対する同世代の認識。

「怖い」「重い」「よく分からない」。同世代の供養に対する暗いイメージを耳にした菊池さん。

供養ってそんなに難しいものなのだろうか? 今風に言えば「ロス」を解消していくことであって、誰もが乗り越えてきているのではないか?と、供養を再定義しイメージを変えていく「リ・デザイン」に取り組むことを決意しました。

菊池さんのそんな思いに、山形の墓石メーカーである株式会社ナイガイも共感。

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終活カフェの運営や供養商品の開発など、これまでにない終活事業に力を入れているナイガイ。米本泰社長によると、若い人にとっても重大な出来事になり得る近親者の死と供養ですが、「供養は暗いもの・自分には関係がないもの」とイメージしがちな若者へのアプローチ方法は業界全体の課題となっていました。そうした米本社長の思いと、菊池さんの思いがリンクして、共同開発が進んでいくこととなりました。

ここから菊池さんは一人の学生として、抱える課題をどのように「ぴりか」という形に昇華させていったのでしょうか。

活動を広げていく過程には、3つのポイントがありました。

ポイント①現状を知り、積極的に学ぶ!

「供養を若い世代にも身近なものに」という熱い思いはあったものの、供養の現状や背景となる宗教について深い知識があるわけではなかったという菊池さん。企画を実行するために、業界のことを知ろうと積極的に行動しました。

最新の供養事情に詳しいナイガイ社員に話を聞いたり、東京ビッグサイトで開催されるエンディング産業の展示会や供養関連のイベントに参加してみたり。「できる限り現場に足を運んでリアルな情報収集を心掛けていたそうです。

69022897_365488854118632_339463275794137088_n▲展示会で「ぴりか」発売告知をする菊池さん(右)と、ナイガイ米本社長

人や情報に出会うチャンスを逃さず、自分の手でつかんでいく。

ここでの出会いは、後の商品開発・広報につながっています。

ポイント②未知の領域にもチャレンジ!

供養の学びを深めながら、いざ商品開発。

最初のアイデア出しでは、お墓参りのリデザイン、お骨を自宅に保存したり身に付けたりできる「手元供養」の商品、供養マルシェなどさまざまな路線を考えていたといいます。しかし自分が開発に関わるものとして「個人的にあまりピンとくるものがなかった」と菊池さん。

contents_95_1567581089▲ナイガイが製造している”持ち運べるお墓”「掌(たなごころ)」。こうした手元供養の商品は、業界内ですでに多数開発されていた

アウトプットをどんな形にするか。迷いながら続けていたナイガイとの話し合いの中であるとき、「せっかくなら未開拓の領域にチャレンジしてみよう!」と方向性をがらっと変えたのだといいます。

「アイデアを出し合う中で『供養のアナログゲームって、ありそうでないよね?』という話題になって。どんな形になるか想像ができませんでしたが、供養を気軽に話し合うきっかけづくりとしては面白いかもしれない!とチャレンジすることになったんです

今までにないもの、想像すらできないものを作るという柔らかい思考での議論が、「供養・ロスのカードゲーム」という楽しい発想につながりました。

ポイント③周りの人を巻き込む!

この商品開発において、菊池さんの立場は「プロデューサー」。

実は共同開発に取り組んだナイガイ以外にも、菊池さんの熱意に賛同したたくさんの人が製作に関わっています。

  • キャラクター「ぴりかちゃん」のデザイナー(菊池さんの同級生)
  • 「ぴりか」ロゴデザイナー(菊池さんの同級生)
  • 供養に関するアンケート(学生、社会人など100人)
  • 商品プロトタイプの体験(30人)
  • 僧侶・福祉関係者との意見交換会

 

さらに発売開始以降も「ぴりか」の輪を広げようと、さまざまなコミュニティー・場所で「ぴりかふぇ(ぴりか×かふぇ)」を開催予定。

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そんな菊池さんを見守っていたナイガイ・米本社長は、「ぴりか」の展開のスピード感を目にしてこう話しています。

「学科内のネットワークをフル活用しながら、開発やPRをどんどんと展開してくれました。ナイガイの担当メンバーも呼応するようにノリが加速して、サイト作成やカードの製品化まで一気に進んじゃったなあと驚いています。良いチームってこういうのだよなぁと思いながら見てましたが、すべて最大の功労者は菊池さんですね」

自分が苦手なことは、得意な人に任せる」と笑う菊池さんは、広い世界を見据え、人を巻き込みながらプロジェクトを推進する熱量を持っていました。

「ぴりか」の物語は始まったばかり

11月に発売開始した「ぴりか」。さっそく多数の地元メディアに取り上げられ、取材にも引っ張りだこの菊池さん。

「供養の卒業制作をやりたいという自分の想いから、こうして形になったことがとても嬉しいです。これからのぴりかの物語を、ぜひ楽しみにしていてください」

今後の菊池さんの活躍と、「ぴりか」の展開に期待です。

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〇商品詳細
11月14日(木)販売開始
【商品名】ロス・供養コミュニケーションカード「ぴりか」
【商品内容】カード54枚(カラー52枚、白2枚)
【販売価格】1箱 1650円(税込み)
【販売方法】終活情報サイトhaka-life/ぴりか公式ウェブサイト でのネット販売

 

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ヤマガタ未来ラボ学生記者

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ヤマガタ未来ラボ学生記者

山形県内在住の4人の学生が活動中。学生目線で、山形のイケてる情報を届けたい!山形に関わる大学生に、山形っていいじゃん!って思ってもらいた...