喜び、やりがいを感じる日もあれば、無力感に襲われ、切なくなる日もあるけれど、毎日続いていく『働く日々』。そんな、私たちの毎日の「働く」を応援する本を、山形在住ブックコーディネーターのえりさんがご紹介します。

今日の1冊『若者たちはヤマガタで何を企てているか?』~ポスト3・11の小さな革命者たちの記録~

滝口克典 著

出版:書肆犀(しょしさい)

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「山形には面白いものがない」「山形はつまらない」と感じて山形を飛び出す若者は多い。私もその一人だった。訳あって山形にUターンして5年目…今、山形生活がとても楽しい。

 

なぜ?

Uターンしてからの5年間で、面白いヒト・モノ・コトは探せば山形には豊富にある、ということがわかってきた。面白いものがなければ作ればよい、ということも。

 

昔の自分に教えてあげたい。山形のような一見「何もなくつまらない」地方で生活を楽しむのに大切なのは、「人と出会ってゆるくつながること」。そして、職場でも家庭でもない、自分の「サードプレイスを持つこと」だ。

 

この本は改めてこれらのことに気づく機会を与えてくれた。

 

著者は、若者支援NPO「ぷらっとほーむ」運営のかたわら、若者支援・居場所・市民活動などをテーマとした調査・研究を行なっている滝口克典さん。本書は山形新聞に月1回連載されていたコラム・「ヤマガタ青春群像」(2013~2017)を編集したものだ。

 

山形県内各地の50人の若者たちの活動の記録集、「生き方サンプル」ともいえる本書。

50人分もあるのだから、かなり充実している。これほど山形県内の「人」にフォーカスした本は今までに無いのではないか。

 

掲載された若者の考え方や生き方は、みんな違って、みんないい。一人ひとりのパワーをもらうかのように、読んだ後には元気が出てきた。

 

私は、山形市内でお気に入りの本を紹介しあう、「読書会」という活動していて、実は本書に掲載されている。

当時新聞のコラムの文章を読んだときは驚いた。

活動している本人さえも気づいていない活動の価値、社会的背景における自分の活動の位置みたいなもの、まで丁寧に深く考察・記載されていたからだ。活動にこんな意義もあったんだなあ、と興味深かった。

 

掲載されている50人の活動に共通するのは、手段や目的は違っても「緩く、小さく、弱く」「人と人とを繋げている」こと。

 

活動に参加してもいいし、同じような活動を始めてみてもいい。50人に会いに行くこともできる。

 

自分のヤマガタでの生き方を考える、勇気をもらう、参加する、出会う、生み出す…――

読めばヤマガタでのあなたの生き方に多くの可能性を与えてくれる本になるはずです。

おすすめします!

 

取扱書店:八文字屋、こまつ書店、戸田書店山形店、大山かみや(村山市)、おあしす(山辺町ベル内)

 

 

●山形読書会 ~Yamagata Reading Club~

ブックコーディネーター エリさんが主催する読書会はこちらからどうぞ。

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