喜び、やりがいを感じる日もあれば、無力感に襲われ、切なくなる日もあるけれど、毎日続いていく『働く日々』。

そんな、私たちの毎日の「働く」を応援する本を、山形在住ブックコーディネーターのえりさん(山形読書会主宰)がご紹介します。

 

今日の1冊『裸でも生きる―25歳女性起業家の号泣戦記

山口絵里子 著

出版:講談社

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仕事をしていれば、苦しいことや、イヤになること、辛いことなど、困難はつきもの。「何のためにこの仕事をしてるんだっけ」と迷うこともあるでしょう。そんな時に勇気をもらえるであろう熱々の本を今回はご紹介します。

 

「君はなんでそんなに幸せな環境にいるのに、やりたいことをやらないんだ?」

帯の言葉が強烈に訴えかけてくる一冊…『裸でも生きる』。

 

著者は、途上国バングラディシュ発のブランド「マザーハウス」を立ち上げた山口絵里子さん。彼女がブランドを立ち上げ軌道に乗せるまでの道のりが、小学校時代のエピソードから綴られていきます。

 

その道のりがはじめからかなり壮絶なのです…。

 

小学校時代はイジメにあい、その反動で中学校では非行に走る。高校では強くなりたいとの思いから「男子柔道部」に自ら飛び込み、女子柔道で日本のトップクラスに。男子選手の中で一人、過酷な練習に耐え努力を続ける。

部活引退後は日本の教育を変える政治家を志し、偏差値40から受験勉強3ヶ月で慶応大学に合格。大学入学後も連日深夜まで猛勉強。留学先でもそれを継続し、ついには鬱病を患い強制帰国。

(まだ、話は会社立ち上げにも至っていないのですが、ここまででも、彼女はかなりの努力家であることがわかると思います。)

そこで彼女が気づいたのは、「努力して一番にならなければ意味がない」のではなく、「誰とも競争しないで自由に生きていい、私の人生は私のもの」ということでした。

 

その後、彼女はワシントンの国際機関でインターン、途上国援助に携わる。「現場を実際に見ることが大事」と感じ、アジア最貧国バングラディシュに渡り日本人初の大学院生に。必要なのは施しではなく先進国との対等な経済活動、という理念を持って起業を決意。ジュート(麻)を使った高品質バッグを現地で生産・輸入販売する「株式会社マザーハウス」を設立する。

 

帯に「号泣戦記」とあるのですが、そこから事業を軌道に乗せるまでの道のりも、まさに「戦い」であり、苦難の連続です。国の状況の悪さ・洪水・汚職・夢を見られない子供たちの描写に、読んでいるこちらも希望を失いそうになります。環境のせいにして逃げてしまいたくなるような事件が何度も起こります。

 

山あり谷ありの本書の中でも一番ショッキングなのは、信頼していた人々からの裏切られる場面です。信頼していた人々に騙され、もぬけの殻になった工場で涙を流し落ち込む彼女…。(騙す人々も、生きるのに必死なだけなのです。それがわかるから、なおさら辛い。)

もうあきらめようとした時、彼女は昔書いていたノートを開き、自分の「信念」を思い出します。

 

そこからまた動き出す姿にはとても感動させられます。そしてとても勇気がもらえます。

 

なぜこの本は読むと、勇気が湧いてくるのか…?

それは、よくある努力→成功の単純な話ではないからです。

 

努力とその成果については、①「努力して成功する」②「努力しても失敗する」③「努力しないで成功する」④「努力しないで失敗する」の4種類がありますが、本書は圧倒的に②が描かれています。

 

「努力しても失敗してしまう」結果になった時にこそ、見えてくることがあるということ。

また、やり方によってはパワーアップしていける可能性があるということを、本書はこれでもか!と教えてくれます。

 

そして何より、困難な状況に陥った時、勇気を持って次に踏み出すための道標は、仕事における「信念」だ、ということ。

 

~あなたは、自分の仕事によってまわりがどのように変化したら嬉しいでしょうか??~

~あなたは、○○のために仕事をする!という志・目標・情熱がありますか??~

 

「自分が何のために仕事をしているのか」ということにおいて信じていること。それが「信念」。

この本はそれを、思い出させたり、考えさせたり、再確認させたりするきっかけになるはずです。

 

感動とそしてもらえる勇気の熱量が本当に素晴らしい本です。おすすめします!!

 

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