いよいよ始まりました!【山姥RPG】橋本 蕗(@fuki_butterbur)です。
▲適当に設定が行われました。8割方ノンフィクションです。
ちなみに、私はとても厳しい家庭(TVはNHK以外NG、漫画NG、ゲームNG、マクドナルドNG)
で育ったので、ゲームに全く詳しくありません。
そんな私が唯一、20年近くプレイしているゲーム
(親に隠れて友達の家でプレイ→大人になって購入してプレイ)
を参考にこの【山姥RPG】を組み立てました。
これを読んでいるあなたは、「あのゲームかな?」と想像しながらプレイして貰えたら嬉しいです。
始まりの日…
▲雪の重みで木が倒れ、道路も一部寸断されていた2013年12月14日
そんな大雪で最悪のコンディションの朝日町に、
生まれた時からどつきあう関係の幼馴染が埼玉県から遊びに来ました。
スニーカーでは歩くこともままならず、町を探検しようにもどこにも行くことができないような状況の私たち…
(途中コメリで冬用長靴買いました)
面接の時にお世話になったハチ蜜の森キャンドル
そこで思う存分キャンドルづくり体験をした後、代表の安藤竜二さんに
「今日、朝日町で夕御飯を食べるならどこがおすすめですか?」
と聞きました。
蕗「え?話がつまらなくなってきた?…もうちょっとだけ読んであげてください」
すると竜二さんは、私が聞いたことの無い店を勧めてきました。
竜二さん 「今の時期なら【やきとり柳川】だべ」
蕗 「やきとり柳川?朝日町にある店ですか?」
竜二さん 「もちろん!知らないのかい?すっぽこ鍋とトビタケ天ぷらが最高だよ!行ってみ!」
そんなわけで、【やきとり】という店の名前なのに、
おすすめは謎の【すっぽこ】と【トビタケ】
という不思議なやきとり柳川に行ってみることにしたのです。
▲何やら怪しげな光を放つ「やきとり柳川」
外からは、怪しげな赤ちょうちん…
店内は、昭和初期!?と思うような、古い感じの作り…
▲店内に入るとゴウゴウと燃える薪ストーブに迎えられる
こんな店があるのか!と驚きつつ、安藤竜二さんに言われた【すっぽこ鍋】と【トビタケ天ぷら】を注文します。
▲すっぽこ鍋
店のご主人いわく、朝日町近辺では「色んな具材が入った汁ウドン」を「すっぽこ」と呼ぶらしく
それを柳川では「ご主人が採取してきた色んなキノコが入った汁ウドン」で「すっぽこ鍋」として
提供しているということでした。
▲トビタケ天ぷら
「とんび茸」「トンビマイタケ」と言ったりしますが、これがものすごく美味しいんです。
東京から来た友人は
「これ、めちゃくちゃ美味しいんだけどなんの肉?」
と聞いてきたぐらい今まで食べたことの無い美味でした。
さて、この店ではこういったご主人が近辺の山(朝日連峰等)から採取したキノコや山菜、タケノコ
といった季節料理がシーズンごとに味わえるのですが
値段はめちゃめちゃ安い!!そしてものすごいサービス!!
この日は
・すっぽこ鍋(ウドンと餅が入っていた)
・トビタケ天ぷら
・ビール等のお酒
でお腹も満腹になり帰ろうとした私たちに、料理を作っているママさんから
・お酒のサービス
・おみ漬納豆
・おしるこ
・干し柿
と次から次へとサービスされ、もはやお腹は破裂寸前。
その上、私たちは歩いて5分の家に帰るのに、ご主人が送っていってくれ、
「この距離で料金なんかもらえるか!!」
と言って、私からお金を受け取ろうとせず、大雪の中を歩いて帰って行ったのです。
ちなみにお会計は2人で4000円もいかず驚愕!!
その後、私は東京から友人が来る度に、やきとり柳川に連れて行くようになりました。
※しかしやきとりを注文したことはほとんどありません(笑)
そうして通っていくうちに、だんだんお店のマスター、ママ両方に気に入られるようになり
「大きいキノコ採ってきたから写真撮って」
「山小屋にいる人にお土産持っていって」
「代行運転手伝って」
等、色々頼まれごとをされるようになりました。
そうして一緒にご飯を食べたり、温泉に行ったりするようになってきたある日、ご主人が言いだしたのです。
ご主人 「橋本さん、来年、一緒に筍採りにいくべ」
▲急にそんなこと言われても困っちゃいます。
私は柳川のマスターに
「3年間の協力隊の任期が終わったら朝日町を出て行く」
と公言していたので「なんでそんなこと言うのだろう…」と不思議に思いました。
でも良く考えてみたら私が山形でしたかったことは、
「山の恵みや自然の恵みを頂きながら先人の知恵を生かした暮らしをする」
ということだったし、それもありかと薄ぼんやり思ったのでした。
「結婚式っていうかハロウィンじゃないのか!」という意見もあるかと思いますが、
新郎・新婦の意向で全員仮装(新郎・新婦も)での結婚式でした。
※真ん中にいるウサギが私です。
その東京での、一週間ほどのショートトリップの中で私が東京を離れるキッカケを作ったミュージシャンおじさんに、柳川のマスターの話をしてみた所
「それは絶対にやった方がいい!山菜とか、キノコとか図鑑を見てもなかなか分からないし毒もあるから難しい領域で、それを判別できる人はこれから格段に減ってくる。それを教えてくれるっていうのはものすごいスキルを学べるってことだよ」
それを聞いて私の意識は一気に変わりました。
「そうか、そんなこと教えるって言われること自体ものすごく珍しいし、
何よりライバルも少ない(はずだ)
私はギリギリ生活出来ればいいし、このチャンスにかけてみるのもありか。」
柳川のご主人の中では、
「10年もののマイタケが採れた、10年後は登れないかもしれないから採れないかもしれない、
それなら誰かに今まで覚えた色んなことを教えたい」
そんな気持ちが芽生えていたそうです。
※マイタケは毎年生えるものもあれば隔年、7年、10年に一度生えるものもあり
それによってサイズが違うそうで、マスターはそれを全て覚えているそうです。
春は山菜採り、夏は月山筍採り、秋はキノコ採り、冬は雪下ろし
他にも仕事を掛け持ちし、山の運転代行等も行う私の山の師匠…
(まさにお百姓というか、百の仕事を持つ男…)
蕗「ところで、その仕事ってなんて名前なんでしょう?」
私には、「マタギ」を目指す!「農家」を目指す!等の目指す名前、
人に説明するための名前がありませんでした。
そこで、様々な人に相談した結果
「山姥」でいこう!
となったのです。
「山姥(やまんば)」…最初、抵抗がありました。
私は、独身・20代。
なぜ、そんな人を食うような恐ろしいお婆さんのイメージを勧められるのか…
でも、「山姥」を勧めてきた人は言ったのです。
「山姥って、恐ろしいイメージが浸透してるけど、山の巫女だったり、座敷わらしだったり、神の使いをしたり、人間に福を与えたりする存在っていう部分もある。蕗ちゃんが山姥を目指すっていうことでそのイメージを広げていったらどうかな?」
※詳しくはリンク先に山姥のこと色々載ってますので興味のある方どうぞ。
なんかうまくだまされた気もしましたが、「山姥」を目指す方向でいこう、
そう思い始めたある日、私に危機が訪れます。
▲山形での2度目の冬、雪の壁に突っ込み車が動かなくなりました。
「2年目の油断」と様々な方に言われましたが、本当に押しても、引いても、掘っても車が動かず、
通りすがりのお兄さんに牽引ロープで引っ張ってもらいやっとのことで雪の壁から脱出したのでした。
ちなみにその日前後には、山形と仙台をつなぐ仙山線も大雪の影響で、
7時間乗客が閉じ込められたというニュースがあり、私は
「雪国での生活は本当にデンジャー(危険)」
「間違ったら(スリップでぶつかる等)、死ぬ可能性すらある。」
↓
「じゃあ、もう諦めて、これは『春まで生きてるかゲーム』だと思って楽しむしか無い!」
と考えました。
この発想が「山姥RPG」に繋がったのです。
私は、大学卒業後、新卒で入社した企業で一日18時間ぐらい働き、過労で体を壊し退職しました。
しばらく、色んなアルバイトをした後、今度はそんなに忙しくなさそうな安定企業に就職した
つもりでしたが、東日本大震災以降の不況等の影響でリストラされました。
大学を出て、会社で働いて、結婚して、出産して…
「当たり前」だと思っていた生活はなかなか私の手には入らない…
ならば…もういい!!
「私の人生は実験に使おう!」
「私の人生をゲームとして扱って、そのゲームがグッドエンディングか、
ゲームオーバーか見届けてもらおう!」
「それが山姥RPGだ!」
↑
長くなりましたが、これが山姥RPGの経緯でした。
私には「山形で実現したいこと」があり、それを実現できれば
「我が人生に悔いなし!」という気分です。
でも、大した能力もない私には壮大な話なので、沢山の人が関わって欲しい。
「山姥RPGを見てくれている人が、いつか私の夢に関わる人たちになっていって欲しい」
人生をかけるのは怖いことだと感じました。
今も怖くて、震えたりする日もあります。
だからどうか、どうかこれからも、宜しくお願いします。
さあ、山姥RPG、〜都会人の旅立ち〜
クリアまであと5つの経験値が必要です。
プレイヤーを見かけたら(ネット上でも)、声をかけてやって下さいね。
プレイヤーが生きるか死ぬかは、あなた次第ですよ。
次回予告:山姥RPG、始まりの夜 〜蕗ナイト〜
▲村山市にあるこめやかたゲストハウスで5月6日に開催された蕗Night
段取り8割と知っていながら、ほぼ段取りなしでイベント開催する無謀さで始まった蕗Night
しかし、想像以上に
「凄く良かった!」
「またイベントやって欲しい!」
「初めての経験だった」
というお客さんたちからの声があがりました。
蕗Night、行きたかったけど予定が合わなかった…
そんな嬉しい声も頂いたので、次回は蕗Nightがどんな風だったのか、
蕗Nightでお話したことをお伝えしたいと思います。
NextRideもお楽しみに!