こんにちは。

東京在住で現在Uターンを検討中であるサラリーマン、大泉です(山形市出身)。

みなさんは、山形新幹線を利用されますか?

 

時に、雨・雪・風等の自然条件や野生動物(シカとか)との衝突等の影響により運休・遅延が発生し、福島〜山形間は在来線の線路で走っているので、時に「ミニ新幹線」と呼ばれることもある私たちの愛すべき「つばさ」。

そんな、課題を現在抱えている山形新幹線の福島~米沢間に全長約23㎞の「米沢トンネル(仮称)」を作ろうという計画があることをご存じでしょうか?

なんと、「米沢トンネル(仮称)」が出来ると、

・福島~米沢間の安全性・安定性が格段に向上
・時速200km以上の高速走行も可能な緩やかなカーブのトンネルのため、10分強のスピードアップにつながるんだそう。

さらに

・政府の基本計画に位置づけられている「奥羽新幹線」の整備が実現すると東京へ山形からは1時間台で到着することが可能

だそうです。

 

「東京↔山形間の移動時間が短縮されたら、都内にいる価値は今ほど無くなる?」

「夢の2拠点生活がより現実的になる?」など、

私も自分の今後を想像する機会になりました。多くの人々の人生に影響を与えそうですよね。

このプロジェクトの早期実現のためには、山形県の関係者が一緒になって取り組んでいく必要があることから、山形県知事を会長として、山形県奥羽・羽越新幹線整備実現同盟という組織を立ち上げ、平成28年から毎年、機運醸成のための啓発活動を行っているのだそう。

今年度は、山形新幹線を使ってどのように地域を盛り上げていくかを考える、”アンド山形新幹線にぎわい会議”を開催するということで、大泉にも参加招集のお知らせが来ましたので、Uターン検討者=イチ新幹線ユーザーとして参加して来ました!

その模様をレポートします。

 

アンド山形新幹線にぎわい会議 概要

実施背景

東北を走る新幹線の乗車時間を確認すると、青森は山形よりも354Kmも遠いのにも関わらず、乗車時間は大きく変わりません。(正確には山形-東京間:146分、青森-東京間178分)

また、山形新幹線は、雨・雪・風などの自然条件や、野生動物との衝突などで、運休・遅延が発生しています。

 

米沢トンネルの整備は、山形新幹線の安定性や速達性の向上につながるとともに、奥羽新幹線の早期実現に向けた足掛かりとなる重要なプロジェクトであるため、山形県とJR東日本は米沢トンネル整備計画の推進に関する覚書を令和4年10月に締結し、事業化に向けた取り組みを本格的に開始しています。

実現はまだ先ではありますが、トンネルの整備効果を高めるためには新幹線沿線のみならず、山形県内の鉄道ネットワーク全域にわたって、沿線の活性化、人流の拡大に取り組むことが必要になってきます。

▼参照
奥羽・羽越新幹線について
https://www.ou-uetsu-shinkansen.jp/

開催日程

令和4年12月10日(土) 赤湯発 14:35~   ※フラワー長井線貸切車内

 

会議の会場は、婚活・落語・プロレスも出来るローカル鉄道「フラワー長井線」

今回の会議の会場となったのは、赤湯駅から発車するフラワー長井線(運営:山形鉄道)。

なんとこのローカル線、車両を貸切ることができるんです!!これまでに、プロレス列車、スイーツ列車、婚活イベントや落語イベントなどが、車両を貸し切って行われてきました。

今回の”アンド山形新幹線にぎわい会議”は、鉄道がテーマということで、会議も電車の中で行いました!

そんなユニークな環境の甲斐もあってか、参加者の山形愛を感じられ、新幹線や鉄道の新たな価値を見出せる時間となった会議の模様をお伝えいたします。

△乗車前の会議参加メンバー。ベージュのコートが大泉。

 

いろんなジャンルの会議参加者のみなさん

ファシリテーター


田中麻衣子さん/株式会社キャリアクリエイト コーディネーター

 

 

山辺町出身。山形に想いがある人と地域・企業をつなぐWEBサイト「ヤマガタ未来ラボ」を立ち上げ、働く人を紹介する山形仕事図鑑やインターン・転職情報を掲載。2019年には学生と企業をつなぐ「ヤマガタ仕事ラボ」を立ち上げ、学生の就活相談に乗るなど、人と地域・企業を繋ぐコーディネートを行っている。

参加者


新庄市/吉野優美さん

 

 

東京都出身。父親の実家がある新庄市と首都圏を行き来しながら様々なプロジェクトにソーシャルデザイナーとして携わり、その後、新庄市地域おこし協力隊員となって新庄市に移住。新庄駅前のコワーキングスペース GOSALOn の立ち上げに関わる。現在「最上のくらし舎」代表理事として「空き家活用」を軸にした、地域の「担い手づくり」と「情報発信」に携わる。Yamagata yori-i project メンバー

 

 

村山市/末永玲於さん

 

 

富山県出身。2019 年より村山市を中心に「関係人口創出」事業に携わり、2020 年10 月に移住。在学中に起業。カフェ&間貸&簡易宿泊拠点「Co-CreatingLounge&Share House『KIWA』」を 2022 年 3 月に開業。ローカルインキュベート代表取締役社長。Yamagata yori-i project メンバー

 


庄内町/佐藤裕太さん

 

 

庄内町出身、庄内町在住。山形大学農学部卒業後、祖父から経営移譲し5代目農家として水稲栽培を主軸に農業経営に励む。担い手不足・農業従事者の高齢化などの課題に向き合いながら「庄内平野を枯らさない」を使命に活動。その一環で地元庄内町の空き家を改修し、ゲストハウス「mokkehouse」を運営。


東京都/大泉和佳子(筆者)

 

 

山形市出身。2015 年楽天グループ株式会社に入社。関西、東北で楽天市場への出店営業の経験の後、楽天大学で成功ノウハウを基にした講座制作と講師業を担当。全国の楽天市場出店事業者と触れ合う中で地方の魅力を再認識し、現在は山形への U ターンを検討中。(東京都在住)

 

米沢市釜田正道さん

 

 

米沢市出身、米沢育ち、米沢在住。(株)データシステム米沢の営業部係長を経て、脱彩堂を起業。天元台×白布リボーン協議会の事務局運営、COGO Works の運営サポート

 

アンド山形新幹線にぎわい会議の内容

会議のテーマ:山形新幹線&「      」

会議は、訪れる人(県外)と受け入れる人(県内)、それぞれの視点を織り交ぜながら、

山形新幹線と“何か”をかけ合わせることで、山形新幹線の利用拡大や、その旅客流動の波及による地域のにぎわいの創出につながるような具体的なアイデアをフリップで発表し、意見交換をするというスタイルです。

地域づくりなど様々な活動や産業に従事し活躍している社会人の若者が集まり意見を持ち寄ったことにより、実際の経験から見える地域課題等を踏まえた活発的な会議の場にすることができました。

会議内で出たアイデア例 ※一部抜粋

※当日は、「 」のキーワードをフリップに書き発表していきました。

山形新幹線&「     」  

‐まちを1つの宿と見立てておもてなしをする「ALLまち宿」

‐宿泊施設やアクティビティ、飲食などが1パッケージになっている「オールインクルーシブ」

‐メジャーなものではなく、地元民が知るものでもてなす「裏山形」

‐体験よりももっと地元に浸かる「修行」

‐照明オフ×癒しBGM×お香でリラックスする新幹線の「真っ暗運行」

‐山形に関わる都内の店に行くほど・山形に来るほど溜まる「山形マイレージポイント」

‐ふるさと納税の返礼品(ex.こけしの絵付け)を県内のどこかに飾り、新しい「観光スポット化」の創出

‐声優が景色に合わせて山形情報をガイドする「車窓美術館」

‐新幹線内で飲める・話せる「スナック」

‐新幹線内での「日本酒ツアー」

‐新幹線内での「芋煮会」

などなど。

新幹線に乗って来県する方々に、より山形らしさを感じていただけるように様々なコンテンツを用いる意見が多くあがりました。

[移動中]の、新幹線に乗っている時間をより快適なものにするためのもの、

[移動後]の、山形で降りた先に来県の目的をつくるもの。

特に、地元の人と訪れる人が交流できるコンテンツが良いよね!と盛り上がりました。

今回出たアイデアが具体化し、山形を訪れたことのない人にとっても訪れるきっかけになれば嬉しいです!

△出したアイデアを貼り出し、大事なことってなんだろうね?の話し合い

在来線の利用拡大に向けた取り組みについて

新幹線と「何か」を絡めたアイデア共有の他に、ローカル鉄道(在来線)の利用拡大のためには何ができるだろうか、という議題についても話しました。その中で、過去に鉄道会社側が多岐に渡って取り組んでおり、その結果が現在であるわけですが、これ以上の発展には何が必要なのだろう?との声が上がりました。

これは今回の会議の舞台となったフラワー長井線が1つ参考になると思うのですが、

電車を会議室として活用するというアイデアのように、誰かの考え1つと、それに「いいね!」と共感してくれる人がいることで少しずつ、町の様子を変えていくことができるのではないかと思います。

参加者の間でも、『鉄道のことは鉄道会社に任せるのではなく、山形を活性化させたいと考えるほかの民間企業と今回のように一緒に考えたり、沿線に住む人たちも鉄道に関する不満・要望があれば共有したりと、一緒に改善策を取っていく姿勢が大事なのではないか』という意見が出ました。

今後、さらに様々な人を巻き込んで価値のある存在になっていくことを期待します。

△ウサギの駅長もっちぃと、スイーツ列車で提携している地元菓子店のケーキ

 

電車の新しい価値の可能性に気づく

今回の会議は、自分も話すうちに「あ、楽しい」と認識できてしまうくらい、終始ワクワクした気分で参加ができました。

それは会議が行われている場所がビルの一角にあるような会議室の中ではなく、電車という変わった状況、親しみのある場所で行われたことが間違いなく影響していると思います。

社外の方々と行う会議では、一般的にアイスブレイクトークが必要となりますが、電車での実施となると、その環境自体が参加者お互いの心の距離を近づける作用として働いたと感じます。今回の会議を通して、私は電車を移動する手段としてしか捉えたことがありませんでしたが、電車の新しい価値の可能性に気づくことができました。

さらに、山形へのUターンを検討している私としては、県の身近なトピックについて真剣に考えるメンバーがたくさんいることは大変心強いことであり、より山形を魅力的に感じられる大きな要素であると感じています。

山形新幹線は、今後よりHOTになっていくだろうトピックであるはずなので、引き続き山形に関わる多くの人と話のタネにしていきたいと思いました。

私同様に山形へのUターン・移住を検討されている方にも、山形で起きているトピックを自分事として認識していただき、少し先の未来を想像してみて欲しいなと思います。

 

会議で出たアイディアまとめ&今後について

会議で出たアイデアについては、山形県や市町村、経済界、JR東日本などが連携して進める「やまがた鉄道沿線活性化プロジェクト」において紹介され、県や市町村で実現できるものがあるか検討するそうです。

今回の会議で出たアイデアは、このようにまとめられました。

このアイデアたちが、ただのアイデアで終わらずに、県や市町村、沿線の住民や経済界が一緒になって実際に取り組みや活動として動き出していくことを願って、そして私もその活動の一員として関わって行けるといいなと心から願っています。

 

■アンド山形新幹線にぎわい会議 概要

(開催日程)令和4年12月10日(土) 赤湯発 14:35~   ※フラワー長井線貸切車内

(会議内容)

往路:参加者アイデアフリップ共有、意見交換

復路:山形鉄道さんからフラワー長井線についての紹介、鉄道の利用拡大のための議論

(参加者)
・吉野優美(一般社団法人 最上のくらし舎 代表理事)
・末永玲於(合同会社 ローカルインキュベート 代表取締役)
・佐藤裕太(農家・ゲストハウス「mokkehouse」代表)
・大泉和佳子(楽天グループ株式会社)
・釜田正道(脱彩堂 代表)

(ファシリテーター)・
田中麻衣子(株式会社キャリアクリエイト コーディネーター)

(企画)
山形県みらい企画創造部総合交通政策課

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