その土地独自の良さを知ってもらうには、文化の発信が大事だと思っている後藤です。
そしてその中でも、特に山形においては他に類を見ない食文化の素晴らしさを身をもって知り、こんなに(横幅が)成長させて頂きました。
さてさて私のコラムでは、そんな山形の食文化、愛すべき山形のグルメを皆さんにご紹介しておりますが、今回は「漬物」です。
いや〜、ありふれすぎてその素晴らしさに気がついたのは最近なんですけどね。


冬、それは漬物のシーズン

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私達山形に住む者にとっては珍しくない風景だと思うのですが、この時期になると青菜や大根を干しているご家庭をよく見かけます。水分を飛ばして、漬かりやすく、味がしみこみやすくしているのでしょうね(私自身は漬け物をつけたことがないので、あくまも想像です)
今でこそ一夜漬けとか浅漬けなんてありますが、漬物はもともと食品保存が目的。雪国山形では冬の間野菜に不自由するので、冬でも野菜を食べられるようにと漬物が古くから作られ、その文化が今でも脈々と受け継がれているのだと思います。
また漬物は低い温度でゆっくりと時間をかけて発酵させたほうが良い味に仕上がるので、美味しさという意味でも冬が旬なんですよね(温度が高いと発酵ではなく腐敗してしまう)。


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いやね、漬物なんて子どもの頃からあった訳ですよ。普通に朝食とか夕食にかならず1皿ね。
でも何が美味しいのかよくわからなかった。
それが大学を卒業して会社員になったあたりからかな?
ポテチでビールが飲めなくなってきて、漬物とかすっごく美味しく感じてきたのよ。日本酒も美味しいと感じたのもその頃(あ、山形は日本酒天国でもあるので、来月は日本酒のことでも書こうかな?)。
一人暮らしをしていた時、コンビニとかスーパーで漬物を買ってきていたんだけど、実家の漬物の方が美味しくって、家行くたびに漬物もらって来ていたっけなぁ〜。


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そうそう、この時期だとおみ漬け納豆も外せないよね。
・・・山形の人(出身の人を含む)ならわかると思うのですが、一応念のため。
おみ漬けとは、この時期に収穫される青菜(トップ画像の野菜。長野の野沢菜や、福岡の高菜などと似ているからし菜系の一種。青菜(あおな)というと全国的には葉物野菜全般を指す場合がありますが、山形の場合は青菜は「せいさい」と読み、この時期の漬物野菜の定番。これ単品で漬けたものは「青菜漬(せいさいづけ)」と呼ばれる)と大根、人参を刻んで漬けた、この時期を代表する漬物。私的にはおみ漬けと青菜漬が冬のツートップで、この二つは漬物の名産地、京都の友人でさえも送ってくれと言う逸品。
そのおみ漬けを納豆に混ぜて食べるのが「おみ漬け納豆」なんですが、程よい塩分と歯ざわり、そして青菜の辛さ(青菜の辛さは辛子とかと似ている)が何とも言えない美味しさとなり、ご飯がどんどん進んじゃうんですよね。


価値の逆輸入

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話が少しそれちゃいましたね。
自分で美味しいとは思っていたものの。その素晴らしさに気がついたのは、やっぱり他県に行った時でした。
私は寒河江市の名前を売りたい、寒河江市の農産物などを皆さんに知って頂きたい・買って頂きたいと、近くは宮城県仙台から東京、先日は寒河江市の姉妹都市である神奈川県寒川町に行って、物販などをやったりする活動をここ数年やらせて頂いております。
その時に必ず言われるのが「今日はお漬け物あるの?」
普通に流通しているはずのお隣仙台でも言われたし、寒川に行った時には他の物産品よりもいち早く売り切れたしね。山形のお漬物って、他の地域の方からこんなに評価を受けているんだと、他の地域に行くたびに感じます。
でも、山形にいる時はなかなかその価値には気がつかないんですけどね。

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もしかしたら山形の素晴らしさは、山形を離れてみないとなかなか気がつかないのかも知れません。
これを読んでくださっている方は山形出身の方が多いのかも知れませんが、皆さんは離れてみて、今どう感じていらっしゃいますか?

ちなみに今回青菜干しの風景と青菜漬を撮影させてもらった寒河江市の清野工房さんの漬物は、銀座にある山形県のアンテナショップでも販売しているそうなので、今が旬の漬物をぜひ東京でも味わって下さい。

 

【(有)清野工房】
http://www.iimononet.yamagata.jp/sh/seinokoubo/

【おいしい山形プラザ】
http://oishii-yamagata.jp/

 

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