未来ラボでは、「山形と関わる自分のこれから』を見つけるために行動する人を「研究員」とお呼びし、模索してきた記録や想いをまとめた研究員ノートを寄稿して頂いています。

 

今日の研究員:たかこさん

国際協力を実施する日本政府機関に勤めて11年目に突入。
「人の健康を支える仕事✖️世界で活躍する仕事」、「自己成長できる仕事」を志して大学院卒業後に東京へ上京、アフリカを中心とした世界への出張、日本国内も元気にするという、やりがいのある仕事をしながらも、キャリア一時休戦で、育休を長期間とり、実家の山形へUターンして自然の中での生活を送っているきっかけを、3部作にてお届けします。

東京育児生活、自然に飢える

2人目を出産し、半年が経過した2019年の春、私は、寝不足が溜まって体が常に怠く、モヤっとした気持ちが続いていました。小鳥のさえずりを聞いて目覚めたい・・・太陽を浴びながら目の前に広がる緑の中で呼吸したい・・山や田んぼに囲まれた田舎道を子供達と散歩したい・・・はい、当時、私は東京ど真ん中での子育て生活のなかで、何よりも「自然」に飢えていました。

 

自然は私のアイデンティティー

そもそも自然を欲する理由。それは私自身のアイデンティティーだからです。私は生まれも育ちも山形県の田舎町。家の裏は山、目の前は田んぼ、庭には鹿やリスが遊びに来る環境で、18年間育ちました。幼少期は常に農作業をする祖父、祖母の隣にいて、遊び場は山、川、畑、田・・・山菜もキノコも食べられるものは、ほぼ知り尽くし、触れない虫はおらず、木登りもスイスイ。小学校までは片道5キロ・徒歩1時間。雨の日も風の日も雪の日も、毎日毎日自然に囲まれながら自然と対話しながら歩いて登校。全ての感覚が自然の中で備わってきたと言っても過言ではないくらい・・・生粋の自然っ子でした。

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自分を納得させてきた1人目出産後のワーママ生活

1人目の子供が生まれる前から、マンションやビルに囲まれた東京のど真ん中で、私、ここで子供育てるのかな?と、漠然とした不安や疑問はありました。いえ、正しくは感覚的に、それは嫌。と思っていました。それでも1人目出産後は、キャリアもまだ駆け出したばかりであること、また、保育園の0歳児呪縛(0歳児で入れないと、1歳児、2歳児はもっと倍率が上がるので入れない)もあり、泣く泣く復帰し、2〜3ヶ月に一度は時間を作って度々実家に帰省しては、今はそのスタイルが最善、と自分を納得させて生活していました。

 

育児環境の模索そして健康不安・・・

話は戻り、2019年春。2回目の育休は、まず、時間は確保したものの、自然環境を求めるあまり、家族離れ離れになって、家族のバランスを崩してはいけないと思い、実家に帰るのもそこそこにして、引き続き東京生活を送っていました。その頃夫はマネージャー職に上がっていて、育児には参加できない状況。ワンオペで3歳と0歳の男の子と全力で楽しむ!にはエネルギー不足の日々。何とか、持ち前のバイタリティーと社交性はギリギリ機能していて、2人の子を自転車の前と後ろに乗せながら、大きな木々のある広々とした公園へ行ったり、銭湯へ行っておばあちゃんたちと会話を楽しんだり、習い事の帰りに近所のお寺や神社を散策してみたり、、、外から見たらそれなりに活発に活動するママでした。

一方、いよいよ長男は4歳になる。本当はどの環境で育てたいんだろう、と幼稚園や保育園探しで日々頭が「模索」でいっぱいで、すっきりする答えが見つけられず、フラストレーションが溜まっていく・・。でも、日々を充実させなくてはと、3、4時間睡眠が続いているのにも関わらず、自分が納得する子育てに向かって、体に鞭を打って動く毎日。そろそろ体が急停止するか、ボケちゃうんじゃないかな・・という健康不安も抱え生活していました。

 

 

出会う、突破口「森のようちえん」。気持ちを確かめたい、というシンプルな思い。

そんな時、仕事で仲良くなった同級生の友達から、「シアトルから一時帰国するので会おう!」と連絡をもらいました。友達から近況を聞いているうちに、私は出会います。「森のようちえん」という概念に。長男と同じ年の息子くんは、朝は馬のお世話をしたり、日中は森の中を散策したりして、一日中、外で過ごしているとのこと。話を聞いていて、そう、それだ!私が息子に幼少期に経験して欲しい環境、一緒に過ごしたい場所は、それ!!シアトルですら、それを実行している人を目の前にして、自分の思いを実行しないってどうなの?私もそうすればいいんじゃない??今一番大切にしたい自分の気持ちを確かめたい!!その時はシンプルにそう思いました。

 

見えてきた屋久島への期待

その後、実家山形への長期的な帰省も検討しつつ、子供と一緒に自然を体感しつつ、私の気持ちをしっかり確かめられるプログラムがいいと考え、求めているうちに、知り合いの方が屋久島で母と子のリトリートツアーを行うことを知りました(いや、正しくいえば、少し前から知っていたものの、子2人を連れて(しかも1人は乳飲み子)行くのは難しいと思っていたので、行きたいけど行けないなら内容を知っても辛いだけ・・・と、あえて目に触れないようにしていました)。しかも、その宿泊先は森のようちえんも運営している!今回、これに行かないと絶対に後悔する!という心の声が勝り、気付いたら「行く」という意志が固まっていました。

 

屋久島行きに立ちただかる壁

しかし、実行にうつすための一番のハードルが目の前に。200%反対するであろう夫にどう挑むか。子供2人連れて行くとなると、夫に一緒に来て欲しいけど、日々忙殺されている夫が有給を取って一緒に来てくれるのか、そもそも自然派とは言い難い夫に本当に付いてきて欲しいのか・・・夫に話をもって行く前に、自分の気持ちと向き合いました。そして、出た答えは、一生一緒にいるかもしれない夫には、私の求める感覚は改めて知って欲しい、でした。

「この夏、屋久島へリトリートに行きたいです。家族全員で一緒に。」

伝えると、案の定、何言ってるの?という顔でこちらを見ている。続けて、行く目的、企画者、内容、場所、どんな人が集まるのか・・・・夫に否定されまいと、聞かれる前に喋る喋る・・・・そして、もちろん、私がやりたいことなので、私が貯めているお金で行きます。と。一通り聞いてくれた夫の反応は、

「屋久島へ行くのに、屋久杉も見ないで帰ってくるの?」
「リトリートって何?スピリチャルな世界に興味はない」
「実家の山形(山形も大自然じゃん)で十分じゃない?」

バッサリ。。。。撃沈。。。。。

これは私のプレゼン能力不足か・・・いや、そういう話じゃない。伝え足りてない。シンプルに気持ちを前に出すだけ。このすっきりしないループから抜け出したい!!気付いたら泣きながら気持ちを出していました。これで理解してもらえないなら、やっぱり現状に納得して生活して行くのかな、、もしくは、、、夫とは今後一緒に生きて行くことができないかもしれない。。そう思いながら、その日は答えが出ないまま眠りにつきました。

 

やってきた切符

次の日。朝は半ば諦めの気持ちも持ちつつ、夫におはようと声をかけると、

「メール確認して」の一言。

携帯でGmailを開くと、そこには屋久島行きのチケットが届いていました。

 

note:貴子@山形自然暮らし育休中ママ

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この記事を書いた人

未来ラボ研究員

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