アマゾンプライムで『グッドガール』というアメリカのドラマを見た。
ベトナム戦争、ヒッピーなどの時代背景がある1958年のニューズウィーク編集部を舞台にしたもの。
その頃の編集部は、記事を書く記者は男性の仕事で、記事の下調べ・取材をする調査員は女性の仕事だった。
性別を理由に出来ない仕事があるのは法律違反だと知った女性たちが裁判を起こすという実際に起こった出来事を元にしたお話。
私は、この手の話に惹かれて近寄って行く傾向がある。
しかし、こういう話が特別に「好き」なわけではない。
女性の権利を主張するフェミニストのつもりもない。
ただ、選択する時に、もう1人の自分に『また、そういうの選ぶんだね』と頭の斜め後ろから言われている気がする。
見たいという欲求よりも、見てしまうと言った感じか。
もう10年前の話になるが、新卒で入社した会社で店舗に来店したお客様を接客する『内勤営業』だった私は、ピシッとした綺麗な制服とスカーフと身につけて仕事をしていた。
営業車に乗って新規・既存顧客を回るのは営業職の男性の仕事だった。
入社前だったか人事の人に、「女性は外回りの営業はしないんですか?」と質問したら、外回りの営業は、お客さんのお宅で商談することもあり、一人暮らしの男性宅に行く場合は危ないから(女性は外回りはしない)というような説明だった記憶がある。
その説明には納得していたが、店舗にあまりお客さんが来ない内勤営業の仕事は、どんなに他の仕事をしても、あまり仕事量がなく、いつも眠たくて脳みそが溶けそうだった。
1年も経たないうちに退社したのは、それだけが理由じゃないし、石の上にも3年いれなかった私の忍耐不足でもあるだろうが、その選択に後悔はない。
ちなみに、私の座右の銘『われ以外皆わが師(意味:自分以外の人はみんな先生。小説「宮本武蔵」で有名な作家の吉川英治先生の言葉)』は、新卒で入社した会社の新入社員研修で取締役の人が教えてくれた言葉だ。
手塩をかけて育ててくれようとしていたその会社には感謝しているし、早期離職して申し訳ないとは思っている。
その後、色々な仕事をして現在に至るが、自分の頭で考えて意思表明をし、自分から動いて様々な人との出会いがある仕事だと、ありがとうと言われる程度に仕事の価値を提供することが出来、社会の一員として自分が社会に貢献できている実感が持てるという、自分の取扱説明書が、なんとなくわかってきた。
世の中の人全員に、人それぞれ得意・不得意、裏を返せば強みである弱みがあるということも、人材業界の仕事をし、キャリアカウンセリングを学んでから、より理解できるようになった。
事務処理のような仕事は、出来ないことはないが、毎日数をこなすような量になると、ミスをする。
得意な人の隣で、できない自分と比べて萎縮する。
元から態度が大きい私は仕事を頼む側からするとやりづらく、使い勝手が悪いだろう。
そして、毎日同じ人と同じ場所で過ごす毎日に、思い込みが激しい私は『まるで籠の中の鳥みたい』とでも思いかねない。
朝ドラ『べっぴんさん』に出てくるのりおくん(主人公の夫)のように、人前に出るのが苦手で倒れてしまうけど事務が得意な男性だっているし、某大手人材会社での営業時代に、お客さんとの折衝は大得意でめっちゃ売上上げるけど事務が大の苦手だから特例で専属の秘書もつけてもらってたうちの会社のキャリアカウンセラーの浅野さんのような営業が得意な女性もいる。
私の原体験はもう今の時代には当てはまらずもはや古いのかもしれないけど、そうであるなら、そういった人が受け入れられる多様性がある職場を見つけてきて、多くの人に知らせたいと思う。
我が社の忘年会は中華でした。