山形県白鷹町出身のyukariです。
最近、ヤマガタ未来Labで記事を書き始めた影響か(?)、友人から「山形に帰りたい~」と相談を受けることが多くなってきました。
山形に住みたいな~と思った時、不安なこと第一位に輝く項目が、「どうやって収入を得るのか」ではないでしょうか。
また、お年寄が多いということもあって、「話が合う友達ができるのか」を不安に上げる人も多いみたいです。
今回、そんな2つの不安を解消し、Uターンを決めた鶴岡市出身の佐藤由久さんにお話を伺ってきました。
なんと、佐藤さんは、東京の企業で働きながら、山形へのUターンを実現したという噂!これは聞き逃せません!
山形にUターンしたかったけど「仕事があるのか」という不安で長い間踏み切れなかった
佐藤さん、こんにちは。突然ですが、東京の企業に在籍しながら、山形へのUターンを実現したと伺って駆けつけてまいりました!どういった経緯でUターンを実現させたのですか?
以前から山形にUターンしたいとは考えていたのですが、なかなか踏み切れませんでしたね。
今は東京の会社で働いているので、最初は会社を辞めて移住するつもりでした。
会社に移住について相談したところ、社内で初の試みである、リモートワークを実現させてもらえることになったんです。
自分としては仕事がなくなること前提で移住を決断したこともあり、リモートワークができるというのは、とてもありがたい提案でしたね。
Uターンについてはいつから考えていたんですか?
就職する時から、いずれは山形に帰りたいなと思う気持ちがありました。
場所を選ばずに働けるのではないかと考えて、新卒でITエンジニアを選びました。
1社目の大手外資企業から、今のクラウドをメインとするIT企業に転職したのも、起業などを視野に入れ、スキルアップしたいと思ったからです。
ちなみに、妻には結婚する前から、山形に移住したいと思っていることは伝えていました。
結婚前から奥様にもお話していたとは、計画的ですね。それだけ長く考えていて、このタイミングで移住を決断できたのはどうしてなんですか?
計画的と言っても、特に何かを準備したりはしていませんでした。
やっぱり、長い間踏み切れなかったのは山形に帰って「仕事があるのか」という不安があったからです。
妻も子供もいるので、そう簡単には決断できなかったですね。でも、縁あって「マイプロ部(※)」に参加したことをきっかけに、移住を決断しました。
今回はたまたまリモートワークをさせていただけることになりましたが、移住を決断した時にはまだ仕事は決まっていませんでしたから。
※「マイプロ部」は、鶴岡市・酒田市主催のUIターンサポートプログラム。地元で活動しているプロジェクトに参加し、地元の方と一緒に進めていくので、地元の人と交流することができます。(詳細はこちら→https://mirailab.info/mypro2017)
人と通して、元々持っていた山形のイメージとは異なる一面を見ることができた
マイプロ部への参加が、どのうように移住のきっかけになったのでしょうか。
鶴岡にUターンを考えている人向けのイベントが東京駅付近であって、その際に「マイプロ部」の詳細を聞いて参加を決めました。
Uターンしたいと悶々としていたので、自分が戻って何ができるかを知るきっかけになればと思ったのが、参加のきっかけでした。
参加することが決まって、本当は自分でプロジェクトを立ち上げようと思ったのですが、なかなかやりたいことが煮詰まらず、興味があるプロジェクトを2つ選びました。
1つ目のプロジェクトである「ばばごっつぉ調査大作戦」は、地元の参加者はお年寄が多かったので、自分が知っている山形の人、というイメージでした。良い意味で保守的な方が多いというイメージですね。
(マイプロ部参加者、地元の方たちと一緒に鶴岡の郷土料理を作る佐藤さん)
2つ目の酒田のアンダーバーのプロジェクトは、企画も一緒に考えていくというプロジェクトだったので、全然毛色が違いましたね。
保守的というより、何かに挑戦する意識が高い人が多かったように感じました。
プロジェクトを通していろいろな人と会ったのですが、自分がもともと持っていた山形のイメージとは異なる一面を見ることができました。
あったかくて保守的なイメージをもともと持っていましたが、それは学生時代の時に関わっていたコミュニティから出来上がったイメージ。
「マイプロ部」に参加して、思ったよりも山形にもITの会社があるんだな、ということや、これから何かをやろうとしている方もたくさんいるということを知りました。
前向きに何かをしていこう、何かを変えていきたいという想いの方、しかも地元ではない方々もいらっしゃいました。
学生時代にちょっと足を外に向けていたら、こういう人にもっと早く出会えたのかなとも思います。
(マイプロ部参加者、関係者の皆さんと交流会で)
自分は山形に帰りたいとずっと思っていたのですが、山形の人にとって、何があったら幸せになれるんだろうか、そのために自分は何ができるんだろうかということがわからなくて長い間もやもやしていたんです。
でも、様々な人と関わって、「やってみないとわからない」ということがわかりました。
山形の人のために何をできるのかは、離れたところにいてもわからない、中に飛び込んでみようと思いました。
自分と同じように何かをやろうとしている人やすでにやっている人が周りにいるとわかったことで、そういうところに参加して見えることがあるのかもと思えて、踏み出す決意ができました。
(マイプロ部合宿で、感じたことを発表する佐藤さん)
妻も、山形に帰ること自体は賛成してくれていましたが、やっぱり慣れない土地で不安はあったみたいです。
そんなときに、「マイプロ部」で知り合った方のつながりで、同じように旦那さんについて山形に移住したという方の話を聞いて、不安が解消されてきたようです。
何度か遊びに行く中で、妻も山形弁がわかるようになってきました。
現在は、1週間程度山形に滞在し、試験的にリモートワークをやってみるなど、移住に向けた準備を進めています。
再度試験的なリモートワークをしてから、いよいよ、山形に住まいを移す予定になっています。
ぼくは、ITって何かを効率化する・良くすることに適していて、誰かの「いやだな・困ったな」を解消するのに最適な手段だと考えています。
そのITを使って世の中を良くしたいという気持ちがずっとあります。
今後、山形に移住したら、東京での経験も生かして新しい風を入れていけたらなと思っています。
同じように何かをしたい、変えたいと思っている人を巻き込んで、想いを実現していきたいです。
(マイプロ部参加者で、東京の山形料理店で再会)
新しい出会いが、佐藤さんの背中を押すきっかけになったんですね。「マイプロ部」はどんな方にお勧めしたいですか?
もやっとでもいいので、何かの形で山形に関わりたいと思っている方に、ぜひおすすめしたいです。新しい出会いがあって、新しい山形を発見できる機会になると思います。
私のように移住したいと思っている方にはもちろん、もっとお勧めです。
山形の人と話すことで、不安が解消されることがあるんだと、今回身をもって体験できたからです。
誰だって迷いはある
仕事の合間にお時間を作ってお話を聞かせてくださった佐藤さん。
会社からリモートワークを許されるくらい優秀なエンジニアの方ということで、論理的に話さなければ…!と意気込んでいきましたが、とても柔らかいお人柄で、リラックスしてお話を伺うことができました。
お話を聞く前は、勇気や決断力のある方でないと、移住を決断するなんてことはできないだろうと思っていました。
しかし、お話を聞いてみると、誰だって迷いはあるけれど、きっかけ次第で大きな決断ができるんだと気づかされました。大きな決断のきっかけを、人との出会いが与えてくれたんだと思います。
今回、佐藤さんにとってきっかけとなった「マイプロ部」。
・山形に帰りたい
・県外にいながら、山形に貢献したい
・山形に関わる人と新しい交流がしたい
・とにかく山形が好き …
そんな山形に興味がある方に参加してほしいと思います。
マイプロ部特設ページはこちら。
Profile
佐藤由久さん
山形県鶴岡市出身。東北大学大学院を卒業後、東京の大手外資系IT企業に入社。その後、クラウドをメインで扱う外資系IT企業に転職し、エンジニアとして活躍。その企業に在籍しながら、リモートワークを行い、山形にUターンする予定。