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大寒も過ぎ、確実に寒の底に向かっている気配を感じています。

毎年のことですが、新庄では雪だけは日々飽きることなく降り続けています。

つい先日は我が家で、屋根の雪おろしをしました。

この地域での雪おろしの回数は毎年1~2回です。

今年の雪の量は例年並みですが、珍しく雨が降った日もあって、積もった雪の高さが沈んだのでしょう、さほどではなく見えた雪の量でしたが、いざ触れてみれば実は半分くらい氷の塊でしたという状態。(その意外性いりません…。)

昨年は妊娠中で戦力にならなかった私ですが、今年は張り切りました。

私は屋根からおろされた雪を片付ける係。夫が屋根にのぼり、義母さんと私で下に待機。義父さんは除雪機で大量の雪を処理する係。

双子育児で知らず知らず上半身が鍛えられていたのか、これだけの肉体労働をしても恐れていた筋肉痛にはならず、次の日は少しだるい程度。ちょっと嬉しかったです。

それでも雪を片付けるほうはまだ楽です。一番大変なのは、週に一回しかない休みに屋根にのぼって半日ずっと雪を落とし続けた夫か、はたまた大人4人が雪と格闘している間子供たちの面倒をみていた義婆ちゃんか。

子供たちはお休みの日に遊んでもらえず不満たらたら。でもこの日ばかりは、とにかく子供たちのご機嫌取りをして、暇だと言われてもなだめすかして、動ける大人は作業に没頭するのです。

屋根からおろされた雪を側溝に捨て続け、塊が詰まったら割って流し…の繰り返し。

いつもの雪かき程度なら、子供たちと一緒に遊びながらするときもありますが、車庫が道路に面している場所なので、子供たちを遊ばせているわけにもいかず。

おうちでお留守番してい三姉妹、パワーをもてあまし、さらに普段から散らかしまくりな双子もいるので、様子を見に家の中に戻ってみれば、空き巣に入られたあとのような惨状になってました。

大人はへとへとで、こちらはもうこの日は雪なんて見たくもないのに「雪かき終わった? じゃあ雪遊びする!」だそうです。勘弁してー。次のお休みには雪山でスキーをして、かまくらも作ろうね、と約束させられました。

雪山はスキー場に行かなくとも、リッパなのが家の裏にあります。日々の除雪で除雪器からの雪を一箇所に飛ばし、家一軒分すっぽり入るくらいの雪山ができます。この雪は5月まで融けません。

こんな日常ですから、雪が融けて地面から春の芽吹きを目の当たりにすると感動的なのは言うまでもなく。今年もそれまで頑張りますか!

 

冬仕事について

最上地方では、冬の間は雪にまつわる職業につく人が身近に増えます。

夏の間に農業に従事する人などが、冬は除雪・スキー場運営などに携わることはかなり一般的です。我が家の人数なら家族でできる雪おろしも、専門の業者に頼むお宅は多くあります。それらのお仕事はわりと賃金がよいようです。でなきゃ、体力的にキツく天候に左右されるこんな大変なお仕事、やってられませんよね。

トラクターを除雪車やスノーモービルに乗りかえ、ある時はスキーやスノーボードを乗りこなす農業系男子、素敵ですねー。それらをこよなく愛する女子との婚活、いかがでしょうか。(私もトラクターや除雪車を乗りこなしてみたいものです。軽トラも大好きな女子って珍しいのでしょうか)

雪というままならないものを扱う職業ですから、過酷な一面を多く見聞きしますが、一番お気楽な視点であえて言うならば、夏と冬に違う仕事ができるってちょっと楽しそうだな、と。

区切りをつけることのできないルーチンワークではなく、夏の農作業にびしっとカタをつけて次の年の準備が終わったら、雪が降ってから融けるまではとことんそれに付き合って、春が来たらまた農作業がはじまってそれに没頭する。

前の年に納得がいかない部分があったら、次の年に対策と傾向をたて改善。区切りの明確なそのサイクルはなかなか魅力的です。

家が農家でないと、「冬に農家さんって何してるの?」と、疑問に思うことも多いと思います。私もそうでした。果樹農家さんだったら枝の剪定であったり、またどんな農家さんでも雪の解けないうちからいろんな準備はしているものですが副業をしている人はかなり多いです。知り合いの農家さんでは冬だけ郵便配達している方もいます。農業系の施設でアルバイトしたりもします。

出稼ぎもあるようですが身近には聞きません。もし我が家がそうだったら…。子供5人が小さいうちに冬にずっと夫がいないなんてちょっと想像できません。大事な時期に家族が離れ離れはやっぱり嫌です。やむを得ないこともあるのでしょうが…。

日本では単身赴任も珍しいことではありませんが世界の常識に照らし合わせるとそれは特殊なことだそうです。

生活の導線が一生触れることもないような見も知らぬ人のために物やサービスを作ったり売ったりするより、できれば地域の中でお仕事がぐるりと完結してほしいなあ、というのが願いです。

 

地方で働くということ

一つの企業に属して働きたいと思うのなら、都会の方が条件がいいはず。

これから山形に居を構えたいと思う人は、そうではない働き方を模索している人も多いということを前提に、冬仕事に限らず、地方での働き方を考えてみました。(女性目線です)

私は現在専業主婦で、履歴書に書けるような特技もありません。

夫が自営業で家にいない時間が長いため、私の仕事の方を常に家族、主に子供に沿わせる必要がありました。

でも私は、仕事のことをお金を得る手段と割り切ってしまうと心がささくれ立ってくるタチでして。自分の時間を割いた対価がお金のみであるとしたら、そこに貴重な時間を使いたくはないのです。お金がなくとも子供と遊んでた方がいいかもと思ってしまう。

労働賃金のとても低い地域でもあり、最初から仕事に自分を沿わせていくのは難しいと感じていました。

そして、子育て中だってもちろん、自分がやりたいことはいっぱいある。

とはいえ10人家族の主婦をしていると自分の時間をとるとなれば睡眠くらいしか削るものがない。

とった手段は、仕事のほうを自分に沿わせること。

私のやりたいことのほとんどは子供と一緒にできることでもあったので幸運でした。育児をしながら楽しいこともして、さらにそれが仕事になる部分があれば、その時間が、子供との時間でもあると同時に趣味の時間でもあり仕事の時間でもある。それらの時間を別々に取ろうとしたら、それがどんなに効率的でも大変。時間に追われると心の余裕もなくしそうです。忙しいという言葉は心を亡くすと書く…。言い古されてますね。

この数年、子供と一緒に畑作業をしたり、お料理したり、イベントや取材活動があれば、連れて行ける場所には全部子供と行きました。

おかげで子供たちはたくさんの大人に育てられ、私の目の行き届かないところをフォローしてもらえました。自分がそういう場面で甘えたときは、ほかの機会にいろんな人たちの子供と遊びました。

それも結局自分の子供を連れてなので、ただついでに遊んでいるというだけです。

子供と遊べること。それもスキルといえばスキル。

私は独身時代、子供が苦手だったので、自分が子供と遊べるようになるなんて思ってもみなかったです。昔は子供が目に入らなかった。出産したとたん、世の中にはこんなに子供や妊婦があふれかえっているんだとびっくりしました。人間ってつくづく、意識してないものは目に入らないんだと思い知りました。

専業主婦の人は、みんな自分に何のスキルもないと思っている。労働賃金をもらってないからですね。

主婦を卑下するつもりもあがめるつもりもありませんが、その能力もったいないなあ、と思うことが多々あります。ちょっと高めれば仕事にすることができるスキル、主婦はいっぱい持っているのです。

農家のおかあちゃんたちのグループに属してイベントなどしたりすることがありますが、彼女たちの企画力、実行力、決断力はすごいです。即断即決です。主婦だから。農家だから。忙しいから考えてる時間がもったいない。

たとえば一つのイベントは稲刈りが一段落した秋に行われます。

たとえば昨年は伝統料理の実演、ふるまい、ワークショップなどでした。農産物や加工品販売のブースもあります。農作業のない冬に行うものもあります。

販売ありのイベントなのに平日日中開催です。ここで儲けようなんてさらさら思ってないのがまるわかり。でも彼らは大満足してます。自分たちも楽しんでいるから。そして、来てくれるお客さんにはめちゃくちゃサービスしてますからお互い大満足です。

おしゃべりしながら準備して、イベントは滞りなく開催され、14時ころには片づけをはじめます。早々に帰るので夕方には痕跡すらありません。

スタッフは誰も大変じゃない、疲れない、損しない。それどころか楽しんで得してストレス解消して帰っていきます。イベントは日時をおさえる意味で前々から企画しますが、打ち合わせや会議は雑談しながらテーマと役割分担を決めて、わりとあっさり終了。

若者たちが一念発起して、あれこれ話し合いを重ねて企画を作るのとは違い、彼らは自分のできることしかしないので早いです。準備するものも、あえて買うものはほとんどありません。農産物は家にあるから持って来るだけ。自分の家で育ててなくても誰かは育ててる。旬のものはどうぞむしろ使ってくださいとばかりに大量に持ち込まれる。(もちろん材料費は支払われます)

料理はみんなできるので、これは私、これはアナタ、と一瞬でふりわけ完了。それぞれが作ったものを、イベント用とは別に自分たちもたらふく食べて、自分の家で作れないものを物々交換して、この機会でなければ会えない人とおしゃべりして情報交換して、じゃあまた来年!元気でな! って感じです。ここまでまあるくみんなが楽しんで完結していると見事です。

金銭に換算した利益はあまり出ていませんが、かかえきれない農作物、満腹の胃袋と、いろんな人に会えた満足感が報酬でしょうか。

内輪で利益の出ないイベントは意味がないとバッサリ斬られることもありますが、物々交換で手に入った農作物をお金で買ったのだと思えばしっかり利益は出ています。新鮮な無農薬野菜がほとんど。首都圏に持っていけばいいお値段がつくでしょう。

もちろん中にはイベント中に販売に力を入れる人もいます。儲けた人を見て、私もがんばってみようと見習う人が出てくる。じゃあ次は日曜日にやってみようか、と誰からともなく声があがる。この、自主的に改善点が出てくる過程がとても大事だと、見ていて思います。

イベントを行うのが一家の大黒柱の男性陣だとしたら、やるなら最初からしっかり利益は確保しないと、という意見はもっともなことと思います。でも私たちは主婦ですから。そもそもの日常が、どんなに忙しくても無給ですから。まずはちょっとの利益でも出たら、それはすごいことなんです。日々やっていることをおろそかにして出てきてるわけじゃありません。家庭のバックアップを受けて仕事をしにきているのとは、ちょっと意味が違います。

日常をこなしつつ+αが生まれる。

ゆえに主婦が動き始めたら、そのポテンシャルはすごいんじゃないかと思うわけです。

…というようなことを書いたり語りかけたりする、私みたいなニッチな働き方をする人も出てくるというわけです。

私自身、伝える以外のスキルを持っていません。でもそんなことも職業になりました。肩書きは今までもこれからも「主婦」のまま。

田舎に嫁に来て、地方の風習をおもしろいなと思ったり、田舎料理を作ったり、畑で野菜を育てたりするようになったことが、そんな縁を作ってくれました。それらは主婦だからできたこと。全て、私じゃなくとも、誰でもできるようになることです。仕事を作るなんて大げさなことでなくとも、仕事になるようなことはそこらここらに転がっていると思うのです。

そして自分にできることは一つとは限りません。

私は今年は乳幼児がいたこともあり、のんびり子育てばかりしていてメインの仕事がどれというわけではありませんが、そんな年でもご縁はあって、農産物を販売したり、頼まれてお料理をしたり、イベントのお手伝いをしたり、時には自分でワークショップを開催したり、ライターとして何かを書いたりしゃべったりで謝礼をいただけることもあります。

内容は多岐にわたっていますが、どれも数時間~数日単位のお仕事なので、

子育ての息抜きになるくらいの時間ですんでいます。

外に出る用事があるときは義母さんと義婆ちゃんに双子を預けていくこともあります。

時たま、たてこんでくると徹夜したりもしますが、終わったときの大きな充実感があります。

文章を書いたりするとき、立場は子育て中の母親としてであったり、同居嫁としてであったり、移住して地域に根ざす女性としてだったり様々です。最近では多胎児の母とか子だくさんの母という希少性でか子育てに関するお仕事もいただけるようになってきました。現役子育て中であるからこそ同世代のママさんたちから共感を得られることもあるのだと思います。

私自身が最初からこの働き方を想定していたわけではなく当初は夫の仕事を手伝う時期が来るまでのつなぎくらいにしか考えていませんでした(笑)でも、案外仕事が舞い込んでくるところを見ると、需要があったようですね。

都会に行けばライターという職業は普通なのだと思いますが、単にこの地方であまりポピュラーなものではなかったのでしょう。私に仕事がいただけるというのは、現代において主婦の持つ価値が見直されているからなのかなあ、と思ったりします。

このサイトの別のライターさんもとりあげてくれているような、月3万円ビジネスのような働き方を模索していくことは地方に豊かさを求めて住もうと思う人にとって自然なことなのだろうなと思います。

私にもそういう仕事がいくつかあるおかげで、育児中に社会から取り残されるような不安を覚えることもなかったし、自分にできることって何だろうと改めて考えるきっかけにもなったし、全てが自分次第という自由と緊張感が、生活の中で張り合いにもなっています。

夏仕事と冬仕事のサイクルを見習って、見直し、焼き直ししながら。

今年の個人的な自分の課題としては、万が一ですが家族に何かあったときに、どれを差し置いてもそこに集中できる余裕を残しておきたいな、というところです。まだまだ模索途中。それもまた楽しです。

 

ちなみに我が家の末っ子双子が一月末で1歳になりました♪

子供の成長ってあっという間!切なささえ感じます。

というわけで、長くならないうちにシメときます(笑)また次回ー。

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小嶋可那子

ライター情報

小嶋 可那子

平成19年に夫の故郷の新庄市での暮らしをスタートさせました。四世代同居で10人家族です。 最上伝承野菜のPRや、染め物を生業としながら、ときど...