山形で働く男はそばが好き。
こんにちは! 山形で働く男です
私、この歳になってそばに目覚めました。自分の中の、なにか堰き止められていた部分が払拭されたというか、勘を頼りにここ一週間分のランチ全てをおそば屋さんに通うという快挙を成し遂げたのです。
それは、ご近所そば屋のいっぱいにはじまり(次回にご報告)、高級そば屋や街角そば屋、果ては遠くはそば街道まで。私の心の奥深く、そばの一大ムーブメントが起こっています。
中でも、山形市の通いやすい立地とそばの味、そしてコストパフォーマンスに優れたお店を見つけました!
ウィークデイと土曜日限定で提供されるそのそばランチとはいかに?
きっと、そば好きなあなたなら、垂涎ものの代物です。
東京はまつやの流れを汲む職人さん
ご紹介したいのは、山形市は上町にある『竹ふく』さん。
ご主人は神田にある名店『まつや』で、若き日々を送ってこられたと言います。筋金もののそば職人であり、打つそばは、10割そばなのに極めて細く、そして長い麺線が印象的です。
また、山形そばは振る舞いそばがルーツのもの。冷たいものこそがそのオリジナルに近いのに対し、東京のそばは温かくさまざまな具が入ったたね物が多く存在します。
それは、関東で修行されていた主人のお店ですから、たぬきそばはもちろんですが、他にもカレーそば、鴨南ばんなど温かいそばも、かなり旨いです。
しかし、今回私が皆さんにご紹介したいのはサービスランチの『かき揚げ盛り(970円)』※平日+土曜限定。
たまたま見つけたランチでしたが、そばのレベルは当然として、かき揚げのレベルが非常に高い。
出会えて良かった、竹ふくさんのサービスランチ
読者の皆さんのかき揚げイメージってどんなものでしょうか?
恐らくは、山形出身の方ならば、私と同じく牛蒡や人参、玉ねぎが入った野菜天を思いつくのではないでしょうか。
あれはあれで、旨いです。固いというかクリスピーなそれを、つけダレに浸してガリガリと食べる。たまに、歯茎を傷つけ血が出たりもしますが、あのかき揚げも美味しいと思えます。
しかし、こちらのかき揚げは違う。サクサク、サクリとほどよい食感。そして、中に入っている具は小エビやイカなどの魚介です。
みつばも香って、カルチャーショック! このかき揚げがそばに合うのです。
この日も着席するや否や、頼んだのはかき揚げ盛り。待つこと、数分。お待ちかねの登場です。
みずみずしいそばの麺線の美しさもさることながら、このこんもりとして、かつ立体的なかき揚げに心奪われます。ハニカム構造とも言いましょうか、高温の油が通ったかと思われる空洞に、油切れのよさ、食感のよさを感じます。
スライスした牛蒡に三つ葉、そしてサクサクねっとりとしたイカ、またぷりっぷりの小エビが入っています。
まずはそばをひと筋すすり、次はかき揚げをタレで食べ、続いてそばとかき揚げを同時に食させていただきます。付け合わせのお新香も美味しく、また写真にはありませんが、芳ばしく炙った海苔や、なめこおろしも付いています。
一膳でさまざまな食べ方ができるこのランチを、私は愛してなりません。
タレにひとくぐりさせたかき揚げの断面ですが、薄ピンクに色づいた小エビの姿がわかるでしょうか。
これほど美味しいかき揚げ盛りが食べられるところを、私はこちら以外に知りません。
しかるに1,000円に迫る価格ゆえ、そう連チャンできるものではありませんが、ちょっとよいことがあったお昼には、同僚や部下とともに、また、もちろんひとりでも静かにいただきたい。
後に気づいたことですが、卓上の七味を加えることで、夏にぴったりな爽やかな辛味が添加されます。
「暑い日に油物はちょっと…」と言うアナタ! ぜひ試してみてください。
そばのひと口、かき揚げのひと口で、グンと世界が変わります。
PS:とても美味しいのに気取らない雰囲気も素敵です。きっとご主人のお人柄なのでしょうが、旨いそばが食べたいという気持ちでいっぱいの、常連さんが多いようでした。
そのうち私もお仲間になれれば!
そんな風に思った、強い太陽に照らされた昼下がり。
[DATA]
手打ちそば 竹ふく
山形市上町2-3-1
023-643-8003
水曜日定休
※とりあえずそばが美味しい。
※寒い季節には種物を試したい。
※かき揚げの概念変わった。
※サービスランチはお得。これで昼からお酒が飲みたい。