鶴岡市に花開いた先進のバイオテクノロジー
山形県西部に位置し、東に出羽三山、西に日本海を望む鶴岡市。
ここはいま、バイオテクノロジーの先進地域になっている。その中心にあるのが慶応大学の先端生命科学研究所。
設立から15年を迎えるこの研究所の存在により、国際的な学会が開かれたり、次々とバイオテクノロジーのベンチャー企業が創業したり、国立がん研究センターの連携研究拠点を開設したりと、鶴岡はこの数年で単なる「自然豊かな地方都市」を超えた進化を遂げつつある。
この研究所を世界一たらしめているのが「メタボローム解析」という技術だ。多くの人にとって聞きなれない言葉だろう。理系の人でも知らないと思う。「メタボローム解析」とは、ひとくちに言うと、生命の代謝を読み解く技術。
生き物や食品の中に存在するアミノ酸や糖、脂質といった代謝物質を網羅的に測定し、生命現象を総合的に理解しようとする研究分野だ。1台約5000万円の解析用マシンがこの研究所には約30台も設置されており、世界中の研究者がこの技術を目がけて集まっている。
発酵食品や製薬の分野でより豊かな暮らしを陰から支える
さて、その技術が私たちの暮らしにどんなメリットをもたらすのか。
「たとえば、機能性ヨーグルト。ヨーグルトは生乳に乳酸菌を加え、発酵させて作られています。発酵も代謝活動のひとつなので、この技術を使えば、どの乳酸菌をどんな温度で発酵させたら体にいい成分をより多く含んだおいしいヨーグルトが作れるのかが数字で分かるようになるんですよ」
と、事業内容を分かりやすく教えてくれているのが、ヒューマンメタボロームテクノロジーズ株式会社取締役の永嶋さん。
ヒューマンメタボロームテクノロジーズ株式会社は、2003年の創業より製薬企業や食品企業と提携し、医薬品の開発や、発酵食品分野における研究開発の支援を行っている。
「近年では、人々の健康によりダイレクトに貢献する事業に力を注いでいます。ヒューマンメタボロームテクノロジーズでは「うつ病」の患者に特有の兆候を見つけ出すことに成功しました。これまで医師の見立てのみで判断されてきた「うつ」という病に対して、具体的な数値で表すことを可能にしたんですよ。」と永嶋さんは話します。
この発見を活用して、ヒューマンメタボロームテクノロジーズでは2016年、うつ病測定キットのβ版をリリース。
このキットが普及することのメリットは、患者にとってより効果的な治療を判断しやすくなるだけでない。うつ病の兆候(マーカー)が高まってきたら優先的に休暇を取らせるなど、うつを未然に防ぐ手立てにも使える。
ヒューマンメタボロームテクノロジーズでは現在、他の数種の疾患についてもマーカーを発見しており、この事業は今後、私たちの健康を守るために重要な事業として大きく成長していくことだろう。
理系で、マザーズ上場。稀有なホワイト企業
ヒューマンメタボロームテクノロジーズ株式会社には研究職の他に、テクニシャンと呼ばれる20数名の解析専門のスタッフが在籍する。今回はテクニシャンの方の中から、理系出身の佐藤康博さん、文系出身の丸山裕喜さんの2人から話を聞いた。
1人目の佐藤康博さんは、旧羽黒町の出身。高校までを地元で過ごし、大学は神奈川大学の理学部化学科に進学した。卒業後はUターンして山形市内の医療機器メーカーに就職。商品管理部門と営業職を経験後、26歳でヒューマンメタボロームテクノロジーズに転職し、4年目になる。
「農家の息子なので家を継ぐため山形に戻ってきましたが、地方では理系職種が本当に少ない。前職も医療系の企業でしたが、職種は営業。理系のスキルを活かすことは半ば諦めていました。それが、今では日常的に『炭素が…』なんて単語が出てきます。自分が大学で研究していた分野とは異なりますが理系の職に就けて、とても満足しています」。
実際の仕事内容を教えてください。
「解析スタッフは段階ごとに『前処理』『測定』『分析』
職場の雰囲気はどうですか。
「慶応大学の先端生命科学研究所の中にあるから、入社当時、きっとみんな慶応大学の卒業生で自分なんて相手にされないんだろうな…と身構えていました。でも実際は出身大学は様々だし、とてもフレンドリーな雰囲気です。さらに、残業が少なくて定時の17:30に帰ることが多いし、有休も取りやすいです。社長の口癖は『家族と健康が一番大事』で、全体会議でも数字の話は出るけれど、最後は『家族と健康を大切にしましょう』って締めくくられます。いい職場だと思います」。
オフの過ごし方は?
「兼業農家なので農業をしています。あとは海が近いので釣りをすることもあります。」
会社のいちばんの魅力は?
「世界に認められる商品を作っているという実感があります。会社がメディアに取り上げられることも増えていて、成長を感じられるのはやりがいにつながっていますね」。
全体会議では営業の数字を共有するなどベンチャー的な風土もあり、仕事としてのやりがいは十分。けれどオフもしっかり取れる。佐藤さんにとって、理想的な働き方を実現できているそうだ。
タフさがあれば文系でも活躍できる
2人目の社員インタビューの相手は丸山裕喜(ゆき)さん。彼女も旧羽黒町の出身で、高校までは地元で育った。大学は京都学園大学に進学し、心理学を専攻。その後、東京のマーケティング会社に就職し、医療や薬品のマーケティングを専門に行う部署に配属されて5年ほど勤めた。
「結婚を機に前職を退職し、2年間はダンスに打ち込んでいました。長女なのでいつか地元に戻ることが前提だったのと都内の通勤ラッシュが苦手だったので、3年前に夫を連れて戻ってきました。」
現在の仕事は、鶴岡市に戻ってきてから探したという。
「最初は正社員の事務職を探していたんですが、ことごとく面接で落ちてしまいました。それで、先端生命科学研究所の存在は以前から何となく知っていたので、やってきたことが何かつながればいいなと思ってHMTを受けてみたら採用されました。最初は1年契約でした。当時はメタボローム解析については全く知らず、『太った人をどうにかするのかな?』なんて思っていました(笑)」
プロジェクト全体を俯瞰的に見るという新しいポジションのために採用された丸山さん。プロジェクトの流れを理解するため、解析チームに6ヶ月配属されたのち、前処理チーム、解析チームをそれぞれ1ヶ月ずつ経験した。そのあとは東京事務所、大阪事務所で営業をそれぞれ1週間ずつ体験。すべてがOJTで、いきなり現場に立ったという。
「解析チームに入ったばかりの頃は飛び交う専門用語が全く理解できませんでした。けれど、そんなことを言ってられないので、とにかく10回手を動かして、それでも分からなかったら訊こう、と。そうしているうちに3ヶ月くらいで測定のことが少しずつ分かるようになってきました。東京と大阪の営業では、自分で仕事を創っていきました」。
ところが、いざプロジェクトを俯瞰するポジションに就くと、まだ分からないことだらけ。仕方がないので現場に聞きに行き、ひとつずつ解決していった。
「分からないことだらけで戸惑いはありましたが、クライアントの課題を聞いてベストな解決方法を提案するという点では前職の時と変わりません。なので、やっていること自体は面白いと思っていました」。
メタボローム解析は世界の最先端の技術ゆえ、入社時の実務経験は理系出身者でもほぼ皆無。HMTで求められるスキルとは、理系出身かどうか以上に、新しい環境に対してタフに挑戦できるかどうかにある。自分で仕事を拓いていく強い意志があるならば、たとえ文系の出身でも採用の可能性がある。
オンとオフ、どちらも充実の鶴岡ライフ
仕事ではプロジェクトの管理を任され、忙しく働いている丸山さんだが、時間外の勤務はあまり多くないという。アフター6にはダンスの他に、サイエンスパークの企業数社の社員が集まるスポーツクラブにも参加。さらにはクラブの仲間と新酒祭りなどの地元イベントにも顔を出しているそうだ。オンもオフも充実した日々を楽しんでいる丸山さんが座右の銘を教えてくれた。
「どんな道を選ぶかではなく、選んだ道でどれだけやるか」。
生命科学のフロンティアを走りながら、休日もしっかり楽しみたい。
そんな”欲張り”な挑戦者を歓迎します。
募集要項
募集職種 | 1・分析技術職(テクニシャン) 2・マーケティング職 3・国内ソリューション営業 |
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業務内容 | 【1・分析技術職(テクニシャン)】 メタボローム受託解析業務において、お客様さまからお預かりしたサンプルを測定、データ解析し、分析レポートを納品するという一連の流れがございます。その中で、データ解析及び分析レポートの作成が主な業務になります。 具体的な業務の内容は、以下のとおりです。 1) 測定データの解析 2) 分析レポートの作成 3) 時期リーダー候補としてチームメンバーの育成 【2・マーケティング職】 ・マーケティング活動の企画・立案及び実行、マーケットリサーチ・分析、プロモーション戦略の立案、キャンペーン企画等の営業企画、顧客ターゲット調査、販促資料やプレゼン資料の作成、営業管理システムの管理・運用、営業及び顧客からの問い合わせ対応窓口、学会・セミナー・展示会参加、ウェブサイトの管理・運用、SNSへの情報配信 【3・国内ソリューション営業】 国内における製薬、化学、食品メーカー等の民間企業や、大学ならびに公的研究機関等の研究者向けに、当社技術である『メタボローム解析』を提案して頂きます。(ご入社後、約2週間、当社本社研究所(山形県鶴岡市)にて当社技術や知識習得のための研修を予定。) |
雇用形態 | 【1・分析技術職(テクニシャン)】契約社員(正社員登用制度あり) 【2・マーケティング職】 【3・国内ソリューション営業】正社員(但し、入社後3ヶ月間は試用期間とする(待遇、条件は同じ)) |
勤務時間 | 9:00〜17:30 |
給与 | 1・2・3・【経験・能力を考慮の上、当社規定 により決定】 |
休日 | ・完全週休二日制(土日) ・祝日 ・会社創立記念日(毎年7月第一金曜日) ・年末年始休暇(12月28日~1月3日) ・年次有給休暇(当社規定により付与。初年度最大14日を入社日に付与) ・夏季休暇(7月1日~9月30日の間で3日間。有給休暇とは別) ・慶弔休暇 |
福利厚生 | 社会保険完備 通勤交通費実費支給 総合福利厚生サービス 従業員持株会 |
勤務地 | 【1・分析技術職(テクニシャン)】 鶴岡本社研究所(山形県鶴岡市覚岸寺水上246-2) 【2・マーケティング職】 【3・国内ソリューション営業】 東京事務所(東京都中央区新川2-9-6シュテルン中央ビル5階) |
対象となる方 | 【1・分析技術職(テクニシャン)】 (必須条件) ・エクセルスキル(MOS有資格者もしくはそれと同等の方) ・パワーポイントのスキル(中級程度) ・メタボロームへの高い関心 (歓迎するスキル・経験) ・コミュニケーション能力の高い方 ・生化学、生物学に興味のある方 ・理系のバックグランドをお持ちの方 ・協調性のある方 【2・マーケティング職】 (必要の経験・スキル) ・ 生物学、農学、薬学、化学、医学系等の学部出身者または同等の知識 ・マーケティング及び営業企画経験3年以上 (歓迎する経験・スキル) ・英語でのコミュニケーションがある程度図れる。 (求める人物像) ・高いコミュニケーション能力 ・業務に積極的に、かつ素直に取り組む姿勢 ・正確に粘り強くやり遂げる姿勢 ・問題発見/解決能力 ・業務遂行能力や達成意識が高い方 【3・国内ソリューション営業】 (必須となる経験・スキル) ・生物学、農学、薬学、化学、医学系等の学部出身者または同等の知識 ・営業経験2年以上 (歓迎する経験・スキル) ・理化学機器の販売の営業経験(ある程度分析に知識がある) ・バイオテクノロジー産業での実務経験 ・CRO、SMO、製薬関連企業の実務経験 ・英語によるビジネスコミュニケーションスキル 営業社員として過去に優れた実績を残してきた方で、さらにその実力を、新しい環境でも試したいという意欲さえお持ちであれば、チャレンジを歓迎いたします。 |
入社予定日 | 随時 |
応募方法 | ※こちらの求人情報は、転職エージェントの株式会社キャリアクリエイトが保有しています。 ご応募にあたっては、株式会社キャリアクリエイトの転職支援サービス(無料)へのご登録が必要です。 ※すでにキャリアクリエイトの転職支援サービスに登録済の方は、担当のコンサルタントに直接お問い合わせください。 |
選考プロセス | (ご登録から応募までの流れ) こちらの転職支援サービスお申し込みページからの転職支援サービス(無料)へのご登録、または下の応募フォームより転職支援サービス(無料)へのご登録をお願いします。 ご登録後、キャリアクリエイトのコンサルタントからご登録連絡先へ今後の流れと求人情報の詳細についてご案内します。 正式なご応募は、求人情報詳細をご確認の上、コンサルタントにご依頼ください。 その後のご応募手続き、選考上のサポートについても対応いたします。 ※ご経験・ご経歴よりこの求人情報へのご応募が難しい場合がございます。予めご了承下さい。 |
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