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  • 山形と東京と、世界を相手にするニットの仕事。
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「ブランドの立ち上げから6年。最初で最後のような岐路に、いままで何度も出会いましたが、そのときどきで、誰かに“行け”と言われているような感覚。やらなきゃ一生後悔することがわかっていたから、前に進むことしか考えられなかったのですね」。

 

ファクトリーブランド〈Coohem(コーヘン)〉

山形県のニット産業は、素材や編地開発からの製品作りにかねてから注力し、山辺町を中心に産地内一貫生産方式を先駆けて導入。高品質な製品力を武器に、その名を全国へ広めてきた。

90年代頃から、安価な海外製品が市場に押し寄せるようなり、厳しい状態が業界的には続いているが、世界品質のニットで独自の路線を行く企業が点在し、今回こちらで紹介する〈米富繊維株式会社〉も、山形のニット業界を牽引してきた企業のひとつであり、2010年には自社のファクトリーブランドを立ち上げるなどして、国内外からの注目を集めている。

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ブランドは〈Coohem(コーヘン)〉。その名前は、素材や色、太さの違う糸で織物のように仕上げる「交編(こうへん)」という用語に由来し、また、その商品は、1952年より続く同社の歴史の中に蓄積された膨大な数のテキスタイルをベースに、今の時代感を取り入れた高いデザイン性で評価されている。

このブランドを立ち上げたのは、同社の3代目であり、現代表取締役社長を務める大江健さん。同社の社長として、そしてブランドのディレクターとして、山形と東京を頻繁に行き来する日々を送っている。

 

 

ニットの持つ、可能性を模索して

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大江さんに聞けば、〈Coohem〉の立ち上げは、同社の現会長である父・富造さんの夢でもあった。国内ニット業界のビジネスの主軸は、OEMの生産である。そのため、市場に安価な海外製品の流入がはじまると、メーカーは各社ともにOEMからの脱却の道を探しはじめた。その動きは同社も同じく、社内にニットスタイル開発を専門とする部署「編地研究室」を設置し、自社ブランド開発の糸口を模索した。あと少しのところで、富造さんは目標を達成するに至らなかったが、一方ではおよそ30年という長い時間の中で、膨大な量の編地が開発されていったのである。

「“自社ブランドの立ち上げ”は、父も言い続けてきたことでした。業界でも高い水準の技術があり、また、数え切れないほどのテキスタイルがうちにはあった。それでも、ブランド立ち上げには至れなかった。OEMの製品作りと、自社の商品作りは決定的に違うものです。そして、新しいことをはじめるには、若い人材、また、アパレル業界を知る人材がいなかったことが、あと一歩を踏み出せない足かせになっていたのではないでしょうか」。

30歳で山形に戻り、同社に入社した大江さんは、当時からひとつの思いを胸に抱いていた。“僕ならば、会社の技術をカタチにできる。こういう商品を作れば、このお店に置いてもらえる”。大学卒業後は専門学校でマーケティングやデザインを学び、また、セレクトショップという、生産の現場とはまったく異なる環境で働いてきた経験と培ってきた人脈から、さまざまな想像を巡らせていたという。

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かくして、大江さん単独による地道な商品企画や営業活動を経て、2010年に〈Coohem〉は産声をあげることになった。当時、米富繊維の業績はおもわしくなく、いつ止められるかという焦りを感じていたと言うが、一つひとつ営業と展示会を繰り返すなかで取引先も増加。2011年にはパリでの合同展示会に出展できる好機にも恵まれ、そこではブランドの技術力への評価と、取引についての問い合わせを受けた。

「あのとき、パリに行けたのは本当にラッキーでした。英語は話せない、資金も無い。でも、そんなこと考えている暇はなかった。失敗したら再チャレンジしようなんて体力は、自分にも会社にも残っていない。ブランド立ち上げから最初の3年間は、毎回なにかに勝負をかけていました」。

それから2年経った2013年3月に、〈Coohem〉は海外での合同展示会に本格的に参加することになるが、そこにはひとりの女性社員の存在が深く関わっている。その方が松岡奈緒子さん。同社の海外営業担当である。

 

海外営業担当としての仕事

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都内で2社のアパレル企業と、広告代理店での勤務を経て、2012年に同社へ入社した松岡さん。現在は、主に海外に関わる業務全般に携わり、大江さんとともに国内外を飛び回る多忙な日々を送っている。

華奢でやわらかな彼女の雰囲気とは異なり、その仕事は多く、多岐にわたる。 海外に向けては外国人相手の営業交渉はもとより、商品の輸出・管理、また、国によって異なる請求書(インボイス)の作成などをほぼ一人で担当し、国内でもシーズンごとのカタログ作成、商品企画の検討やアドバイス、メディア対応などと、簡単にあげるだけでも目が回るよう。

大江さんによれば、松岡さんは〈Coohem〉が本格的に海外進出をする上での原動力となった人物。それまでは一人でブランドの企画と営業をしていた大江さんは、アパレル、広報分野でのキャリアがあり、また語学も堪能な松岡さんとの出会いを機に、海外での展望を真剣に考えるようになったという。では、松岡さんはどのように感じていたのだろう。

 

東京で、山形の企業に勤める働き方

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「若い頃は東京でバリバリ仕事をしていたいという気持ちが強くて、1ミリも山形に帰ってこようとは思いませんでした。ただ、年齢を重ねて30歳くらいになると 故郷へ戻ろうかと一度は考えると思うものです。私の場合、ちょうどそのタイミングで両親が身体を壊してしまった。そのときに出会ったのが米富繊維であり、〈Coohem〉というブランドでした」。

東京オフィスでスタッフとしての採用だったので、海外ビジネスを立ち上げることになったとき、まさか外国人相手に仕事することになるとはと少々戸惑ったという松岡さんだが、同社で働くことで山形との行き来も増え、年に2度しか会わなかった両親と、少なくても月に1度は会えるという現在の環境に満足しているという。

「東京で、東京でしかできないような仕事をしていますが、本社は山形にあります。大江が山形にいるときは、スカイプなどを使ってミーティングをしています。だから、半分は山形にいるような感覚。また、月に一度くらいしか本社にいませんが、私も山形出身だからか、生産現場の皆さんとの距離もはじめから近かった。物作りをする上で、コミュニケーションはとても必要ですから、その意味でも恵まれていました。そして、山形で作られた商品で、東京で世界で勝負するのですから、とても有意義に感じています」。

結婚し、東京にいながらにして、自分のキャリアや能力を故郷・山形の企業で生かす。松岡さんの話からは、そんな働き方の可能性が感じられた。

 

ファクトリーブランドのイメージを覆せ

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ファッションブランドは世の中にたくさんある。ただそれは、デザイナーズブランドであり、その人の感性とクリエーションで成立している。しかし、〈Coohem〉はファクトリーブランド。海外でこそ、その技術や歴史、製品に対する評価が高いが、国内では“工場のブランド”として一般的に評価は低い。そのイメージを覆すことが、大江さんや松岡さんの目標であり、またファクトリーブランド〈Coohem〉が持つ宿命なのである。

「今年からはようやく年に2回パリの展示会に参加することになり、それを受けて今期からメンズラインを展開するようになりました。国内ブランドにとっては厳しい時代になったけど、僕らはこれから世界に向けて動いていきたい」。

そのために必要なのは、米富繊維、またCoohemで働いてくれる新たな人材。アパレルとしての側面を見るか、技術職としての側面を見るかで、働き方は変わってくるはず。しかし、この企業にはそのふた通りが存在し、東京でも山形でもやる気がある方ならばフレキシブルに職場を配置することも可能である。

この企業とこのブランドを、一歩推し進める力となれるならば、門は誰にでも開かれているはずだ。

 

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※この記事は、東北経済産業局「平成28年度東北地域中小企業・小規模事業者人材確保支援等事業((2)事業)」の一環で制作しました。

募集要項

募集職種 パタンナー・リンキング <勤務地:山形本社>
ソーイングオペレーター <勤務地:山形本社>
ニッティングオペレーター <勤務地:山形本社>
業務内容 弊社で生産するニット製品の生産業務に携わっていただきます。
雇用形態 正社員もしくは契約社員 ※試用期間 3カ月
勤務時間 山形本社 8:20〜17:15(休憩65分12:00~12:50、15:00~15:15)就労時間7時間50分/日
給与 経験、能力、実績等を考慮の上、優遇・決定します。
休日 土曜日は隔週、日曜日、祝日、GW、お盆、年末年始
福利厚生 社会保険、健康保険、厚生年金、雇用保険 完備
通勤手当
社員購入割引制度
勤務地 米富繊維株式会社 山形本社
対象となる方 高校卒業以上の学歴を有する方
経験者歓迎
普通自動車運転免許
入社予定日 随時
応募方法 履歴書(写真貼付、Eメールアドレス記入)を下記住所にご郵送ください。
追ってEメールにて面接日時、場所をお伝えいたします。
*書類選考を通過した方のみのご連絡となりますので、ご了承ください。
また、応募書類に関しては返却いたしません。

【書類送付先】
990−0301 山形県東村山郡山辺町大字山辺1136
米富繊維株式会社 山形本社 採用担当宛
選考プロセス 会社見学について
山形本社工場の見学については、下記の採用担当者までEメールまたはFAXにてお問い合わせください。
会社見学については就職希望者のみ対象となり、応募職種、勤務地等確認した上でお問い合わせください。
※お申し込みの人数が多いまたは希望日時によっては、お受け出来ない場合があります。
お問い合わせ 米富繊維株式会社 山形本社 採用担当 E-MAIL:info@yonetomi.co.jp/FAX 023-664-8169
HP http://www.yonetomi.co.jp/

米富繊維株式会社

1952年創業。世界でも類を見ない高いクオリティを誇るニットテキスタイル(編地)の開発技術をもち、素材開発から商品開発、量産に至るまで自社ファクトリーにて一貫して行っている。OEM / ODM の事業に加え2010年に立ち上げた自社ブランド“Coohem(コーヘン)”の3事業で企画・生産・販売を手掛ける。

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