庄内に来て神様の話がよく出てくるようになりました。

山伏とか、年中行事とかのお話の中で。

神様といっても新興宗教とかではなく、

古来から息づいてきた八百万の神様です。

下の写真の行事もその一つ。

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12月9日にある大黒様のお歳夜です。。

これは、庄内地方に古くから伝わる行事で、豆料理や、ハタハタの田楽を大黒様にお供えして、家族の健康や商売繁盛に感謝し、祈る日です。

時期になるとスーパーでは黒豆やまっか大根(お供え用)、米いり(炒り米)、納豆、もだし(ならたけ)の塩漬け、からどり(干したずいき芋の茎)などが大黒様のお歳夜コーナーとしてまとめて売られています。

これまでは、なんだかピンとこなくて、見慣れない品々を物珍しく眺めているだけでした。

 

 

庄内での暮らしも5年目をむかえ、年々知識が増し、やっと今年私なりに大黒様のお歳夜を過ごせたのでその時のお話を。

その日は黒豆なます、黒豆ごはん、納豆汁、そして豆腐の田楽を作って、食卓に並べました。

(難しそうですが、1時間ちょっとあればすべてのお料理ができるんです。)

詳しい方は、ハタハタの田楽は?と突っ込まれそうですが、今年は出遅れて売り切れていたのであえなく断念。

来年、ハタハタは早めに買っておこうと思います。

 

大黒はん

残念ながら我が家で作った料理の写真ではないです。

食卓に並ぶあまりに地味な色合いに撮る気がしなかったのです。

黒豆ごはんにいたっては、玄米で作ったので紫がかった茶色のごはんに!

(本来は白米ともち米と黒豆の薄紫色の美しいごはんです) 味はおいしいのですが・・・。

黒豆なますも配合を間違えて濃い紫色に。

今までイベントで食べた料理は、立派な朱塗りのお膳に載っていたり、美しい和食器に彩られていたので気づかなかったのですが、白い食器ではどうにも華やかさに欠けてしまうみたいです。

我が家の大黒様のお歳夜にはまだまだ改善が必要なようです。

 

まっか

今年の一番のこだわりは、お供え用のまっか大根!

(二股に分かれた大根のこと。

大黒様がお腹をこわしてまっか大根を食べて治ったことに由来、

他にもまっか大根は大黒様の奥さんだという説も)

我が畑で偶然できたまっか大根に思わず、にんまり。

この日のために収穫してきました。

庄内に来ていなかったらこの大根もただの面白くて残念なものだったかも・・・。

来年もできるかしらと思いつつ、大黒様にお供えしたのでした。

 

庄内の人たちと同じように、家族で食卓を囲めたことに感謝の一日でした。

喜びや小さな失敗によって、この庄内の行事が、より我が家の暮らしの一部になった気がします。

 

 

私の勝手な持論ですが、年中行事は思い出とともにできている気がします。

思い出もないまま行事を食卓に取り入れても、しっくりこない。

地元の人からお家で料理の作り方やお供えの仕方を教わったり、

自分なりのこだわりができたり、

「小さい頃、米いりが食べられるのがうれしかった」とか、
「うちは魚屋なので、その日は一家総出でハタハタの田楽作りで忙しい」とか思い出を聞いたりして、

大黒様がより身近なものになってきました。

 

当たり前だけど、地域の暮らしを知るには地元の人に聞くのが一番。

昨年は、あるご家庭にお邪魔して大黒様のお歳夜を体験させてもらいました。

ネットや本でも情報は得られるけれど、各家庭での暮らしは人々の口や手、家庭という場によって本当に伝わる気がしました。

地元の人の暮らしを教えてもらうと、より豊かにより楽しく地域での時間を過ごせますよ。

 

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明石智代

ライター情報

明石 智代

広島県出身。2009年に山形県鶴岡市に移住。食べることが好き。おいしく食べるためなら、どんな手間もいといません。 地元の女性がリポーターに扮...