全ては山形庄内からはじまる。

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山形県鶴岡市覚岸寺。
そこには「サイエンスパーク」と呼ばれる一帯が存在する。今から15年前、行政主導により都市計画上の網がかけられた当該地には、慶応義塾大学先端生命科学研究所の進出からはじまり、同所が輩出したバイオベンチャー【ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(株)、スパイバー(株)等】の産業拠点が集積している。県・市は15年の長きに渡り、サイエンスパーク計画を支援し続けており、今後も山形県庄内を拠点とする真のグローバル企業の創出を目指している。

行政がサイエンスパークに期待を寄せることは何か。
それは、新産業の創出をきっかけに、豊かな地域社会を形成すること。
毎年の人口減少に加え、少子高齢化。消滅可能性都市と呼ばれる山形庄内の抱える問題は根深い。サイエンスパークの敷地面積約21.5ヘクタールの内、約3分の2に当たる14ヘクタール程度が未利用地であるが、豊かな地域社会の実現に向け、その未利用地の活用には大きな期待が地域から寄せられている。しかし、開発資金の問題や行政特有のスピード感(既開発は全て行政主導)等、全体の開発が具体化するまでには長い期間を要すると、多くの関係者は見込んでいた。

その未利用地が、ある民間企業の手により開発されようとしている。

2018年秋に、14ヘクタール全てを完成させようというのである。

その企業の名前はYAMAGATA DESIGN(株)。
2014年8月、市主導での開発から民間主導での開発へ、豊かな地域社会の早期実現に向け、県・市から大切なバトンを受け取った企業である。

 

YAMAGATA DESIGN(株)とは何か。

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東京日本橋に本社を置く三井不動産(株)出身の山中大介氏が代表取締役を務める同社は、「地域経済から、街づくりをデザインする」をミッションとして掲げる地域ディベロッパー(不動産開発運営会社)。従来の大規模な都市開発・街づくりは「お金を持っている国や企業がやること」が資本主義社会の常識だったが、「地域社会の発展を一番真剣に考えられるのは地域に住んでいる人たち」というシンプルな気づきの下、地域が地域に投資をする、まったく新しい都市開発モデルにより、真に豊かな地域社会の創出を目指している。その想いは山形県内の地銀団に共鳴し、今後地銀団と共に、世界でも類を見ない、完全地域主導の都市開発を、山形庄内において推進する予定だ。

そんなYAMAGATA DESIGN社(以下:YD社)が描く14ヘクタールの開発は大きく3つの要素に分かれている。

まず1つ目が「産業」。サイエンスパークに拠点を置くベンチャー企業の産業拡大用地を確保し、産業の活動拠点の更なる拡充を図ることで産業そのものの支援を行う。2つ目が「交流」。今後庄内は様々な目的を持った交流人口の増加を見込み、そのための玄関口となる宿泊・滞在施設を建設する。当該施設では庄内地域の土着の魅力に、外からの人々が実際に触れ、ファン化する仕組みと仕掛けを創出予定。3つ目が「子育て」。これからの社会の未来を担う子供たちに、豊かな教育環境を提供する。屋内型の子供の超巨大「遊びながら学ぶ」空間で、子供たちの生きる力を育むプログラムを用意。0〜12歳を対象とした保育・放課後教育一体型施設となる予定である。

また、それらすべてを世界的建築家である坂茂氏が手がけ、そしてそのすべてを木構造で建設することも本事業のおもしろさを引き立たせる要素となっている。

 

代表取締役 山中大介氏 について

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2014年4月まで、三井不動産(株)に勤務し、郊外型大規模商業施設の開発・運営に携わっていた山中氏。在職時代は「とても楽しい毎日だった」と、充実した毎日を送っていた。しかし、あるときから自身の手がける不動産開発業務に強い疑問を抱くようになっていった。

「自分のやっている仕事は、本当に社会を豊かにしているのか?」

資本主義社会である以上、企業は儲けることを投資家に義務付けられている。それは十分に理解をしているが、いつしか自分自身が提案する事業計画の中身は、企業だけが儲かれば良いという中身になっているのではないか。本当の地域社会の豊かさという視点が欠けてはいないだろうか。

その疑問は日に日に大きくなり、山中氏は「自分がどのように生きたいのか」根本的な自問自答を繰り返すようになった。

 

「自分は何のために働いているのか。自分自身のため? 社会のため? 企業・投資家のため?」

山中氏が悩みついた末にたどり着いた答えがあった。

「社会のために生きることが、自分のために生きること」

 

嘘偽りのない、一番素直な答えだった。

 

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そしてあるとき、親友の父親であった冨田勝氏からの紹介で、スパイバー(株)代表執行役 関山和秀氏と出会う機会があった。スパイバー社が構造タンパク質事業の産業化を通じて目指す社会は、山中氏の考えに合致していた。「体育会出身・文系・不動産ディベロッパー」の山中氏は、周囲の大反対を押し切り、自身にとって異世界とも呼べるバイオベンチャーのスパイバー社への転職を決意し、2014年5月に山形庄内へ移住をした。想いだけで行動することに大きなリスクもあっただろうが、これが全てのはじまりだった。

そして、運命としか言いようがない物語が待っていた。
山形庄内への移住後、山中氏が出会ったのは、スパイバー社のクモの糸ではなく、サイエンスパークの開発計画であった。全てを捨てて飛び込んだ山形庄内という地において、不動産ディベロッパーが求められていた。山中氏は強い運命を感じた。そして全てが必然であったかの如く、2014年8月YAMAGATA DESIGN(株)を設立し同社の代表取締役に就任した。

 

YAMAGATA DESIGN(株)が目指す社会

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YD社が掲げるビジョン、それは「すべての人々が幸せな社会を実現する」こと。

実現するための方法は極めてシンプル。

すべての人々が「自分が生きる、子供が生きる、未来を考え、行動する。」こと。

YD社は都市開発・街づくりという分野において、ビジョンを実現するための仕組み・仕掛けづくりに挑戦している。そしてそれは“資本主義社会の常識”をぶち壊し、新しい資本主義の形を創ることかもしれない。YD社は今、資本主義経済の“ルール”から逃げるのではなく、むしろその“ルール”をよく使うことで、次の時代のあるべき都市モデルを本気で創出しようとしている。

山中氏は語る。「最初は私たちの主張するモデルを、誰も信じてはくれませんでした。しかし、自らがリスクを背負い、情熱を傾け、行動し続けた結果、今私たちは本当に多くの協力者に囲まれています。本当にありがたいことです。社会のために生きたいという想いだけで、今ここにいます。偶然の連続でしたが、振り返ると、全ては必然でした。そんな素晴らしい経験を与えてくれた山形庄内に、今、感謝の念でいっぱいです。自分自身の最大限で、この山形庄内を豊かにしていきたいと本気で考えています。14ヘクタールの開発は、はじまりにしか過ぎません。地域の皆様と共に、地域のあるべき未来を創り続けたい」。

地域のすべての人々が、自分が生きる、子供が生きる、地域の未来を考え、行動する。
14ヘクタール開発後に、山形庄内は自らの手で未来への一歩を刻んでいるのかも知れない。

既に十億単位でのファイナンスを完了しているYD社の開発とともに、山形庄内が世界的に注目されることは必然なのではないだろうか。

Profile

山中大介さん

YAMAGATA DESIGN(株)代表取締役。
慶応義塾大学環境情報学部卒業後、三井不動産(株)へ入社。
郊外型大規模商業施設の開発・運営業務に従事した後、「社会のために生きたい」という信念の下、山形庄内へ移住し、不動産開発・運営会社YAMAGATA DESIGN(株)を設立、代表取締役に就任。現在は山形県鶴岡市サイエンスパーク開発計画を推進する。地域経済から街づくりをデザインする全く新しい都市モデルにより、真に豊かな社会の創出を目指す。
> YAMAGATA DESIGN 株式会社 WEBサイト

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